チェルノブイリ被災の子ども 「被ばく心配」来日中止

「来年こそは子どもたちを招きたい」と話す永江さん(右)とバルシャイさん=京都市下京区・西本願寺
「来年こそは子どもたちを招きたい」と話す永江さん(右)とバルシャイさん=京都市下京区・西本願寺

 旧ソ連のチェルノブイリ原発事故で被ばくしたベラルーシの子どもたちを、毎年日本に招いていた浄土真宗本願寺派僧侶の永江雅俊さん(67)とベラルーシの男性が8日、京都市下京区の本山・西本願寺を訪れ、今年は福島第1原発事故を受けて、「二重被ばく」への不安から子どもが来日を中止したことを明らかにした。

 永江さんが代表を務める「日本ベラルーシ市民友好協会」が、1993年から、健康回復を図る目的で子どもらを招いてきた。永江さんの北海道旭川市の自坊に1カ月ほど滞在し、京都では西本願寺への参拝や市内の中学生との交流をしてきた。

 永江さんによると、3月の福島原発事故後、活動に協力してきた現地の人から連絡があった。「被ばくした体の健康回復のために、被ばくした国に行くとは思わない」と言われた。日本に来ること自体が、彼らには「二重被ばく」につながると認識されていることに気付いたという。

 ベラルーシ出身で長年通訳をしてきたオレーグ・バルシャイさん(56)=千葉県=によると「海外では、原発事故を大げさに報道されていた」と報道の影響があると見る。

 永江さんは、20回目の招待となる来年が最後と決めていたが、福島原発事故がいつ収束するとも分からない。「フクシマはまだ終わっていない。原発事故が収束したら、来年は子どもたちが日本に来てほしい」と無念さをにじませた。

【 2011年09月08日 22時21分 】

ソーシャルブックマークへ投稿: このエントリーをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 ソーシャルブックマークとは

ニュース写真

  • 「来年こそは子どもたちを招きたい」と話す永江さん(右)とバルシャイさん=京都市下京区・西本願寺
携帯サイトのご案内

    地域のニュース

    全国のニュース

      政治・社会

      「しごと館」人形売却断念 落札なく京都市に40体譲渡

      20110914000021

       雇用・能力開発機構が、昨年3月に閉館した職業体験施設「私のしごと館」(京都府精華町、木..... [ 記事へ ]

      スポーツ

      福留、三回に左前打
      イチローはヤンキース戦

      20110914000034

       【アーリントン共同】米大リーグは13日、各地で行われ、インディアンスの福留はアーリント..... [ 記事へ ]

      経済

      有力ソフトで3DSに活 任天堂、年末商戦へ新作続々

      20110913000110

       任天堂は携帯型ゲーム機「ニンテンドー3DS」の販売を強化する。カプコンの人気ゲーム「モ..... [ 記事へ ]

      観光・社寺

      現代美術、身近に感じて 大津歴博で「びわこ展」

      20110914000035

       全国各地の現代美術作家たちが意欲的な作品を一堂に出展する「2011 CAF.Nびわこ展..... [ 記事へ ]

      教育・大学

      高校生アート輝く 福知山5校の100作品を展示

      20110914000051

       京都府福知山市内の5高校で美術を学ぶ生徒たちの作品を集めた「高校アート展」が同市内記の..... [ 記事へ ]

      環境・科学

      湖底の枯れハスが水質悪化 琵琶湖の赤野井湾で調査

      20110914000018

       ハスの景勝地として知られる琵琶湖の南湖東岸になる赤野井湾で水質調査などを行っている滋賀..... [ 記事へ ]

      取材ノートから