東京電力福島第一原子力発電所の事故で放出された放射性物質を農地から取り除く実験で、農林水産省は、濃度が高いところでは土の表面を削り取る方法が確実だとする結果をまとめ、今後土の処理方法について検討を進めることになりました。
農林水産省は、福島県飯舘村などで行ってきた農地から放射性物質を取り除く実験の結果をまとめ、14日に公表しました。このうち、土の表面を4センチの深さまで削り取る実験では、1キログラム当たり1万ベクレル余りだった放射性セシウムの濃度を75%低減させ、2600ベクレルにできたということです。放射性セシウムの濃度が極端に高い場所では、作業の際、土が飛び散らないよう、表面を薬剤で固めるなどの対策が必要だとしています。一方、水田に水を張ってトラクターでかき混ぜる実験では、運び出す土の量は排水の際に出た分だけで済みましたが、低減効果はおよそ40%にとどまったということです。また、薄い硝酸液で土を洗う実験では、ほぼ100パーセントの低減効果が見込めるとしていますが、温度を200度まで上げる装置が必要になるため、実用化までには時間がかかるということです。こうしたことから農林水産省は、放射性物質の濃度が高い農地では、土の表面を削り取る方法が確実だとして、今後、削り取った土の処理方法について検討を進めることになりました。