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[20019] 【ネタ】千の呪文の男と祝福の風
Name: 空の狐◆6f2a5b2b ID:c21812f6
Date: 2010/08/09 00:01
 ある日、ナギ・スプリングフィールドは一冊の書を拾った。

「なんだこりゃ?」

 鎖で固定された分厚い本、ナギはこんこん叩く。

「なんか妙な感じのする本だな。ふん!」

 ナギは書を開いてみようとするが、書を固定する鍵と鎖が堅くて開かない。

「野郎、本のくせに生意気な」

 余談ではあるが、この時、この書は野郎ではありませんとつっこんでいた。

「ぐぬ、この……」

 意地でも書を開けようとナギは奮闘し、ついに鍵が鎖とともに弾け飛ぶ。

「ふう、手こずらせやがって。どれどれ? って全部真っ白じゃねえか」

 パラパラとページをめくるが真っ白なページが広がるだけだった。

 折角だし新しいアンチョコにするか〜とナギは持ち帰ろうとして、書がいきなり動き出した。

「なんだこりゃ?」

 ナギの手から離れた書から怪しい魔力が漂う。訝しがりながらナギは杖を構え臨戦態勢を整える。

 そして、書から光が迸る。

「くっ!」

 とっさに目を庇うナギ。そして、光が収まると、そこに四人の人間が跪づいていた。

「闇の書の起動を確認しました」

「我ら、闇の書の主を守る守護騎士でございます」

「夜天の主の元に集いし雲」

「我らヴォルケンリッター、何なりと命令を」

 これが、千の呪文の男と呼ばれる男と闇の書の出会いだった。








「つまり、俺はこの闇の書とかいう書に主に選ばれて、お前等はその主に仕える騎士ってことか」

 ナギが受けた説明を反芻する。

「はい、主」

「主なんて呼ぶな。むずがゆい。ナギでいいさ」

 おどけた感じにナギが笑う。戸惑う守護騎士たち。







「こいつらが俺の仲間だ」

「あん? ナギ、そいつらはなんだ?」

 ラカンが守護騎士たちへ胡乱気に目を向ける。

「ああ、こいつらは」

 守護騎士たちについて説明するナギ。








「ふはは! どうしたどうした? もっとこいよ!」

 ラカンが爆笑しながら拳を奮う。

「ちい! アイゼン!!」

「ラカン殿、お覚悟!」

 ヴィータとザフィーラがラカンに踊りかかる。

「むん!」

 だがラカンの一撃はザフィーラとヴィータを攻撃ごと吹き飛ばした。

「はあ、はあ、流石です衛春殿。ここまで手が出ないとは……」

「いえ、あなたの剣筋も見事でした」

 シグナムは詠春に惨敗。だが、その顔には清々しい笑顔。

「また、手合わせお願いします」

「ええ、私でよければ」

 後に神鳴流を奮う烈火の将が武名を馳せたという。

「ですからこうすれば……」

「あ、そうするなら」

 シャマルはアルビレオ・イマとなにやら近寄り難い会話をしている。

 たった一ヶ月で、すっかりヴォルケンリッターはアラルブラに馴染んでいた。

「あん? 管制人格?」

 ナギはいきなり出た名前を返す。

「はい、闇の書を効果的に利用するために存在する存在です。闇の書のページが四百枚埋まれば覚醒しま」

 シグナムの説明をみなまで聞かずに、ナギは懐から取り出した闇の書を開いて叩き始める。

「こら、てめえ、引きこもってないで出てこい」

「あるじーー! なにしているのですか!?」

 突然の主の奇行に反応できず、一拍遅れてから慌てて止めに入る。

 だが、当然と言いたげにナギは胸を張る。

「引きこもってんなら、出してやろうと思っただけだ」

「いや、無理ですからそんなこと!」

 シャマルがつっこむ。だが、ひょいっとラカンが闇の書を拾う。

「俺に不可能はねえ」

 シャマルにそう返すと、徐にラカンは……右腕を闇の書に叩き込んだ!

 二の腕まで書にメリメリとめり込ませるラカン。

「ラカンどのーーーー!?」

 シグナムの叫びが響く。

 だが、よく見れば、書は破けてなく、腕が途中からなくなっていた。

「捕まえたっと」

 そう言ってラカンが腕を引っこ抜くと、そこに首根っこを捕まれた銀髪赤眼の融合騎が状況を理解できずに目を白黒させていた。

 守護騎士も同じように白黒させるしかなかった。







「管制人格って呼ぶのは味気ねえな。今日からお前はリインだ!」

「は、はい主ナギ」

 自分の状況やら今までの主とは違うナギに戸惑うリイン。

 だが、いつか自分はこの主を……そう考え沈んだ表情を浮かべるリイン。

「ええい、お前もちったあ笑え」

 ナギにそう叱られてもなかなかリインは笑わない。

「……こうなったら」

 ナギは一向に笑わないリインに痺れを切らし、抱き上げて走り出す。

「ちょっと出かけてくるぜ!」

「あ、主?!」

 ナギの行動に慌てるリイン。だが、守護騎士たちはナギの行動に慣れたためか止めようとしなかった。

「止めないか、守護騎士ー!!」

 リインの叫びは誰にも届かなかった。









 ナギはリインをつれて、街に遊びに繰り出し、ついでに裏組織を一つを一晩で壊滅させた。

「ふう、どうだったリイン?」

 にっと朝日の中でナギは笑う。

「もう、なにがなんだか……」

 疲れた顔で息をするリイン。

 だが、今までにない破天荒な主にリインはふっと小さく笑う。

 それを見て悪戯小僧のような笑みを浮かべるナギ。








 そして、ついにリインは真実をナギに語る。かつて夜天の書と呼ばれた闇の書の真実。

「歴代の主が行った改変によるシステムの暴走か……」

 闇の書の真実にナギは考え込み、

「ならぶっ壊すか」

 シンプルな答えを出すナギ。







「行きますよラカンさん」

「いつだっていいぜ」

 闇の書の闇を破壊することを決めたアラルブラは、まず身内である程度書を埋めることにした。

 まずはラカンの魔力を蒐集。

「くっ、流石の俺様にもキツかったぜ」

 そう言って腰を下ろすラカン。

「一発で六百六十五埋まった……」

「やはりバグキャラか……」

 一応、回復を早めるためにある程度だけ蒐集するつもりだったのに、あっと言う間に書が埋まったことに恐れおののく守護騎士たち。








 ラカンの回復を待ってから適当な魔法生物で蒐集を終えた闇の書はついに起動する。

 予定通り防衛プログラムを書から切り離すナギとリイン。

 暴走する防衛プログラムに対するアラルブラ。

「轟天爆砕!」

「全開、ラカンインパクト!」

「駆けよ隼!」

「神鳴流奥義、真・雷光剣!」

 ヴィータのギガントが、ラカンの一撃が、シグナムの矢が、詠春の刃が次々と防衛プログラムの障壁を破壊する。どころか本体にもダメージを与える。

 そして、剥き出しになる闇の書の闇。そして、それに相対するのはナギ。ユニゾンし、髪と目の色が変わり、その手にはシュベルトクロイツ。

「人間を舐めんじゃねえ!」

 ナギは全力で千の雷を込めたシュベルトクロイツを闇の書の闇にぶち込んだ。








 ナギたちによって闇の書の闇を打ち砕かれた。

 だが、リインはナギの元を去る。

 守護騎士プログラムも自身から切り離した彼女は自らの罪を告白し、裁きを受けようとしていた。

 処刑執行日、リインの心は穏やかだった。よい主、よい仲間に恵まれたことを胸に抱き、消滅する。

 それは自分には過ぎた幸福。思い残すことはない。

「ありがとうございます。主ナギ、そして、さようなら」

 リインはナギに感謝と別れの言葉を呟く。

 だが、

「なに勝手にさよなら言ってんだ?」

 リインは聞きなれた声に、振り向く。

 そこに愛用の杖とシュベルトクロイツを持った赤毛の魔法使いが憮然とした顔で立っていた。

「あ」

 主ナギとリインが言いかけて、視界が急激に変わった。

 いきなりナギがリインを抱えて連れ出したからだ。

「あ、主ナギ! いったいなにを?!」

「うるせえ! 勝手になにやってるんだてめえは!」

 ナギの声にリインは息を呑む。だが、すぐに言葉を紡ぐ。

「ま、また防衛プログラムが暴走するかもしれません。なら、私は消えた方が」

「一人で決めるなアホ!」

 ナギがリインの額に自分の額を叩きつける。痛みに涙目になるリイン。

「そうなったらまた助けてやる! 何度でもな!」

 シュベルトクロイツで飛翔しつつナギは断言する。

 リインはぎゅうっとナギの服を掴む。

「なんで、私なんかのために?」

 ただただ疑問だった。なぜこの主はこんなことをするのか。

 こんな行動する主を彼女は知らない。そして、次のような言葉を言う主も彼女は知らなかった。

「好きだからに決まってるだろ!」

 突然の主の告白にリインは目を白黒させる。

「えっと、なんで……」

 恥ずかしさやら突然の事態に顔を真っ赤にするリイン。だが、ナギはまっすぐにリインの顔を見る。

「お前はどうなんだ?」

 ナギの答えにリインは顔をうつむかせる。

「……です」

「聞こえねえよ」

 リインは顔を真っ赤にして叫ぶ。

「私も主のことが好きです! あ、愛しております」

 リインの言葉に満足そうにナギが笑う。

「もう、勝手にどこかに行こうとするなよ」

「はい、主」

 そして、昇る朝日の中で二人のシルエットが重なった。











 十年後……

 麻帆良学園中等部。

「ここが麻帆良学園……」

 魔法学校の最終課題の為に「先生」としてやってきた少年、ネギ・スプリングフィールドがこれから始まる生活に思いを馳せる。

「ふわ~、広い学校です~」

 のんきに学園の敷地の広さに感動するのはネギの双子の妹であるリインⅡ・スプリングフィールド。

「じゃあ、いくよリイン」

「はいです。お兄ちゃん」

 そして、千の呪文の男と祝福の風を継ぐ二人はマギステル・マギへの第一歩を踏み出した。



~~~~
勢いで作った。反省はしているが後悔はない。
ナギの性格とか口調に少し不安がありますが、楽しんでいただけたら幸いです。
リインに子供作れるのかというツッコミはできたら無しの方向で。
それでは!



[20019] Forceにバグキャラ参戦!!
Name: 空の狐◆6f2a5b2b ID:d0fa170c
Date: 2011/09/14 09:47
 アイシスは警戒していた。自分たちの目の前に現れた褐色で屈強な巨体に、畏怖すら抱くオーラを放つ男に。

 寝込むトーマと、彼を庇うように抱き締めるリリィを庇うように前に出る。

「誰よあんた」

 アイシスは問う。対し男はすっと手を差し出し。

「聞きたいなら百万」

「ふざけんなー!!」

 アイシスの怒りをどこ吹く風と流し男はトーマに歩み寄る。

「ずいぶん進行しているみたいだな坊主」

 トーマの病状を見る男。

 そして、

「ふん!」

 魔力を纏った拳で一発叩き込む。

「ガハッ!」

 血を吐くトーマ。

『トーマ?!』

「あんた、病人に何すんのよ!?」

 アイシスは殴りかかろうとして、

「う、あ? 俺はいったい」

 トーマが目を冷まして自分の置かれた状況を把握しようとしていた。

 リリィはトーマに抱きつき、アイシスは困惑する。

 アイシスは知らない男の名はジャック・ラカン。ここではないある世界で『千の刃のラカン』の異名を持つ伝説の英雄の一人に数えられる男である。






「はっはっは、俺様の伝説のアーティファクトも砕くか。いいぜ、いやいいのか? 俺は素手の方が強いぜ。ラカンインパクト!!」

 三秒でフルチャージのラカンインパクトを決めるラカン。

「な、なんだとお!?」

 サイファーを倒すラカン。









 どういうわけか知らないが、トーマを鍛えてやると言い出したラカン。ラカンのすごさを実際に見たトーマは一も二もなく頷く。

 初日の朝、こっそり覗き込むと全身から立ち上るようなオーラを発するラカン。

 そして、

「聖王炎熱轟竜咆哮爆烈閃光魔神斬空羅漢拳!!」

 などと、長いポージングの後に拳を突き出して前方に衝撃波を飛ばすラカン。

「駄目だ! 技名が長すぎる上に語呂が悪い!! もう少し短くして……」

 そして、今度は、

「闘魔拳!!」

 拳を突き出すと共に前方に衝撃波を飛ばすラカン。余波で泉が割れた。

「駄目だ、今度も語呂が悪い上にポーズを取るヒマがねえ」

 それから「漢字……」「……こだわる」などぶつぶつとなにやら独り言をして、

「これだあ!!」

 と、なにか閃くと、ばっばっとポーズを決める。そして、

「エターナル・トーマ・フィーバー!!」

 POWっと轟音が唸り全身から光を放つラカン。一撃で山が吹き飛んだ。

「おお、全身から適当に光線を出してみたがいけるな。これで坊主の必殺技が決まったぜ!!」

「無理です!!」


















「で、坊主、昨日はお楽しみだったか?」

 三人揃ってきたトーマたちをからかうラカン。

 そして、リリィが言葉の意味を理解し真っ赤になる。

 その反応にラカンは戦慄する。

「ま、まさかお前ら本当に……」

「変な誤解すんなー!」

 アイシスにぶっとばされたラカンはあ~! と悲鳴を残して急斜面を落ちていく。

 まさか殺人事件?! と戦慄するトーマとリリィ。だが、

「なあんてな」

 一瞬で元の場所に現れるラカン。

「このおっさんに心配なんて不要よ」

 と、アイシスが愚痴る。ほんとバグキャラ。















 そして、トーマを鍛え始めて……ラカンは気づいてしまった。

「ぼ、坊主おめえ……」

 ラカンは戦慄した顔でトーマに歩み寄る。

「センスがねえ! 才能の欠片も感じねえ!!」

「そんな顔で言わないでください!!」

 ラカンの言葉にキレるトーマ。















 そして追ってきた特務六課に、

「ラカンそよ……かぜ~爆風拳! 秘技・無音めくり術!!」

「い、いやーー!!」

 連携術で女性陣のスカートを捲りまくるラカン。空を飛んでるのに今更なんて話があるが、誰かに捲られるのは流石に恥ずかしいのである!

「25のいい歳した女がワーカーホリックだなんてなあ……浮いた話一つねえんだって?」

「ち、違うもん! この事件が終わったらユーノくんと結婚するの!!」

「お、おめえ、それは死亡フラグってやつだぜ?」

 なのはの突然のカミングアウトに汗を流すラカン

「なのは、一人だけ抜け駆けなんて……」

「許されへんなあ……」

 この後、特務六課で仁義なき女の戦いが勃発し、その間に逃げるトーマ御一行。














 旅のための金銭が尽きかけ、しかたなくトーマとアイシスは腕試しもかねてとある世界の拳闘場で開催された『聖王杯』に参加する。

 だが、その途中で、

「羅漢適当に右パンチ!! 安心しな寸止めだ」

 ラカンが参戦、しかも、コンビの相手は、

「トーマくん、こんにちは~」

 フッケバイン首領、カレン・フッケバインだった。

 ラカン曰くたまたま居酒屋で意気投合したとのこと。ただし、以前から二人は飲み友達という噂もあった。

「で、優勝したらトーマくんはうちのメンバーね。ふふふ、楽しみね。じゅるり……」

 果たしてトーマとアイシスはラカン&カレンのコンビに勝利を収めることができるのか!

「いや、無理でしょ」

 ただでさえ強敵であるカレンがいるというのに、どうやってあのチート無限のバグキャラに勝てと?

「ファイトだよトーマ!」

 リリィの応援に肩を落とすトーマだった。










~~~~
「もしあの愛すべきバグキャラ、ラカンがForceに参戦したら?」というネタです。
セリフに違和感あったらすいません。
なお、いろいろとネタのごちゃごちゃ感(グルグルとか)がありますがご容赦を。


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