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台風12号 日高川漁協が壊滅的被害

2011年9月 9日

 日高川町に大きな爪跡を残した台風12号の影響で、 松瀬地内にある日高川漁業協同組合(大杉達組合長)も壊滅的な被害を受けた。 事務所をはじめ、全施設が水没、育成していたアユ、アマゴ30万匹も流出した。来年年明けからの事業再開を目指しているが、 施設の復旧、 川魚の育成と何もかもが一からのスタート。 7日に視察に訪れた森本哲生・農林水産大臣政務官は、県内内水面漁業拠点の復旧へ協力を約束した。


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濁流で泥まみれになったアユの飼育棟


 上流域を中心とする雨量の増加で、椿山ダムは相当量の水を放流。4日午前0時から流入量と同等量の毎秒3000㌧以上を放流した。これに伴い日高川が氾濫。松瀬地内では午前1時過ぎから濁流が堤防を越え、松瀬地内の民家や田畑、農業用ハウスをのみ込み、漁協施設も水没。このとき職員1人が事務所に取り残され、明け方ごろには水は2階に逃げ込んだ職員の足元まで及んでいたという。


 この影響で漁協は大打撃を受けた。1万1388平方㍍ある敷地内は流されてきた木材や土砂が山積して無残な状態。建物は何とか外観だけ残っているという状況で、 事務所をはじめ生産拠点となっていた3つのアユ飼育棟やアマゴ棟、地場産業化へ期待が大きかった加工施設、魚病防疫検査棟などすべてが壊滅的被害。飼育棟内や屋外にある55面の水槽も土砂で埋まり、給水ポンプやボイラーなど各設備も故障した。組合の重要財産であるアユの成魚20万匹、アマゴの成魚10万匹も流され、被害額は少なくとも2億円以上になる見通し。


 この日、森本政務官は大杉組合長の案内で視察。地元日高川町の玉置俊久町長や玉置公良代議士らと事務所や生産施設など見て回り、「何という悲惨な状況。東北の大震災と同じ」と驚きを隠せない様子。大杉組合長が「ここまで来るのに20億円以上かかりました。来年からの事業再開を目指しています」と話すと、「希望をもてるようにしたい」と復旧への協力に意欲を見せた。


 来年からの事業再開を目指し、5日から職員10人が清掃作業や片付けに追われている。年内に生産施設を復旧させることにしており、その後は稚魚を買い入れて一から種苗生産がスタート。稚魚から成育した親魚を5月に選抜し、10月ごろに採卵、ふ化。翌年の春に稚魚放流と、 2年後のシーズンに間に合わせる計画。ただ加工施設の方はメドが立っていない。組合では復旧作業に取り掛かっているものの、 人数が少なく中々進まないのが現状で、ボランティアを募っている。


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大杉組合長の案内で視察する森本政務官㊨


 森本政務官との話の中では、 4日未明から朝にかけて毎秒3000㌧以上を放流した県営椿山ダムについて、 農業関係者らから苦言が聞かれた。農業関係者は 「雨の多いこの時期は災害に備えて空にしておいてほしい」 と憤慨し、 玉置町長も 「ダムがあってのこの被害。 ほかのところの被害とは違う」 と見解を述べた。 漁協関係者も本紙に 「昭和28年の7・18水害を受け、 100年に1度の水害に備えて作ったダムがまったく機能しないことが証明された。 一度に毎秒4000㌧近くも流すなんてとんでもない。 もっと早くから2000㌧ぐらいずつ流すとか方法はなかったのか。 操作ミスの可能性もある」 と話した。


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