東京電力福島第一原子力発電所で汚染水を処理する装置の修理をしていた作業員の少なくとも4人が、放射線の一種、ベータ線を測定する線量計が退避を知らせる設定値を超えていたにもかかわらず、作業を続けていたことが分かりました。4人の被ばく量は、法律で定められた上限値を下回っていますが、福島第一原発では、先月下旬から予定外の被ばくをするケースが相次いでいて、東京電力の対応が問われています。
福島第一原発では、14日午前、汚染水を処理する装置で壊れた機器を交換していた作業員4人が、ベータ線を測定する線量計が退避を知らせる設定値の5ミリシーベルトを超えていたにもかかわらず、作業を続けていたことが分かりました。ベータ線は、皮膚から体内に通りにくく、緊急時の作業の被ばく量は、法律で1000ミリシーベルトと定められていますが、4人の被ばく量は、最大で9.5ミリシーベルトで、健康に問題はないということです。現場には、放射線を管理する担当者もいて、線量計のアラームも鳴っていたとみられるということで、東京電力は、原因とともに、近くにいた17人についても問題がなかったか調べています。福島第一原発では、先月下旬にも、東京電力の社員2人が設定値を超えてベータ線を被ばくしたほか、作業員2人が汚染水を誤って浴びるなど、予定外の被ばくをするケースが相次いでいて、東京電力の対応が問われています。