2011年7月16日 11時58分 更新:7月16日 15時5分
東京都が20年夏季五輪の開催都市に「東日本大震災からの復興を世界にアピールする舞台」を掲げて立候補することが16日、決まった。都が立候補の意思を示す文書を日本オリンピック委員会(JOC)に提出、JOCが理事会で決定した。これを受けて石原慎太郎知事は同日午後、立候補を正式表明した。
石原知事は、港区内のホテルで行われた日本体育協会とJOCの創立100周年記念祝賀式典後のレセプションで、出席した国際オリンピック委員会(IOC)のロゲ会長を前に、「オリンピックに挑む。勝たないと意味がない」と述べた。
東京招致をめぐっては、18年の冬季五輪の開催都市に韓国・平昌が決まっており、連続してアジアで開催することは困難との見方もある。開催にあたっては国内世論の盛り上がりが不可欠となるため、都とJOCは、震災と東京電力福島第1原発事故からの復興状況をにらみながら、五輪招致の意義を訴え、一部の競技を被災地で行うことも検討する。
東京は1964年に夏季五輪を開催している。16年夏季五輪には、福岡市も開催を望み、JOCの選考委員会で東京に決定した。しかし、09年10月のIOC総会で落選した。
20年夏季五輪をめぐっては広島市が立候補をとりやめ、国内では東京だけが立候補に意欲を示していた。石原知事は6月に都議会で「復興五輪」への意欲を示し、JOC側も都に立候補を要請してきた。
IOCの立候補締め切りは9月1日。立候補が決まったことで、都は近く庁内に準備組織を発足させる見込み。立候補都市は12年2月15日までに開催概要を説明する申請ファイルをIOCに提出。IOCは同5月の理事会で1次選考を行う。開催都市は13年9月に決まる。
【柳澤一男、武内亮、百留康隆】