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日本人の大多数は貧困層やシングルマザーなどどうでもいいと思っている − アメリカ貧困層に劣る寄付行動

みんなの心にも投資 … ソーシャルインベスター(社会投資家)への道
日本人が多くの優れた美点を持っているのは言う迄もないが、自己欺瞞だけは余りに重度の病巣になっているのが残念だ。

そこで、この場を借り多くの日本人の公共精神の真実を語ろう。

日本人は、貧困層のことなどどうでもいいと思っている。
自分は何もする気がなく、金も出さないにも関わらず
政府や金持ちを批判して冷淡な己の利己主義を隠している。

(真に良心的な人は、他人の批判よりも常に自分の行動を優先する)

貧困層に対して払う金を値切るために、貧困層の不道徳や生活習慣に目を光らせ、針小棒大に非難する。
そのことで自己負担の抑制を正当化できるからだ。

生活保護受給の世代間継承の深刻さはよく知られているが、完全に自己の損得勘定で行動するという点では日本人全般の行動原理が反映しているとも言えるのだろう。

我々の社会制度には我々全体の意志が反映されている。

日本の税負担や社会保険料負担はアメリカと並んで低い。
しかも寄付額はアメリカよりも極端に低い。

これは、日本人が貧困層に対して向けている冷酷な目を何よりも明白に証拠だてるものだ。

更に困ったことに、中間層や貧困層自身に連帯の精神が希薄で自分自身の行動の総和が今の社会を形成しているとの自覚がないことだ。

慶大の駒村教授は、弱者支援には税などの負担増が必要と明言されている。

この程度の常識も理解できない人々が多いのだ!

『大貧困社会』(駒村康平,角川SSコミュニケーションズ)


米貧困者4600万人=過去最多、人口比15%―2010年(時事通信)
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2011091400032
【ワシントン時事】米国勢調査局は13日、2010年の米国の貧困者が4618万人(前年は4356万9000人)と、統計を初めて公表した1959年以降、最多になったと発表した。これで4年連続の増加。金融・経済危機の影響は依然消えておらず、オバマ政権や議会に一段の景気対策を求める声が強まりそうだ。
国勢調査局によると、全人口に占める貧困者数の割合は15.1%(同14.3%)と、3年連続で上昇した
今回の調査では、4人家族の場合、年収が2万2314ドル(約172万円)以下の世帯を貧困層と定義。全米の世帯の年収は中央値で4万9445ドル(約381万円)と、前年比2.3%減少した。
 → この報道を見てアメリカを嘲笑している者は、
   日本の状況を全く分かっていない。
   これほど大きな格差を持っていながら、
   アメリカは日本より遥かに勝る分野があるからだ。

日本が「寄付大国」になるための2つのポイント(j-cast)
http://www.j-cast.com/kaisha/2011/09/13107063.html
世界一の経済大国のアメリカは、世界一の寄付大国でもある。ビル・ゲイツのような金持ちだけでなく、年収数百万円の中流サラリーマン家庭でも、年に十万円程度は寄付するのが普通だ。
アメリカで最も収入の低い20%の家庭の年収は平均で81万円ほどだが、彼らでさえ年間平均3万5千円弱、つまり月に2900円ほど寄付している。自分自身の生活さえ苦しい人たちが収入の4%を超える寄付をすることについて、元警備員でシングルマザーのターニャはこう説明する。
「カネがない人間のほうが、困っている人の気持ちがよくわかるのよ」(「シアトル・タイムズ」のウェブ版2009年5月23日付けより)

一方、日本人はアメリカ人ほど寄付をしない。「困った人がいたら政府が助けるべき」という考えが支配的のようだ。政府のカネも元は我々国民の税金なのだが、かといって「政府が十分カネを出せるよう喜んで税金を払います」という話もあまり聞かない。
しかし、いろんな人と寄付について話してみると、日本人も実は必ずしも寄付に消極的というわけではないことが分かる。ただ、「何を基準に、どこへ寄付をしたらよいのか分からない」という人が多いようだ。〔以下略〕

最近しばしばメディアに登場する小田切尚登氏の執筆。

収入の4%を超える寄付というものがどれ程なのか、日本人は自分の懐とよくよく比較するべきだろう。

ただこの論考は非常にしっかりしているものの決定的な誤りもある。

社会調査の結果から、日本では「政府が弱者を助けるべきだ」とする人の割合が先進国中で最も低いことが分かっている。

▽ 大竹教授のこの著書を参考まで。

『格差と希望―誰が損をしているか?』(大竹文雄,筑摩書房)


増税にも反対し、寄付もしないという人々は
口先で何と言おうとも他人の窮状などどうでもいいと思っているのだ。

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