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東日本大震災:浄水場汚泥、来月にも搬出開始 県、受け入れ先と契約 /千葉

 ◇埋め立て処分

 県内の浄水場で水処理をした際に発生する汚泥などから放射性セシウムが検出されている問題で、再利用目的のセメント業者の受け入れ拒否の影響から、浄水場の敷地内に一時保管されている汚泥が10日現在で約8000トンに達した。保管場所の余裕はあと1カ月程度。県は6月に国が示した基準に従い、受け入れ先を県内3カ所の管理型最終処分場に絞り、事務手続きなど最終調整中で、9月にも保管中の汚泥の搬出が4カ月ぶりに始まる可能性が出てきた。

 県浄水課によると、従来、汚泥はほとんどがセメントなどに再利用されてきたが、原発事故後、原子炉等規制法で放射性物質として扱う必要が生じる100ベクレル(製品段階)の汚泥が次々発生し、5月中旬には受け入れ業者がなくなった。

 その後、汚染度は漸減傾向にあり、100ベクレル以下の一部汚泥の受け入れも始まったが、やむなく保管される汚泥の濃度は、7月末採取のもので1キロ当たり531~1167ベクレル。いずれも6月に国が埋め立て可能な基準として示した8000ベクレルを下回っているが、業者は受け入れに難色を示したままだ。

 対応に苦慮した県は、柏井(千葉市花見川区)、北総(印西市)、ちば野菊の里(松戸市)の3浄水場で汚泥を敷地内に一時保管し続けているが、うち柏井浄水場の汚泥は、君津市内の業者と契約が成立し、9月から搬入を開始するという。

 しかし、同市の一部住民からは「なぜ君津なのか」「本当に大丈夫なのか」という指摘が上がり、市議の一部も関心を寄せている。

 同市は住民の不安を払拭(ふっしょく)するため、搬入される汚泥などの線量を市が独自に計測し、ホームページ上に公表する予定という。同市環境保全課は「『何となく気持ちが悪い』という気持ちも理解できるが、国の基準値を下回るものは搬入を断る権限はない。基準値が守られているのか確認し、市民の不安に応えたい」と説明している。

 一方、受け入れが決まった施設の広報担当者は「廃棄物を出している以上、どこかが受け入れるしかない。これまでも廃棄物の有害物質について、健康に影響を与えないように処理方法について考えきた。今後も安全確保に努める」と話している。【味澤由妃】

毎日新聞 2011年8月16日 地方版

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