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今週の記事1本

こちらでは、カトリック新聞に掲載されている記事を、毎号につき1本お読みいただけます。


東日本大震災から6カ月 
仙台教区司教 平賀徹夫
多くの方々の善意に感謝

 

  東日本大震災発生の3月11日から6カ月がたちました。仙台教区では、日曜日に当たる9月11日の主日を、特に、この大震災で亡くなられた方々を悼んで永遠の安息を祈るとともに、ご遺族にはその悲しみを乗り越えて生きていく力が与えられるように、また、被災され苦しんでおられるすべての方々が支援の手を差し伸べるたくさんの善意の人々と共に再び立ち上がり、こうして被災地が力強く復旧・復興に向かうことができるように、いのちの源である父なる神からの恵みといつくしみを祈り求めるという意向でミサをささげる日と致しました。このミサのほかに、カトリック司教協議会と日本キリスト教協議会共催の「祈りの集会」の呼び掛けにも応じて、エキュメニカル(教会一致運動的)な祈りの集いも教区内各所で開かれます。
  この半年、日本全国からそして全世界から、仙台教区と被災した方々のため、被災地の復興のために、本当に多くの方々の善意が寄せられました。厚く御礼申し上げます。
  まず日本の司教団は仙台教区への寛大な支援を決定、司祭派遣や教会管区ごとの被災地支援のプロジェクトに着手してくださいました。カトリック管区長協議会(男子修道会、宣教会)も司祭派遣を、女子修道会総長管区長会もシスターズリレーを組織して人材派遣を続けてくださいました。
  また、たくさんの個人やグループ、学校や施設、団体、会社ぐるみで、また、小教区や教区、いろいろな国の司教協議会から等々、祈りと連帯の深い思いの込められた励ましのメッセージや寄せ書き、折り鶴や物品が届きました。それと共に寄せられた義援金は、総額6億円に達しようかという巨額となりました。これは被災された方々への弔慰金、見舞金、生活支援金等に、また損壊した教会建物や教育・福祉関係の施設建物の修復費の一部等に充てさせていただいております。
  また一方では、カトリックであるなしにかかわらず、ボランティアが全国からはせ参じてくださいました。仙台教区サポートセンターでのボランティア登録数は2500人を超えましたが、この夏の大変な暑さの中、被災家屋の掃除やドロのかき出し、がれき片付け、お湯を提供するサービスや写真の洗浄等々の作業に当たってくださいました。
  大震災から半年が過ぎ、被災された方々のニーズが変わってくるに伴って、仙台教区サポートセンターも形態や活動の内容が変わっていくでしょうが、「被災された方々、しかもその中で“谷間”に置かれて暮らす方々の心を生き、励まし、つなぎ、支え、寄り添う」教会であり続けるために、今後も活動を継続していくことと致しました。イエス様がなさったように、苦しんでいる方々に寄り添い、その心を心とすることができたら良いと思っています。ただ、いま一番の懸念は福島第一原発の大事故による大変な被害の中にある方々のことです。問題収束の見通しが全く立たない現実にあって、どのようにしたらその方々に寄り添い、助けとなることができるのでしょうか。
  今後どれほどの年月を要するか分かりませんが、日本と全世界の多くの善意の方々の祈りとご支援に支えられ、神の力強い導きを信頼しながら、復興に向かって教会として邁(まい)進してまいりたいと願っております。 

 

 

東日本大震災から6カ月

 





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