ちまたの旬な話題から、日本の未来像を問うテーマまで。


テーマ:ロシア軍の露骨な挑発

ロシアの爆撃機が日本列島の周りを一周。プーチン首相らは日本に露骨な挑発を始めた。
ロシア軍の露骨な挑発

ハーレー・ダビッドソンで夜の街を駆け抜けるプーチン首相(8月29日、AP/アフロ)

 防衛省は8日、ロシア空軍の爆撃機2機が日本周辺をぐるりと一周したと発表した。領空侵犯の恐れがあったため、航空自衛隊の戦闘機が緊急発進(スクランブル)した。ロシア軍機が日本周辺を1周飛行したことが判明したのは、今回が初めて。

 同省統合幕僚監部によると、2機は旧ソ連時代に開発されたTU95爆撃機。朝鮮半島の東方から編隊で飛来し、沖縄本島付近まで進んだ後、太平洋を北上。樺太付近から再び南下して、日本列島を一周する飛行経路をたどった。

 ロシア国防省は同日、戦略爆撃機が警戒飛行を行い、自衛隊と韓国空軍の戦闘機計10機の追尾を受けたことを認めた。時を同じくして、プーチン首相は南クリール諸島(北方領土)の開発促進のために、年内に追加資金を拠出する方針を示し、北方領土の実効支配を進める意思を明確にしている。ロシア外務省は12日、このような懸念には「まったく根拠がない」と批判する声明を発表。

 声明によると、ロシア軍機の目的は訓練飛行で、領空侵犯はしていないと強調。飛行は「日本も行っているような通常の行動」と主張した。日本側に事前連絡もしていたという。

哨戒機や軍艦も接近


 ロシアによる挑発はこれだけではない。9日にはロシアの海軍の艦艇24隻が北海道の北にある宗谷海峡を新たに通過している。9日午後4時ごろに4隻、8〜10時に20隻が通った後、オホーツク海を北東に進んだという。24隻もの露艦艇が宗谷海峡を通過したのは過去最大規模だ。

 翌10日には、空軍のIL38哨戒機が10回にわたり日本領空に接近。再び空自の戦闘機が緊急発進。24隻の露艦艇は同日に、北方領土の北にある海域で対潜水艦戦の訓練を実施しており、IL38もこの訓練に参加した模様だ。

 玄葉光一郎外相は9日、ラブロフ露外相と電話会談。「露軍機の動きに対し日本国民の間で疑念が生じている。刺激的な行動は自制してほしい」と要請したが、ラブロフ氏は「国際法上、問題ない」とニベもなかった。

 昨年11月には、メドベージェフ大統領が北方領土を訪問するなど、実効支配を確実にしているロシア。一連の軍事行動は、発足間もない野田政権に安全保障問題で揺さぶりをかけるために、プーチン首相らが挑発をしかけてきた可能性が大きい。日本の国土をどう守るのか、民主党の手腕が問われている。

関連記事


ロシア爆撃機が「日本1周」 首相訪問時に福島沖も飛行 前代未聞の露骨な挑発 - MSN産経ニュース
ロシア機、日本列島を周回=空自がスクランブル−防衛省 - 時事ドットコム
日本、ロシア軍機飛行に自制求める 日ロ外相電話会談 - asahi.com(朝日新聞社)
露艦艇、宗谷海峡通過「24隻に」過去最大規模 - MSN産経ニュース

このテーマのオピニオン

BLOGOS 編集部

» 一覧

BLOGOSをスマホで見よう

スマートフォン版
アプリ版BLOGOSをダウンロード(無料)
ケータイ版
QRコード
携帯サイトのQRコードはこちら
http://m.blogos.com/

BLOGOS メルマガ