2011年7月17日 19時45分 更新:7月18日 1時56分
【ワシントン白戸圭一、北京・成沢健一】オバマ米大統領が16日、チベット仏教最高指導者ダライ・ラマ14世と米ホワイトハウスで会談したことに対し、中国外務省の崔天凱次官は17日、北京の米大使館幹部を呼び出し、「重大な内政干渉であり、中国の核心的利益と両国関係を損ねた」と抗議した。しかし、オバマ氏は会談の中で米中関係の重要性を指摘し、中国側も現時点では対抗措置に言及しないなど、両国の様子見の姿勢も目立った。
ホワイトハウスの声明によると、オバマ氏は会談で、チベットの人々の人権擁護を強く支持。中国政府との対話を求めるダライ・ラマの姿勢を称賛し、中断している直接対話の再開で問題解決に当たるよう促した。
一方でオバマ氏は、「チベットは中国の一部であり、米国はチベットの独立を支持しない」との立場を改めて表明し、米中の協力関係構築の重要性にも触れた。ダライ・ラマとの会談は昨年2月に続き2回目だが、前回と同様にホワイトハウス内の私的面会用の部屋で行い、メディアの撮影も認めなかった。
中国外務省によると、崔次官も会談について「強い憤りと断固たる反対」を表明した一方で、「両国関係の安定と発展を維持するためには、双方がともに努力する必要がある」と指摘。当面は米国側の出方を見極める構えとみられる。