松山市発注の松山中央公園駐車場舗装工事の入札に絡む情報漏えい容疑事件で、愛媛新聞社は14日までに、業者側に漏えいされた工事の市の内部資料「金(きん)入り設計書」の写しとみられる文書を入手した。ある業界関係者は「一部業者が金入り設計書を持っていることは常態化している」と証言。関係者の話などから、地方公務員法(守秘義務)違反の疑いで県警に逮捕された技術管理課主幹山田守容疑者(51)とは別の流出ルートの写しとみられる。
事件の工事を担当した道路建設課によると、この写しに記載された設計金額は非公開の実際の金額と一致。同課などは「金入り設計書(の原本)は県警に押収されているため、単価などの詳細な数字の照合はできない」としている。
入手した写しは工事費内訳書や明細書、細かな単価表(代価表)などで構成。資材・作業単価のほかに「直接工事費」「共通仮設費」「現場管理費」「一般管理費」と呼ばれる区分ごとの積算額が記載され、一定の率を掛ければ業者側が下限価格(調査基準価格)を算出できる。契約課の説明では、入札参加を希望する業者は通常、これらの金額の記載がない「金抜き設計書」を購入する。
ある業界関係者によると、一部の業者は市役所サイドからの情報入手ルートを確保し、金入り設計書などの内部資料を入札告示の1週間前から数日前には手に入れているケースが多いと指摘する。