■イケメンとトンボさんの間で揺れるキキ!?
さて、肝心のキキの恋愛はどうでしょう。昆虫の話しか手紙に書いてこないトンボさんに、時々ふくれたりしつつも、キキは手紙が来るのを待ち焦がれる毎日。恋愛面では、ちょっぴり鈍感で照れ屋(?)なトンボさん、気の利いた台詞は得意ではありませんが、キキのほうきに付ける“チョウチョの飾り”など、可愛らしいお土産も一緒に送ってきたりして、なんだかんだと微笑ましい二人です。
しかし20歳を迎える直前、キキの心は、何だかモヤモヤ、ざわざわしてきます。そんなタイミングに知り合うのが、サヤオさんという青年。サヤオさんは町のどの女の子もが憧れる、ドレスデザイナー。魔女であるキキに興味を持ち、近付いてくる彼に、最初は冷たくしていたキキですが、彼の作るドレスに感動してしまい、「何かを変えていこう」という革新的な生き方にも、魅力を感じます。彼に刺激され、「魔女なんだから、私も町に”ドキドキの種”をまかなくちゃ!」と、意気込むキキ。意気込みすぎて、ちょっぴり空回りもしてしまいます。最終的に、キキはサヤオさんに「自分の結婚式にはドレスを作ってね」と依頼します。キキの心は、「やっぱりトンボさんが好き」だったのです。
■キキ、22歳で結婚!
そしてキキは20歳を迎えます。しばらくして、トンボさんも学校を卒業して町に帰ってきます。しかし会った途端、また昆虫の話ばかりするトンボさんに、キキは「虫ばっかり!」と癇癪を起こしてしまいます。そんな子供っぽい自分に猛省し、落ち込むキキ。翌日トンボさんはキキを迎えにやってきます。ようやく素直に「愛してる」という言葉を交わしあう2人。それから2年後、キキは22歳で、めでたくトンボさんと結婚をします!
■心温まる、素敵な言葉がちりばめられた絵本
宮崎駿さんが映画で描いたキャラクターたちとは、少し違った表情も見えてくる、絵本版「魔女の宅急便」。しかし、愛らしいキキは健在、皮肉屋のジジも健在で、楽しくて胸躍るストーリーに溢れています。さらに、絵本ならでは、の”詩的な表現”も胸をほっこりさせてくれること間違いなし。可愛い魔女のキキに元気を分けてほしくなったら、皆さんも絵本版『魔女宅』、読んでみてはいかがでしょうか!?
(ゆひら)