特定地域で同時多発 花粉アレルギー説 専門家は「疑問」
目のかゆみなどの症状が突然、なぜ広範囲に、しかも多数に出たのか。
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イネ科の花粉によるアレルギーが言われていることについて、岐阜薬科大の稲垣直樹教授(薬理学)は「特定の地域で、突然大勢の人が発症したというのは、アレルギーとは理解しにくい」と指摘する。抗体を持つ人がこれほど多数、特定地域に集中しているとは考えにくいからだ。
稲垣教授は、原因究明には、アレルギーを調べる患者の血液検査や、過去にも目のかゆみなどを訴えていたかなどを確認することが必要だと強調する。
目のかゆみを訴えた養老町の小学生約20人を診察した大垣市民病院の小児科医は、原因不明の急性結膜炎と診断した。結膜炎はアレルギーやウイルス、細菌のほか、ごみやほこり、花粉などを浴びて起きることもあり、「アレルギーの可能性はゼロではないが、何らかの物質で結膜が刺激されて発症したこともあり得る」と話す。
今は、県のブランド米「ハツシモ」が出穂し花粉を出している時期と重なる。西濃地域ではハツシモは関ケ原町を除いて植えられ、水稲の作付面積約8500ヘクタールの5割以上に及ぶ。
イネ花粉の飛散距離は数100メートル〜数キロほどしかないが、県西濃農林事務所の高橋宏基・農業普及課長は「2日は台風の影響で風が強く、イネの出穂時期とたまたま重なって影響した可能性もあるのでは」と話している。(斉藤珠美、川田篤志)
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