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Twitter版「警察24時」

シロクマ日報

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警察官の仕事を追いかける「警察24時」という番組(ジャンル)がありますが、ダダ漏れなどという行為が普通に行えるようになった時代、何もマスメディアに頼らなくても「警察24時」的な情報発信ができるのではないか――ということで、今年7月にシアトル警察でこんな取り組みが行われていたそうです:

Emergency calls tweeted by Seattle Police (Springwise) シアトル警察はTwitterアカウント(@seattlepd)を開設しているのですが、通常のツイート件数は1日あたり5〜10件程度。その内容も「〜で発生した交通事故の捜査をしています。詳しくは〜へアクセス」といったもので、特に変わったものではありません。

しかし7月26日、「緊急電話に寄せられた内容を(DVや児童虐待といったセンシティブな場合を除き)全てツイートする」という実験が行われ、1時間平均で約40件、12時間合計で478件のツイートが投稿されたのだとか。実際に「〜街〜番地で自殺が発生」など、短くも生々しい情報が提供されたようです。中には「剣を持った怪しい人物がいる」などという通報も。

この実験の結果、同警察のアカウントからは一時的に大量のフォロワーが離脱してしまったのだとか。そりゃそうだろうといったところですが、問題は大量ツイートと生々しい内容、どちらが敬遠されたのか。詳しい分析は行われていませんが、同警察ではこの実験の結果を受けて、"#SeattlePD""tweetalong"の2つのハッシュタグを付けた上で、警察官の日常についてツイートするという新たな試みを9月13日から開始しています。今のところ過去12時間で約30件のツイートというサイクルで、内容も「書類仕事を終わらせたら帰ります!」「現在は特に問題なし!」など普通のつぶやき程度のものが混ぜられています:

seattlePD

こういった適度なツイートを通じて警察の活動を知ってもらう、というのも確かに効果があるのかもしれませんが、より正確な形で警察が直面している状況を感じてもらうためには、7月26日に行われたような「許される範囲内で全ての緊急電話をツイートする」ということも意味があったのではないでしょうか。もちろん犯罪に関する統計情報や地図情報など、現在でも様々な形で警察の活動を知ることができるわけですが、Twitterというリアルタイムウェブの特性を活かすという点では「Twitter版警察24時」の方が効果的だと思います。大量ツイートが敬遠されるようであれば、別アカウントにすれば良いだけですしね。

先日ニールセンが発表した調査結果によれば、米国ネットユーザーがオンライン上で過ごす時間のうち、SNSやブログに費やされる割合が22.5パーセントで第1位になったとのこと。ソーシャルメディア上でどのように自分たちの活動をPRして行くのか、少なくともシアトル警察のように様々な実験を重ねて行く必要がある時代になってきたというわけですね。
■プロフィール

小林啓倫

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株式会社日立コンサルティングの経営コンサルタント。個人でPOLAR BEAR BLOGも執筆中。

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