大阪「デパート三国志」 ミナミ突き放すキタにダークホース浮上 (1/3ページ)

2011.9.10 05:00

JR三越伊勢丹には注目度の高いショップが並び、品ぞろえを充実させている(竹川禎一郎撮影)

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 長引くデフレや少子化の影響で百貨店の売上高が全国的に伸び悩む中、大阪市内の店舗が健闘している。「キタ」と呼ばれる梅田地区を中心に今春以降、新規出店や改装・増床が相次ぎ、前年同月比の伸び率(既存店ベース)は7月まで4カ月連続でプラスを記録。地元以外からも買い物客が訪れる活況ぶりだ。市内の商業地ではライバルの「ミナミ」(難波・心斎橋)をキタが引き離す一方、ダークホース的な「阿倍野・天王寺」が急浮上。3地区の「大阪流通戦争」は激しさを増している。

 三越伊勢丹は苦戦

 「増床の効果で、幅広い客層をターゲットに据えることができるようになった」

 JR大阪駅の南側のビル内にある大丸梅田店の村田荘一店長は、増床戦略の手応えをこう話す。売り場面積を1.6倍に広げて4月19日にリニューアルオープンし、8月の売上高は前年同月比89.5%増と単月の伸び率で過去最高を記録した。

 キャラクターグッズの「ポケモンセンター」や生活雑貨店の東急ハンズ、カジュアル衣料品のユニクロを核テナントに据えたことで家族連れが増加。「中心価格帯をやや下げたことも功を奏した」(村田氏)という。

 対照的なのは、5月4日に駅を挟んで北側のビル内に開業したJR大阪三越伊勢丹だ。8月末までの約4カ月間の売上高は129億円で、このペースだと年間目標の550億円を150億円以上も下回ってしまう。

 伊勢丹が東京で培った商品調達から販売までを自社で手がける「自主編集売り場」の面積を、全体の3割と高めに設定したが、「陳列の数を控えめにする手法が受け入れられていない」(業界関係者)とされる。

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