防衛省は東京電力福島第一原発事故の教訓を踏まえ、日米のメーカーから無人航空機とロボット計3機種を購入する方針を固めた。当面は陸上自衛隊で試験機として運用し、原発事故などの「有事」への投入も検討する。NBC(核・生物・化学)災害などに対応できる自前の無人機などの研究も本格化させる。
購入を予定しているのは、2種類の無人機各2機とロボット2台。十数億円を第3次補正予算案に要求する。
無人機は、横浜市の開発会社「フジ・インバック」の「B2」と米ボーイング社と子会社の「スキャンイーグル」。
B2は、国内の航空写真撮影会社が同じタイプのものを所有しており、福島第一原発事故では地上300〜400メートルからの空撮に成功した。2008年に南極観測、今年2月の九州・新燃岳(しんもえだけ)噴火の際の水蒸気採集などでも使われた。スキャンイーグルは、米海兵隊がイラクやアフガニスタンで偵察などに使っている。
ロボットは米国製「パックボット」。米軍が爆発物探知などに使用。福島では東京電力に無償提供され、放射線量の測定や画像撮影に使われている。