判読不能な文字を書くキーボード世代の子どもたち(中)

文字を書かない時代に文字を書けない世代、キーボードに使い慣れ

1991年当時、蘆原区A小学校の6年生が書いた文字
 大韓文字検定教育会のクォン・ヒョクシ理事長は「20年前の生徒たちは、1文字1文字丁寧に書いているのに比べ、最近の子どもたちの文字は、判別すら難しいものが多い。行がきちんとそろっていないものも多く、3人は全く解読不能で『0点』を付けた」と話した。

 今年7月、米国インディアナ州の教育部が小学校の「筆記体」教育を必修科目から選択科目に変更し、この秋の学期から事実上、手書きの教育を廃止した。電子メールと携帯電話の文字メッセージが日常化した世の中で、文字を書くための教育は時代遅れで、時間の無駄だという理由からだ。しかし一部では、手で書くことが、知能や、ある集団の文化的品格と関連した行為であるとして反論も出ている。

 韓国でもノートと鉛筆に代わり、コンピューターのキーボードが主な筆記手段として日常的に使われるようになった。学校の授業ではノートや鉛筆を使うが、字を正しく書くための「書写」は以前に比べてほとんど教えていない。そのため、手書きでは文字がほとんど書けない学生や、若い世代が急速に増加している。

■大人も同様、運転免許センターでは申請書類の字に四苦八苦

 本紙が小中学校の児童・生徒各20人に手書きで文字を書くよう依頼すると、児童・生徒たちは「面倒で書けない」「大変だ」という反応を見せた。文字を書くこと自体をつらいと感じているようだ。

 しかし、児童・生徒たちだけではなく、大人たちが書いた文字も解読が難しいのは同じだ。ソウル西部免許試験場で申請書類の受付を担当する職員は「50‐60代の人が書いた文字はきれいで読みやすいが、30代以下の人が書いた文字はあまりにひどく、職員の間で『足で書いたみたい』と言われるほどだ。特に男子大学生、男子中高校生の文字は判読するのが難しい」と話した。同じ試験場に勤務する別の職員も「20年間勤務しているが、最近は数字の3と5を区別できないほど雑に書かれた字が多く、苦労している」と話した。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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