「恐るべき原発クーデターの深層(その2)」(月刊『THEMIS』平成23年5月号)

 前回述べた如く、菅総理はベントを意図的に妨害した疑いがあるのですが、官邸は福島原発の風評被害の発信源でもあるようです。ある日銀幹部は、「風評被害の元凶は菅直人だった」と述べています。

 震災直後から数々のデマや流言飛語が飛び交いましたが、その中で日本銀行や東京証券取引所などの金融機関を最も苦しめたのが、日銀や東証の東京閉鎖、大阪移転などのデマだったそうです。

 「金融市場は閉鎖される」
 「日銀は大阪支店に本店を移す」
 「東証は証券市場を大阪に移す。その準備を大証に打診した」

 こういったまことしやかな噂が流れ、その度に日銀や東証は関係機関への説明や対応に追われました。日銀の白川総裁も、講演の中で、「日銀が西日本への機能移転を検討」といった「根拠のない噂」について、外国銀行が「確認」を求めてきたことを明らかにしました。

 そして本記事には、「デマに揺れる金融市場の動揺を抑えるため、1日で21兆円の大量の資金を短期市場に供給、最大額はリーマンショック後の3倍も上回った」と書かれていますが、本当はこのお金の行方の方が大事です。米国に流れてしまったかも知れないからです。そうだとすると、デマを流した人間は、米国と繋がっていた可能性があります。

 こうしたデマの発信元を手繰ってゆくと、驚くべきことに官邸サイドにぶち当たるそうです。官邸が風評被害の発信源だったというのです。

 デマの発信源など判るのかと思う人もいるでしょうが、警察はそれぐらいのことはできます。日銀などが警察に通報して、デマの出所を探ってもらったのでしょう。

 昔、名古屋で、金融機関の取り付け騒ぎが起きたことがあります。それは電車の中での学生のいい加減な噂話が原因でした。「○○銀行は危ないらしいよ」といった話を満員電車の中ですれば、それを真に受けた人たちが噂を一挙に拡げてしまいます。その結果、預金者が引き出しのために銀行へ殺到しました。

 警察は捜査に乗り出し、噂を流した学生を突き止め、きついお灸を据えました。別に悪意はなかったようですが、悪い噂は忽ちにして拡がってしまうのです。

 今回も同様に警察が捜査した結果、官邸に行き着いたのでしょう。官邸が犯人では、手が出せません。金融機関も、唖然としたことでしょう。

 その頃、菅総理は、関係者に「最悪の場合、東日本がつぶれることも想定せねばならない」と発言していました。こういう話は普通漏れないものですが、いとも簡単に外部に流れています。いくら菅総理に人望がなくても、影響の大きさを考えれば聞いた人は喋れないでしょう。箝口令が引かれていなかった可能性が高いのです。

 この発言の真意はどこにあるのでしょうか? 官邸関係者によると、「原発危機が大きくなれば菅政権が首都東京を放棄し、西日本に遷都するシナリオを想定していた」そうです。菅総理らしからぬ壮大なシナリオです。本当の話なら、別の人間が構想を描いたのでしょう。

 西日本遷都には、政権にとって次のようなメリットがあります。「遷都となれば、大規模な公共事業が生まれ、新たな復興事業を上回る莫大な利権を菅政権は手にする。しかも西日本の拠点・大阪は民主党勢力の金城湯池であり、菅氏を支える在日朝鮮人・韓国人の多い地域だ

 中々穿った見方です。これを実現するためには、福島原発の危機を意図的に拡大し、東京から人々が逃げ出すように仕向ける必要があります。そこで動員されているのが、左翼系マスコミ・反原発学者たちで、あろうことか、官僚にデマを吹き込んでいるようです。本記事にはこう記されています。

 「最も忌まわしいのはマスコミ関係者からの霞が関中央官僚へのデマ情報だ」と、警視庁の公安関係者は指摘する。官邸や東電の情報公開の稚拙さを盾に、不安に陥った官僚を相手に「極秘情報」と称して口コミによるデマを告げ、「東京からの逃亡」を盛んに呼びかけているのだ。
 これまでの取材先だった霞が関の官僚に、元記者などから外国機関が極秘情報源と称して「原子炉は近く爆発する」「東京にチェルノブイリ級以上の放射能の雨が降り廃墟になる」などと告げ、日本混乱を狙ったデマをばらまいているという。


 放射能の影響については官僚も判らず、その不安に付け込んでマスコミ関係者が逆に誤情報を吹き込んでいるわけです。何とも質の悪い集団と言わざるを得ません。

 発明家の飯山一郎氏のブログに、高級官僚や上場企業のトップは、家族を京都・大阪に疎開させ、本人も新幹線で通っているという記述がありましたが、彼らは官邸・マスコミによるデマに踊らされていることになります。この記事が『THEMIS』に載せられたことで、この疎開騒ぎは収束に向かうかも知れません。

 首都を移転することは悪いことではありません。東京一極集中の体制が限界に来ていることも確かです。しかし、風評被害を意図的に流して東日本の人々を苦しめ、現政権の延命と莫大な利権の獲得を謀ることは許されません。東日本復興と西日本遷都構想は、別々に扱うべきテーマです。

 冗談で、「菅直人自身が風評被害」と言われていますが、これは掛け値なしの事実だったのです。政治には怖ろしい裏があるということをまざまざと見せつけられた一件と言えましょう。
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Author:陽光堂主人
十代から本を乱読して得た雑多な知識と実務家としての経験とを併せて、新刊書を話のネタに世の中の真実を追究します。主なジャンルは、政治経済・歴史・精神世界です。「陽光堂主人」は、某月刊誌で使っているペンネームです。

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