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エベレスト頂上が世界とつながる!
栗城史多が3度目の無酸素登頂に出発

チョ・オユー、マナスル、ダウラギリ。8,000mを越えるヒマラヤの山々に、酸素ボンベを使用せず、単独での登頂を成功してきた栗城史多(くりきのぶかず)。読者であれば、昨年に「ファウスト・オブ・ジ・イヤー2010」受賞のニュースが記憶に新しいことだろう。栗城は2009年、2010年と、地球で最も空に突き出た山、エベレスト(8848m)に挑んできた。残念ながら失敗に終わっていたが、「今年はようやく他のことに煩わされず向き合うことができます」と3度目のチャレンジを発表。ネパール・カトマンズに向けて8月28日に日本を発った。

夢、ようやく実現か!?
世界初の秋の無酸素登頂を目指す

出発直前の8月25日。ブルージーンズにカーキのポロシャツという爽やかな姿で記者会見に現れた栗城の体は、以前よりもぐっと引き締まっていた。
「今回はボクサーをトレーナーに付け、減量しながら体を作ってきました」
はっきりした口調からは意気込みが伝わる。



今回は昨年同様、ネパール側のノーマルルートからアタックする。ベースキャンプは5,300メートル、5つのキャンプはそれぞれ、6,000・6,400・7,200・7,900・8,200メートル地点に設ける予定。 今回は昨年同様、ネパール側のノーマルルートからアタックする。ベースキャンプは5,300m、5つのキャンプはそれぞれ、6,000・6,400・7,200・7,900・8,200m地点に設ける予定。
栗城はよしもとクリエイティブ・エージェンシーとの業務提携を発表。記者会見も渋谷のヨシモト∞ホールにて行われ、MCはあべこうじ、佐久間一行が務めた。

2004年から2007年にかけて6大陸最高峰の登頂に成功した栗城は、2007年以降、8000m峰への無酸素での単独アタックに挑んできた。チョ・オユー(8201m)、マナスル(8163m)、ダウラギリ(8163m)に登頂し、さらに動画配信までして大きな注目を浴びたが、エベレスト8,848mの壁は高かった。中国側から登った一昨年は7,950m地点で、ネパール側からの昨年は7,750mで下山。世界初だった(エベレストからの)ネット中継も中国政府の勧告で中断せざるをえなかったり、シェルパの乗った飛行機が墜落して仲間の葬式をあげてからの登山という悲劇も経験した。しかし、「今回はラニーニャという異常気象もないし、政治的なことも関係ない。本当にようやくエベレストに向き合えます」。近年、アンナプルナ(8091m)やシシャパンマ(8027m)への登頂も失敗しているだけに、一層の意気込みを感じさせる。

エベレスト1回の登頂にはおよそ7,200万円の費用が必要だという。
「しかしそこまで(資金は)集まらないので、人員や機材を減らして対応してきました。今回も多くの方々の協力のおかげで、少人数態勢でやってきた夢がようやく実現しました」
エベレストの登頂成功はほとんどが春だが、栗城は今年も秋に挑む。
「春はベースキャンプに800人ぐらいの人が入りますが、秋は厳しい季節で、ほとんど登山隊はいません。雪崩も多いですし、日照時間が短いから行動時間も限られる。そしてとてつもなく寒いんです。実は秋に単独・無酸素で登った人は誰もいません。でも僕は山を100%感じて登りたいと思っています。これは単独・無酸素登山の理由でもあります。僕は山を登る苦しみ、孤独、不安も自然の一部だと感じています。すべてを感じながら登るためには、やはり人のあまりいない時期に行きたいのです」

最終目標は「冒険の共有」!
夢は実現できることを伝えたい

標高8,000mの世界では、5m先がとても遠く感じると話す。体は思うように動かず、一歩がものすごく重い。そして「酸素の足りなくなった頭の中はゴチャゴチャして考えがまとまらないのです」。そんな中、栗城は独りカメラを担いでムービーの撮影を続けてきた。顔にレンズを向けながら片手で崖を登ったり、カメラを設置してクレパスを超えたあと、再び戻って回収するなどしてきた。「カメラがなければもっと先に行けたのでは?とか、ナルシストなの?と言われます」。栗城は優しく笑うが、そこにある熱い思いは「冒険の共有」だ。
栗城は昔、命がけの登山から帰国したときに、友達から「真っ黒に日焼けして海でも行ってきたのか?」と言われたそうだ。「そのとき、なんなんだこの孤独感は?と思いました。それで動画で配信すれば少しでも伝わるんじゃないかと」。テレビ番組も手伝って多くのニートが動画を見るようになると、その反応に感動を覚えた。登頂に失敗すると、「やっぱり無理なんだよ」「死んでしまえ」といった辛らつな書き込みがある一方で、成功すれば「ありがとう」「自分ももう一回がんばろうと思いました」という言葉が返ってきた。限界に挑戦する姿が、多くの人に「一歩を超える勇気」を伝えていたのだ。栗城は山からの中継を「冒険の共有」と呼び、「夢は作り物ではなくてリアルに実現できるもの。そのことを冒険を通じて伝えたい」と語る。

今回もハイビジョン放送に耐える最先端の中継機材を持ち込む。USTREAMやYouTubeを使って登頂までの過程をほぼリアルタイムで配信するほか、ブログやTwitterも更新。「8000mからの課外授業」では、北海道、山形、島根の学校の子供たちと8,000m地点を生中継で結び、生徒たちの夢や将来に関する悩みに答えていく(9月20日予定)。そのほかパブリックビューイングや、恒例となった「上から目線での人生相談」(Twitterできた質問にベースキャンプから生中継で回答)などを開催。さらにスーツやかつらを持参して金八先生の姿にもなるのは、「極限の世界でもユーモア気分でなるべく楽しくやりたい」という栗城らしいアイディアだ。
9月6日にベースキャンプに入り、山頂アタックは10月5日予定。「見えない山を登っているすべての人たちに勇気を伝えたい」。冒険の共有を目指す男の3度目のエベレスト挑戦を、ネットを通じて力いっぱい応援しようではないか。

さまざまなソーシャルメディアを駆使し、冒険を共有するためのコンテンツを配信する。登頂までの過程をほぼリアルタイムで、登頂の瞬間は生中継で伝える。 さまざまなソーシャルメディアを駆使し、冒険を共有するためのコンテンツを配信する。登頂までの過程をほぼリアルタイムで、登頂の瞬間は生中継で伝える。

 

さまざまなソーシャルメディアを駆使し、冒険を共有するためのコンテンツを配信する。登頂までの過程をほぼリアルタイムで、登頂の瞬間は生中継で伝える。 9月11日は東京・渋谷のヨシモト∞ホールとベースキャンプを中継で結び、「芸人2」プロジェクトの結果発表イベントが行われる。20日には日本各地の子供たちとやりとりする「8000mからの課外授業」を開催。山頂アタックの生中継は10月5日の予定。

 

 

栗城史多(くりきのぶかず)
1982年北海道生まれ。大学山岳部から登山を始めて6大陸の最高峰を登る。2008年マナスル(8163m)にて日本人初の単独・無酸素登頂と山頂直下からのスキー滑降に成功。2009年よりインターネット生中継登山を開始。ダウラギリ(8167m)の単独・無酸素登頂と6,000m地点からの中継を行う。今年5月、シシャパンマ(8027m)南西壁に単独・無酸素で挑むが、壁を登りきるものの、山頂には届かず下山。2010年ファウスト・オブ・ジ・イヤー受賞。

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最新の映像はこちらでチェック!
http://www.youtube.com/user/kurikiyama

2010年初春収録のロングインタビューはコチラ
http://www.faust-ag.jp/#acp/interview/interview016.php

栗城史多公式サイト
http://kurikiyama.jp/
同 ブログ
http://ameblo.jp/kurikiyama/
同 Twitterアカウント
kurikiyama

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