石川のニュース 【9月15日02時58分更新】

「子供助けたかった」 脱北船監視の漁師

木造船に乗った脱北者の男女=13日、輪島市沖
 輪島沖で13日に脱北者9人が乗った木造船を発見、監視した県漁協輪島支所所属の漁 船7隻のうち6隻が14日、漁を終え輪島港に戻った。「子供を何とか助けてやりたかっ た」。当時、水や食べ物を渡した漁師は「海の男なら当然だ」と話した。

 第8さかえ丸船長の池澄勝雄輪島刺し網組合長(53)は、危険はないと判断した一方 で「上陸は防がなければ」と思ったという。

 第十一大涛丸(だいとうまる)の池澄隆守船長(51)が水入りのペットボトルを投げ 入れると、男性の1人が拾って飲んだ。

 雲龍丸の大角司船長(52)が、ペットボトル3本と魚肉ソーセージ6本を投げ渡すと 、母親らしい女性がソーセージを一口食べて確かめてから子供に与え、手を合わせた。大 角船長がしぐさで、男の子に10歳かと尋ねると、女性が笑顔で指を10本広げ、男の子 も笑ったという。

 漁師の話を総合すると、発見時の9人は「みんな長袖だった。思ったより身ぎれいだっ た」という。船のかじの近くに立つ男性は20代ぐらい。ベージュ色の軍服の上着に金色 のボタンが付いていた。赤いシャツの40代らしき男性はたばこを吸い、もう一人中年の 男性が立っていた。

 男性の前には、早口で朝鮮語をまくし立てる高齢女性がうずくまり、30〜40代に見 える女性2人がいた。左舷側には10歳前後とおぼしき男の子3人が腰掛けていた。


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