日本の少子化:住宅市場は深刻なミスマッチ (上)
日本の住宅、13%が空き家
増えゆく空き家-少子化・不景気で需要減、孤独死で放置された家も多く
小規模住宅は不足-単身世帯、25年間で2倍に…小規模住宅は800万戸足りず
縮小する建設投資-道路・ダム建設は半減、オフィスの空室率も10%超
東京都心から電車で1時間の距離にある神奈川県横須賀市の汐入駅。大型デパートやホテルがある商業地域を過ぎ、10分ほど歩いていくと、汐入町5丁目に差し掛かる。ここは横須賀の港が見下ろせる、駅近くの住宅街だ。町の入り口に足を踏み入れたところ、異様なほど人の気配がなかった。入り口には賃貸用の2階建て住宅があるが、その住宅の門にある郵便受けは、どれも空っぽで玄関横に設置された電気メーターは動いていない。
戸建て住宅が集まっている近くの小道を入ると、雑草に覆われ、窓ガラスが割れた空き家が見えた。ある住民は「家主が亡くなったり引っ越した後、新しく入居する人がおらず、空き家が増え始めた」と語った。横須賀市が最近、この町の住宅の全数調査を行った結果、287軒のうち53軒が空き家だった。5軒に1軒が空き家ということになる。
日本では少子化の影響で、「空き家爆弾」が降り注いでいる。年間およそ20万軒ずつ空き家が増えているが、これは京畿道城南市盆唐区(11万軒)のおよそ2倍に当たる。住宅整備や家を広くしようという欲望が最も強まる40代の人口が、1990年代の2000万人から最近では1600万人へと減少するなど、住宅需要が全般的に急減していることが大きな要因だ。
国土交通省の調査によると、08年の時点で、全国の住宅5711万9170軒のうち、13%を超える756万軒ほどが空き家だった。今年は800万軒を超えるものとみられる。
空き家の増加や不景気により、日本の住宅価格は20年間で半減したが、少子化に加え、「自宅」に執着しない単身世帯の増加が重なり、住宅価格のさらなる下落は避けられない見込みだ。日本政府が最近まとめた『国土の長期展望』という報告書では、年間出生者数が70年代の200万人から最近は100万人台に急減したことに伴い、今年の出生者が住宅需要の担い手となる40年後には、空き家が1500万軒を超えるという予測が示された。
- 奈良市の住宅街で、自転車に乗った女性が、「入居者募集」の広告が掲げられた2階建て住宅の前を通り過ぎている。日本は、およそ20年続いている少子化の影響で出生人口が急減し、5戸に1戸は空き家という町も発生している。2008年の時点で、日本の全住宅5711万9170戸のうち、13%を越える756万8000戸が空き家だった。/写真=聯合ニュース