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朝鮮学校授業料無償化求め緊急集会           かけはし2010.6.28号

人としての尊厳を踏みにじる
橋下大阪府知事発言許さない

 【大阪】六月十八日、大阪市北区民センターで、緊急集会が六百人の市民を集めて開かれた。席に座れない人が会場の横や後にあふれた。大村さん(朝鮮学校を支える会)が司会をし、新居晴幸さん(部落解放大阪府民共闘会議議長)が主催者を代表してあいさつをした。
 新居さんは、民主党の政策が本来めざしているものを説明した。
 「民主党の高校授業料無償化政策はすべての生徒に学ぶ権利があることを保障し、最終的には高校を終えた後の大学や専門学校の無償化をも視野に入れたものだ。世界ではこのことを認める国際規約を批准しており、いまだに批准していないのはマダガスカルと日本だけだ。民主党連立政権はこの国際規約の批准に向け、まず後期中等教育の無償化制度を提起した」。
 「義務教育の小中学校には子ども手当がある。高校無償化はその高校生版だ。受給権は生徒にあるはず。それを学校が代理受給するだけである。当然外国人生徒にもわたすべきもので、この点で差別があってはならない。大阪府育英会奨学金の国籍条項を撤廃するために運動し、今では朝鮮高級学校生にもわたされている」。このように述べた新居さんは朝鮮学校への無償化の早期適用を求め、また、政府に便乗して差別的発言をし、朝鮮高校への助成金支給を停止している大阪橋下知事の態度を批判した。
 続いて、丹羽雅雄弁護士の講演があった。丹羽さんは朝鮮学校の国立大学受験資格問題に取り組んだ経験があり、高校授業料無償化からの朝鮮学校除外が国際条約にいかに違反しているかを語った(別掲)。

差別をさせない
強い心で頑張る

 この後、三人からアピールがあった。「日本の皆さんは私たちの学校を朝鮮学校あるいは『朝校』とか言うが、私はウリ・ハッキョという呼び方が大好きだ。学校ができて六十年、祖父母たちが差別と偏見の中でつくり、先輩の努力や多くの日本人の支援でここまでやってきた。国立大学の受験資格など以前と比べると夢のようだ。ところが最近、高校無償化から朝鮮学校だけが除外されるかもしれないという。なぜなのか、いくら考えても分からない、悲しくなる。神戸の朝鮮高級学校にはカッターと抗議文が送られてきたという。私も何度か無償化のことで街頭宣伝に出たこともあるが、そのときひどいことを言われたこともある。でも、悪いことばかりではない。応援の手紙もたくさん来る。確実に連帯の輪が広がっている。サッカーの全国大会に出場したときも、市民の人たちは東大阪の誇りといってくださった。これからも差別させない強い心を持ってがんばっていく」(大阪朝鮮高級学校の女生徒)。
 「日本の公立学校では二十年前から外国籍のものでも教諭として採用されるようになり、大阪では七十人ほどが採用されており、私もその一人だ。本名を名乗って働いている。家庭訪問すると、保護者の人が、うちの子どもが社会人になったとき上司を選べないように、先生も選べない、といわれたこともある。でも、その人が悪いのではなく、その人が受けた教育が悪いのだと思う。朝鮮学校が高校無償化から除外されるということは、やがて韓国系の高校も、あるいは小中学校もやがて否定されていくと思う。私を育ててくれたのは民族学級の九年間だった。北朝鮮・韓国と立場が違っても、無償化の実現に向け闘っていく」(東大阪市教職員組合・李相雲さん)。
 「生野区の教会にいるが、子どもが一緒に日々成長する姿を見ている。私たちは、宗派の違いを超えて地域のために働こうと話し合った。二〇〇六年から朝鮮初級学校でクリスマス会を合同でやっている。社会が不安定になるとマイノリティを差別する、このことが歴史の中で繰り返されてきた。宗教もこのことに無関係ではない。ドイツではナチに協力した。日本でも戦争に協力してきた。常に自分の差別性を問い、必要なときは声を上げ、共に歩んでいきたい」(日本キリスト教団大阪教区議長・向井希夫さん)。
 最後に集会アピールの提案を全体で賛同し、このアピールに基づいて政府と大阪府知事に要請文を提出することを確認し集会を終えた。この後デモが予定されていたが、大雨のために中止になった。(T・T)

丹羽雅雄弁護士の講演から
朝鮮学校無償化除外は人種差別撤廃条約違反

差別を放置する
現状に懸念表明

 一月二十九日、無償化法案が国会に上程されたときは、朝鮮学校も含まれていたが、中井・拉致担当相の横やりで迷走。その間、日弁連会長声明、全国三百三十二人連名の有志弁護士意見書、大阪弁護士会会長声明、大学教員の要請書がでた。人種差別撤廃委員会の日本政府に関する定期報告書では、北朝鮮系学校を排除しようとしている日本の状況が報告され、懸念表明がなされている。三月五日、大阪府橋下知事の「北朝鮮は暴力団と同じ不法団体」という発言は、差別を助長する点で、人種差別撤廃条約四条に違反する。  
 無償化法案は三月三十一日に成立したが、朝鮮学校は除外されたままで、四月一日に実施(公立高校では授業料不徴収、その他の高校・専修学校・各種学校は就学支援金一人当たり年約12万円の助成)された。文科省は省令を出し、各種学校のうち対象になる学校の基準を明らかにした。高等学校の課程に類する課程を置くと認められるものは該当するが、朝鮮学校はここに該当するはず。朝鮮学校がなぜ除外されているかが分からない。
 朝鮮高級学校は日本国内に十校、約二千人近くの生徒が在学しており、朝鮮籍が四六%、韓国籍が五一%、中国籍や日本籍が三%である。カリキュラムなど教育課程は公表されている。日本国内のほぼすべての大学は朝鮮学校卒業生に受験資格を認めている。朝鮮学校は各都道府県知事から各種学校の認可を受け、地方自治体からの助成金を受給している。

歴史的存在と
しての朝鮮学校

 朝鮮学校は歴史的な存在で、民族の尊厳を守る防波堤としての役割を持ってきた。一九四八年一月二十四日、文部省学校教育局長通達は「朝鮮人の子弟であっても学齢に該当するものは、日本人同様市町村立または私立の小・中学校に就学させなければならない」と述べ、朝鮮学校閉鎖令を出し、4月24日には阪神教育闘争が起きたという歴史がある。
 また、一九六五年十二月二十八日の文部省次官通達は、「朝鮮人学校は、我が国の社会にとって、各種学校の地位を与える積極的意義を有するとは認められないので、これを各種学校として認可すべきではない」とした。しかし、六八年東京都の美濃部知事が朝鮮大学校を各種学校として認可したことを契機として、七〇年代には東京都朝鮮学校への助成金支給が始まり、その後各地に拡大していき、九〇年代にはスポーツ、JR定期券の国籍条項が撤廃され、二〇〇〇年代になると国立大学受験資格が認められた。
 国際人権基本条約は、民族的マイノリティの権利(文化、宗教、言語)を認めている。その権利は、締約国の国民であることを必要としない。締約国は、その権利の行使の否定や侵害からの保護の義務があり、そのために必要な措置を執り、マイノリティの独自性を保護する義務がある。
 残念ながら、日本政府は現在においても在日コリアンを民族的マイノリティと認めていない。人種差別撤廃条約(日本は1995年加入)では、「すべての適当な方法で、個人・団体による人種差別も禁止、終了させる」とあり、この禁止義務は中核的義務であり、即時実施義務であるとされている。二〇〇六年一月二十四日の国連人種差別撤廃委員会の特別報告者ドウドウ・ディエンさんの勧告は、「特に朝鮮学校は……特別な歴史的状況を考慮すればなおさら、助成金その他の財政的援助を受け入れるようにすべきである」と述べている。
 朝鮮学校除外は国際人権法違反であり、民族差別だ。日本に居住する外国籍・民族的マイノリティの子どもたちは母国語による普通教育を受ける権利があり、民族的アイデンティティの保障のために、民族の文化・歴史を学ぶ権利を無差別・平等に保障されている。このことは、国際人権法の国内受容(憲法98条)を介して、憲法一三条(幸福追求権)、二五条(文化的生存権)、二六条(教育を受ける権利)、一四条(法の下の平等)によっても保障されている。朝鮮高校への高校無償化の実現は、継続する植民地主義と冷戦構造の清算と多民族・多文化共生社会創造の基礎である。(講演要旨、文責編集部)


練馬駐屯地包囲デモ
沖縄の反基地闘争に連帯
10月自衛隊観閲式反対を

 【東京北部】六月六日、普天間基地即時封鎖!軍事基地はいらない!10月自衛隊観閲式反対!6・6練馬駐屯地包囲デモが行われ、地域の労働者・市民約四十人が結集した。
 一時半より徳丸第二公園で行われた集会では実行委員会を代表して東水労の仲間が昨年の朝霞基地へのPAC3配備反対闘争など地域での闘いを振り返り、今年五月に沖縄を訪れ、十五日の平和行進、十六日の人間の鎖による基地包囲の闘いに参加したことを紹介し、沖縄現地の闘いに連帯して闘おうと訴えた。
 続いて連帯労働者組合の仲間が池袋の豊島産業プラザの会議室が監視カメラで撮影・録画されていることが発覚した問題で、前日五日に集会を行ったこと、豊島区生活産業課への抗議行動などによって区議会でもこの問題が取り上げられるに至ったことなどを報告した。
 次に千葉からパトリオットミサイルはいらない!習志野基地行動実行委が発言。「習志野基地は普天間と並んで住宅密集地の中に基地があるという危険な場所で、そこに大型の弾薬庫が建設されようとしている。来年三月の完成によって習志野基地は首都圏の治安出動基地へと本格的に生まれ変わることになるが、地域住民への説明会を行えという要求に対して自衛隊も地域の行政も全く答えようとしない中で四月には弾薬庫の建設が始まった」と報告した。
 続いて朝鮮高校のみを無償化から外すという恥ずべき差別に対して幅広い闘いを行っているすべての高校に無償化を!練馬の会。東京都の防災訓練に反対する闘いについて南部交流会の仲間が発言し、デモに出発した。
 練馬駐屯地では申し入れ書を手渡し、シュプレヒコールを行った。
 解散地では北部共闘、北部労協、昨年十二月から毎月一回、沖縄での新基地建設に反対するデモを行っている埼玉の仲間からの発言を受け、東京都防災訓練反対、自衛隊観閲式反対の闘いへの結集を確認してこの日の行動を終えた。 (板)



辺野古実の首相官邸行動
沖縄の民意無視する菅新政権を許さない

 三月以後毎週金曜日の午後六時半から続けてきた辺野古への新基地建設を許さない実行委員会(辺野古実)の首相官邸前行動が、通常国会の会期が終わった六月十八日にも行われた。
 「三月末にも政府案決定」という情報が流れる中で、沖縄現地の闘いと密接に結びながら「県外移設」の公約をかなぐり捨て、米国の意にそって基地を沖縄に押しつけようとする政府に対する行動を継続する「場」となってきた毎週の首相官邸前行動は、四・二五沖縄県民大会、五・四鳩山訪沖、五・二八「日米共同声明」と「閣議決定」など、激変する情勢に即して情報や行動の指針を首都圏の仲間が共有し、迅速な闘いを作り上げる上で大きな役割を果たしてきた。
 雨の中結集した四十人の仲間は、発言の中で「辺野古沖移設」案を継承することを早々と米国に確約した菅新政権が、「対等な日米関係」という言葉すら放棄し、沖縄差別をいっそう露骨に示していることを厳しく批判した。また「訓練移転候補地」に挙げられている奄美・徳之島伊仙町の大久保町長が「沖縄の過重な負担を全国で分かち合うことが必要」と「移設受け入れ」を「説得」した鳩山首相に対し、「基地のたらいまわしの理論ではなく、軍縮という理論に持っていくのが首相の役割」「沖縄の痛みは分かち会うのではなく、なくすものだ」と答えたことを紹介し、この言葉こそ市民が共有すべきもの、と訴えた。
 六月十六日で国会の会期が終了し、七月十一日の参院選投票に向けて事態は急速に流れている。しかし辺野古実の仲間たちは、選挙戦一本の報道の中で、「沖縄の問題は決着していない」「日米共同声明・閣議決定撤回」の訴えを継続していこうとしている。
 首相官邸前の毎週金曜日行動は、この日で一区切りとなったが、参院選挙期間中「ラストサンデー」にあたる七月四日にも「沖縄に基地を押し付けるな、決着はついていないぞ!新宿ど真ん中デモ」(午後2時〜新宿アルタ前街頭宣伝、午後3時デモ出発)が予定されている。また八月末にも辺野古実は大きな集会を企画している。
 菅新政権に対して辺野古移設の「日米合意・閣議決定」撤回をさらに強く要求しよう!     (K)


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