FILE159:「ペットはアナタに首ったけ?」
2011年9月15日放送
9月20日(火)午前1:30〜<総合>再放送予定です。
ニュースや特別番組等の影響で、放送時間変更や休止の場合もございます。ご了承ください。
NHKオンデマンドで9月16日(金)午後6時〜配信予定です。
林良博(ペット学)
ペットブームが止まらない。国内での飼育数はイヌ1200万頭、ネコ1000万頭。
爆笑問題が訪れた都内の大型ペットショップには、ペットの幼稚園に美容院、不動産屋から、イヌネコ用のベビーカーまでズラリ揃っている。人間のものより豪華なペット用ケーキやオムライスを試食した二人の反応は・・・。
なぜ人はこんなにペットを愛するのか?
この難題に答えるのが、動物行動学者の林良博東京農大教授だ。NHKの「ペット相談」などでもおなじみ、「ペット学」の第一人者である林は、人間と動物の関係を研究テーマとし、IWC(国際捕鯨委員会)委員として南氷洋での調査に同行するなど幅広く活動してきた。自身が大の愛犬家でもある。
イヌの起源は中央アジアにいた中型の野生のオオカミ、ネコの起源は砂漠に生息するリビアヤマネコだといい、古代の壁画やエジプトのミイラなどにも、ペット化したその姿が確認されるという。
イヌネコがペットとしてメジャーになった意外な理由とは?彼らに見られる、野生動物だった名残りの習性や行動とは?
田中も、自ら撮影した溺愛する猫たちの秘蔵映像を大公開。
海外と日本でのペット事情の違いから、性格診断や飼い方のコツまで徹底研究する。 ペットと人間の奥深い関係が明らかに!
林良博(はやしよしひろ)
1946年広島県生まれ。東京大学農学部畜産獣医学科卒、獣医師免許取得。
東大農学部長・総合研究博物館館長・副学長を歴任。またIWC(国際捕鯨委員会)などの委員として国際組織にもかかわる。「NHKペット相談」のレギュラー出演者もつとめるなど幅広く活動している。
今回の対戦内容
林良博(はやしよしひろ)/爆笑問題
太田:やっぱり捨て猫や捨て犬っていうのは卑怯だよね。「俺は手は汚さない。おまえ勝手に死ね」っていう、その投げ掛けがものすごく嫌なんだよね。殺しは出来ないけど、飼えないから捨てちゃう。
林:そこは確かに日本人の欺瞞(ぎまん)ですよ。だってそんな森の中じゃあるまいし、誰かが拾ってくれなきゃ死んじゃいますよね。
太田:ねえ! そりゃそうだよね。だから覚悟は必要だよね、飼う時にね。俺なんか子どもの頃犬を飼ってて、どうしたってペットは先に死ぬわけだから。そうするともう嫌でね。それこそ喪失感みたいなのが嫌で、今の猫が死んだ後はもう飼いたくない。だから逆に言うと、飼うなら死を看取る覚悟がないと飼えないよね。
先生の対戦感想
林良博(はやしよしひろ)
太田さんが最初に、犬は嫌いだし、猫も自分で飼っているけど好きじゃない、って言ったでしょ。だけどあれは、子どもの時に相当やっぱりつらい目に遭ってるんだと思いましたね。(ペットの死という)ああいう悲しいことに遭遇するんだったら、もう最初から無視しようと。犬とか猫って、かなり魅力あるものですからね。最初からもう徹底して無視しないと引きずり込まれる。太田さんは引きずり込まれたら、きっとものすごい愛犬家になるし、愛猫家になります。
お二人は、日本人のいいところをそのままそっくり持っておられると思いましたが、「こういう考え方をしないといけないんだ」とか「こうあらなければいけない」とか、そういう決め付け方はしないですね。あれだと他の人ともうまくいくし、飼われる犬とか猫にとっても本当に幸せなことですよ。
爆笑問題の対戦感想
田中:僕の猫のVTRを見て「こんな飼い方はけしからん」とか言われたらどうしようって思ってたんだけど、言われなかったからすごいホッとしたんです。「あれは実は猫はすごいストレスを感じているんだからあんなことをやっちゃいかん」みたいなことをもし言われたらどうしよう、という心配はあったんです。でもずっと猫を飼ってるんで、僕なりにこれは嫌がるとかこれは好きだとかっていうのは何となく分かってやっているつもりだったので。まさに猫なで声というか、“猫語”を使ったりして気持ち悪い!と思う人もいると思うんですけど、まあしょうがないんで、自分のままを出しました。
久々にあれだけいろんな犬に接しましたけど、すごいね、犬は。こっちがどうであろうと、あれだけワーッと寄って来て顔をべろべろなめたり。猫をずっと飼っていると、距離感の取り方の違いに戸惑いました。とはいえ今日は楽しい収録でした。
太田:難しいですよね、なかなか、動物との接し方というのは。割と人間だけでいいじゃんって思う方なんでね。ただ先生が飼い犬と一緒に堕落していくっていうのは面白かったね。自分に甘いから、犬にも甘くするっていう。面白いなと思いました。
まあ自信がないんですね、動物を飼うということに関して。そこまでかまってやれないし。ペットのことばかり考えていられないから。何か、人間のことでもう目一杯な感じがするんだよね。餌をやったり、散歩させたり、とにかく一生面倒を見なきゃならないっていう、それを考えると新しく飼うみたいなことには踏み込めないですね。
ディレクター観戦後記
のっけから太田さんのペット嫌い発言にめまいがしそうになりました。何しろここはペットショップ、讃岐で「うどんが嫌いだ」と叫んでいるようなものです。
犬をはべらした状態でトークしてもらったわけですが、実は意外に太田さん、犬ばかり眺めているのでした。犬が毛を食べたりカメラをかじったりするとトークそっちのけで止めようとする。発言とは裏腹に、これは犬好きの素質十分と見ました。ペット嫌いの鎧というものは、そう長くはかぶっていられないようです。
犬や猫にデレデレしているところを他人に見られるというのは、確かにちょっと恥ずかしく思えます。ですが、田中さんの溺愛ぶりを見ていると、人間を無差別に無防備にしてしまうペットという存在は、なかなか深遠であるなあと思ったりするのでした。
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