ユーロ危機について連日様々に報じられているが、ギリシャのデフォルトを市場に織り込まさせることに躍起のようだ。
ドイツに続き、オランダ政府もギリシャのデフォルトが不可避だとみており、「秩序立った形」でのデフォルトを求めているとメディアが伝えている。
さらに、アルゼンチン元総裁のマリオ・ブレヘル氏の次のように述べている。
欧州債務危機:ギリシャは「大型デフォルト」すべきだ-ブレヘル氏
ギリシャ経済の悪化に歯止めをかけるためにも同国はデフォルト(債務不履行)するべきだと、マリオ・ブレヘル氏は述べた。同氏はアルゼンチンが2001年に950億ドルのデフォルトに陥った後に同国中央銀行総裁として危機克服に貢献。退任後はイングランド銀行(英中央銀行)の顧問を務めた。 ブレヘル氏はブエノスアイレスでブルームバーグのインタビューに応じ、「ギリシャはデフォルトするべきだ。しかも大型のデフォルトが望ましい」と述べ、「2段階で亀裂を飛び越えることはできない」と続けた。
同氏は国際通貨基金(IMF)と欧州中央銀行(ECB)が支援するギリシャ救済プログラムについて、「リセッション(景気後退)を生み出す」ものだと指摘。ギリシャは今後数年間で経済規模に見合わない多額の債務を背負い込むとこになり、経済成長が抑制されるだろうと述べた。ギリシャがデフォルトした場合、同じような圧力がポルトガルにもかかるとの見方を示し、アイルランドに対しては一部の債務で「少なくとも象徴的なデフォルトを促す非常に強い圧力がかけられるだろう」と述べた。
ブレヘル氏は「今起きていることはまったく不合理だ」と述べ、「高債務国が救済プログラムに盛り込まれていることをすべて実行したとして、つまりあらゆる調整と民営化を実施すると仮定した場合、2012年末の対国内総生産(GDP)比での債務は今年よりも大きいだろう」と分析した。 【ブルームバーグ 05:04】
つまり、ギリシャ支援プログラムは失策であり、さらなる経済悪化をもたらすものだということだ。
アルゼンチンの国家破産後に中銀総裁に就任したブレヘル氏の発言だけに、デフォルトの実態というものをわかっているのだろう。
借金を積み上げるよりも、デフォルトした方が自国にとっても、また欧州にとってもよりは早く再生・再建ができるという点で妥当である。
しかしながら、事はそう単純な話ではない。
本日の報道で、ドイツのショイブレ財務相が、近い将来にユーロ圏の「経済政府」が設立されることは想定していないとし、「欧州の超国家」を認めない考えを示したと伝えられているが、逆説的にこの"ユーロ超国家"の創設が現実味を帯びてきていることを表している。
すでに指摘している通り、ユーロ危機とはこの超国家誕生のための"胎動"なのである...。
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