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科目の基本情報

開講年度 2011 年度
開講区分 生物資源学部
受講対象学生 共生環境学科・自然環境システム学講座
学部(学士課程) : 2年次, 3年次, 4年次, 5年次
他講座の学生で,本講義の趣旨を理解しない者は歓迎しない.
選択・必修 必修
講座必修
授業科目名 水文循環環境学
すいもんじゅんかんかんきょうがく
Hydroscience, Hydraulic Engineering & Environmentology
単位数 2 単位
他学部・他研究科からの受講 他学科の学生の受講可, 他講座の学生の受講可
他講座・他学科の受講生の人数が多いときには制限する可能性がある.
放送大学科目 放送大学科目ではない
市民開放授業 市民開放授業ではない
開講学期

後期

開講時間 金曜日 7, 8時限
開講場所

担当教員 葛葉泰久(共生環境学科)・清澤秀樹(共生環境学科)

Yasuhisa Kuzuha and Hideki Kiyosawa

学習の目的と方法

授業の概要 ○水文学の基礎を学んだ後,水文学的・気象学的手法による水域環境に関る諸問題の分析について講義する.「水文学」は,気象学に近い分野,力学(水理学)に近い分野,社会科学に近い分野など,いろいろな分野の学問が融合してできている学問分野である.

○本講義では,力学(水理学)を全く使わず,気象から水質までを,「水の脅威と水の有用性」ということを中心テーマに,講義する.また,3年生以上で必要になる,確率統計解析の基礎についても講義する.

○さらに,20年度から,実験的に「能動的要素を加えた講義」(端的に言えばPBLもどきである)を行っている.23年度も,同様の能動的学習を行う.具体的には,グループごとに,特定のテーマで討論を行わせ,その結果をプレゼンテーションさせる(以下,「グループ学習」と称す).それを1,2回(未定)行わせるが,欠席するとグループのメンバーに迷惑をかけるので,欠席しない学生だけの受講を希望する.

○22年度の 授業評価アンケートの結果,
「水域環境学という時間でくだらない討論をさせるな.河川工学とか土壌流出とかをしっかりと学びたかったのに,あなたはつまらないことに時間を使ってばかりである.正直,これは不満になるのは仕方ない.内容を再検討せよ」
と書くような,(初回授業で説明したにもかかわらず)授業の趣旨を全く理解していない学生が1名いることが分かった.このような(他の学生の邪魔になる)学生を排除するための対策を考えることにする.学生は,授業の趣旨を理解したうえで登録されたい.
学習の到達目標 ○水域環境・水災害に対する防災について議論できるようになること.「環境問題」,「水資源にかかわる諸問題」について理解を深め,自分の考えを持つことが目標.
○ほとんどのの学生が持ち合わせていない,「まともな社会人になるための最低限のコミュニケーション能力」をつけること.
ディプロマ・ポリシー
○ 学科・コース等の教育目標
○ JABEE 関連項目
自然環境システム学講座はJABEEと無関係である.

○ 全学の教育目標
感じる力
  •  感性
  •  共感
  •  倫理観
  •  モチベーション
  •  主体的学習力
  •  心身の健康に対する意識
考える力
  •  幅広い教養
  •  専門知識・技術
  •  論理的思考力
  •  課題探求力
  •  問題解決力
  •  批判的思考力
コミュニケーション力
  •  情報受発信力
  •  討論・対話力
  •  指導力・協調性
  •  社会人としての態度
  •  実践外国語力
生きる力
  •  感じる力、考える力、コミュニケーション力を総合した力

授業の方法 講義 演習

授業の特徴 能動的要素を加えた授業 Moodle

教科書 特に使用しないが,統計学入門(東京大学出版会,ISBN:4-13-042065-8)の購入を推奨する(3年生の環境科学実験(講座必修)で購入することになるので,2年生から持っていた方が便利である)
成績評価方法と基準 合格十分必要条件:期末試験(確率統計解析のみ)が満点であることと,全部のグループ発表に関わること.
評価点:グループ発表について,全員の学生の投票で点数をつけ,それをそのまま(その回の)評点とする.3回プレゼンテーションをやったら,学生がつけた評点3回分の平均がそのまま本科目の評点になる.
オフィスアワー 部屋は305A,305B.随時対応するが,必ず,事前にメイル等でアポイントメントを取ること.
受講要件 特にないが,「数学基礎」で学んだ程度の解析学の知識は必要.積分ができないと,確率統計学の範囲の内容が全くわからないはずである.

【重要】能動型授業の教育効果をあげるため,23年度は,受講数を絞る予定.
予め履修が望ましい科目 環境物理学I, II, III,環境解析基礎
発展科目 環境科学実験,卒業研究など
特に,この科目で学ぶ「確率統計学」は,環境科学実験で学ぶ「確率統計学」と対をなしているので,充分な復習が必要である.
授業改善への工夫 ○ 授業評価アンケートの結果,
「水域環境学という時間でくだらない討論をさせるな.河川工学とか土壌流出とかをしっかりと学びたかったのに,あなたはつまらないことに時間を使ってばかりである.正直,これは不満になるのは仕方ない.内容を再検討せよ」
と書くような,(初回授業で説明したにもかかわらず)授業の趣旨を全く理解していない学生が混じっていることが分かった.このような(他の学生の邪魔になる)学生を排除するための対策を考えることにする.このように,今後も,授業評価アンケートを改善に利用する.

○上述の討論に関しては,「グループワークはもっと授業の内容に関係のあるテーマにしたらどうか」という建設的な意見も寄せられており,これについては再考する.

授業計画

キーワード 水環境,水害,洪水流量,温暖化,水質,数値解析,上下水道システム,環境倫理,土壌と水,グループ学習
学習内容 01.総論・環境科学を学ぶ目的
02.地球と水(1):熱収支
03.地球と水(2):気候変動
04.水と土壌(1)
05.水と土壌(2)
06.水環境と水質(1)
07.水環境と水質(2)
08.確率統計解析(1):母集団・標本・確率変数
09.確率統計解析(2):確率密度関数と確率分布関数
10.確率統計解析(3):平均と分散
11.確率統計解析(4):超過確率と再現確率
12.水の管理:治水と利水(1)
13.水の管理:治水と利水(2)
14.環境問題と動物権
15.試験

グループ学習のテーマの例:こちらで指示し,全部のグループが同じテーマについて研究する.

1.生物多様性,生物の保全などは,本当は,誰のために行われていることか?
2.気候変動の原因は不明である.この段階で「二酸化炭素排出規制」「排出権取引」を行うことは,本当に正しいのか?
3.エネルギー危機にどう対応するか?
4.鯨を獲るのは悪いことか?
5.なぜ人を殺してはいけないか?
学習課題(予習・復習) シラバスのうち,

01-07,12-14は,「自分の考えを持つ」ために行なう講義である.特に暗記事項はないので,講義の内容を,自分でよく考えること.

08-11は,完全に理解し,計算問題ができることが合格要件になるので,100%理解するまで復習すること.

グループ学習は,時間外にも行うものである.半期2単位の科目が「半年間で90時間学習する」ことに対応することに留意すること.

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