東日本大震災を受けて津波対策を検討している土木学会は、これまでの調査や研究についての報告会を開き、3月の大津波が陸地を駆け上がった高さは、最も高いところで39.7メートルに達していたと発表しました。
土木学会は、東日本大震災を受けて、専門分野ごとに委員会やワーキンググループを設け、今回の大津波を調査したり、今後の津波対策を検討したりしています。14日は、これまで半年間の調査や研究の結果が報告され、この中で、今回の大津波が陸地を駆け上がった高さは、岩手県宮古市で最大39.7メートルに達していたと発表しました。これまで陸地を駆け上った津波の高さは最大で40メートル余りとされていましたが、当時の潮位などに基づいて精査した結果、今回の値に修正されたということです。また、今後の津波対策については、今回のように防波堤を上回る大津波が押し寄せても被害を小さくできるよう、波の力を弱める効果が持続する壊れにくい構造にすべきだという提案が出されました。このうち、今回の津波で一部が破壊された岩手県釜石市の湾口防波堤について、独立行政法人港湾空港技術研究所の有川太郎主任研究員は、まず元の状態に復旧させたうえで、海底の土台の内側をかさ上げして補強し、倒れにくいように改良すべきだと説明しました。土木学会は今後、防波堤などの具体的な設計方法などを検討していくことにしています。