みぶ工房

みぶ工房は、
森で拾ってきた木から
クラフト作品を作っています。

しのびみち1

2011年07月22日 | 日記
1 池の鯉が

口を開けている。
餌をまいている侍、山笠重蔵(61)。
背後に控える侍、木下東五郎(34) 顔は見えない。
重 蔵「……そなたのご新造さんが亡くなって何年になる?」
東五郎「もうすぐ十年になります」
  重 蔵「供養はしておるのか?」
  東五郎「はい……毎年、命日に墓へは参っております」
  重 蔵「町に、忍が紛れ込んでおる」
東五郎「……!」
重 蔵「忍びを消すことが……忍びに殺された奥さんへの一番の供養だ」
  東五郎「……」
重 蔵「よいな」
重蔵、ニタリと口元をゆるませる。
東五郎「……」

2 石工の町(夜)

駕籠(前後に駕籠舁が一人ずつ)が走っている。
駕籠の中には神妙な表情の商人がいる。
その時、駕籠が急に動きを止める。
駕籠舁A「何だてめえらは……」
駕籠の周りには、複数の侍(黒羽衆)の姿。
その侍達は、揃いの黒装束を着ており、黒い鉢巻を巻いて、面頬をしており顔はわからない。
その中には、東五郎、立石駒彦(38)、柿里舟冶(31)、相楽勘八(28)の姿。
東五郎の面頬だけ、他の侍とは違った色(例えば赤)。
不審に思った商人、駕籠の外に視線を向ける。
東五郎、駒彦に目線で合図を送る。
駒彦、抜刀し、躊躇なく駕籠舁Aを斬り捨てる。
それを見た商人、悲鳴を上げ、無様に逃げていく。
黒羽衆、逃げる商人には全く見向きもせず、もう一人の駕籠舁、助次郎(35)を取り囲んでいく。
助次郎、焦って振り返り逃げ出す。
東五郎、短銃を懐から取り出し、助次郎に発砲する。
助次郎、肩を撃たれ、その場に倒れ込む。
東五郎、うずくまる助次郎を見つめている。

3 蔵の中

薄暗い部屋の中、隅には大豆袋が並べられている。
柱に縛りつけられている助次郎、傷だらけで恐怖に怯えており、荒い息遣いが響いている。
黒羽衆が、助次郎を取り囲んでいる。
助次郎「本当に知らねえんだって……何度も言ってんだろお」
駒彦、匕首を取り出し助次郎に見せつける。
助次郎「おい、やめろ……やめろって……おい!」
駒彦、鼻孔にナイフを入れ、切る。
助次郎「ぎゃぁああああああ!」
        鼻が血塗れになる助次郎。
駒 彦「吐け」
助次郎「俺は忍びじゃねぇ! 助けてくれ、頼む!」
駒彦、短銃を出し、銃口を助次郎の口の中に突っ込ん
だ。
助次郎の悲鳴が店内に響き渡る。
助次郎「待て! わかった! 教える! 教えるからッ!」
東五郎、じっと助次郎を睨みつける。
助次郎「里の場所は……」
話していた助次郎、何かを見つけ、言葉を止める。
気配を感じた東五郎、急ぎ助次郎の視線が向けられている後方を振り返る。
そこには、忍装束姿のお甲(22)の姿。
顔には布がまかれて目だけが見えている。
お甲、素早く棒手裏剣を取り出して構える。
東五郎、急ぎ助次郎の髪を掴み、顔を強引に傾ける。
すると先程まで助次郎の顔があった場所に棒手裏剣が突き刺さる。
侍達、抜刀してお甲に向かって行く。
お甲、傍らにあった大豆袋を斬り裂く!
廊下に大豆が広がり、侍達は次々と足を滑らせ転ぶ。
黒羽衆の侍A、不安定な姿勢で斬りかかっていくが、お甲は素早くくないで、黒羽衆1の心臓を突き刺す。
そのまま進んで行くお甲、ふと視線を移すと、短銃をお甲に向けている黒羽衆2の姿が目に入る。
お甲、素早く棒手裏剣を黒羽衆2に投げつける。
黒羽衆2、銃を持つ腕に棒手裏剣が突き刺さり、その勢いであらぬ方向に発砲してしまう。
その発砲により、黒羽衆3が腹に被弾、ドサリと倒れる。
お甲、助次郎の前に到達する。
助次郎「(お甲だと気づき)……澄乃」
お甲、刀で心臓を突き刺し斬りあげた!
助次郎、目を見開き、喉から血を噴き出す。
そして助次郎を縛り付けていた縄を斬り、助次郎の遺体を侍達のほうへと押し倒す。
大豆に足をとられ混乱している侍達は対応できない。
お甲、助次郎の遺体の上をトンと踏み台にして跳ぶ。
そのまま店の外へと向かって行くお甲。
東五郎、お甲の後ろ姿をじっと見つめている。

4 蔵の屋根

    瓦が蹴破られ、お甲がその穴から出てくる。
屋根の上を走り、隣の屋根に飛ぶ。

5 山道A

獣道を走っているお甲、やがて立ち止まる。
誰もいない事を確認し、顔にまかれていた布を取る。
お甲、その顔に……

  メインタイトル

     「忍 道  -SHINOBIDOU-」 

6 葉波の里

山奥の平地、幾つかのテントのような建物がある。
若い忍者たちが激しい訓練をしている。
体術……相手の各種攻撃を避けるための入り身や転身、受身
といった素早い体裁きの他に柔術や拳法などを含めた総合的な肉弾戦に用いる格闘術。
剣術……主に忍者刀を使用した剣術。隠しやすい小刀、脇差
などの小さい日本刀も扱われている。
手裏剣術……生きている人間を標的に手裏剣投げの訓練。
武器術……刀、手裏剣以外の武器を使う武術の訓練(例えば
鉤爪(かぎつめ)や鎌など)。
その中には、女忍の暮松(18)の姿もある。

7 婆様のテント・外観

8 同・中

上座に鳥八(58)、傍らに松地(35)、霧助(25)、下座にお甲がいる。
その周りを取り囲む護衛達。
鳥八の後ろには、老巫女の婆様(79)もいる。
鳥 八「御苦労だったな、澄乃」
お 甲「(頭を下げる)……」
鳥 八「全ては里のためだ」
霧 助「この里も、やつらに目をつけられたのでしょうか」
松 地「わからん。ただこのまま手をこまねいているわけにもいかんのかもしれんな……」
お甲達、思案しており沈黙が流れる。
婆様、持っていた宝玉をなでながら…、
婆 様「幾度(いくたび)の月日(つきひ)の後、我らの里より選ばれし童子(どうじ)、この地を揺るがす有事(ゆうじ)を救うであろう」
皆の視線が婆様に集まる。
婆 様「その時が来るまで一族を絶やさぬのが、この里に古来より伝わる掟、そして我らが生きた証となるのじゃ……」
お 甲「心得ております」
鳥 八「澄乃……新たな仕事を頼みたい」
お 甲「……?」

9 手裏剣の修練場
  
        人間型の的に手裏剣が突き刺さる!
暮松が子供たちに手裏剣を教えている。
        上手に的に刺すカイ(16)とサエ(13)。
  暮 松「あんたたちは上手だねぇ」
        マナ(17)が的に向かって投げるが外れる。
  サ エ「ヘタクソ」
  カ イ「それじゃ敵が来たら殺られちまうよ」
  サ エ「一番最初に逃げたりして」
  マ ナ「なんだとぉ!」
  暮 松「やめなよッ! 味方同士でッ!」
        掴み合いになるところを暮松が止めた。  
お甲が林檎を手に持ち、やってくる。
お 甲「暮松」
  と林檎を投げる。
暮 松「(受け取り)澄姉(すみねえ)……また行くの?」
お 甲「うん……」
暮 松「そっか」
  暮松、的の附近に立ち頭の上に林檎を乗せた。
お 甲「……」
暮 松「いいよ」
お 甲「(棒手裏剣を構える)……」
暮 松「(微笑って)……」
  緊張している子供達。
     少し離れた場所で草鞋を編んでいる忍者も見ている。
  お甲が棒手裏剣を投げた。
     暮松の顔の傍に突き刺さる。
暮 松「外れ!」
お 甲「……」
カ イ「……!(暮松の顔の横を指刺している)」
暮 松「(顔の横を見て)……!」
     毒蛇に手裏剣が刺さっている。
お 甲「(微笑って)……」
     
10 やぐらの上

   お甲と暮松が座って話している。
暮 松「町は……ここより面白いかな……」
お 甲「どうだろうね」
暮 松「面白いよきっと」
お 甲「遊びに行くンじゃないよ」
暮 松「私も澄姉みたいに、町に行きたいよ」
お 甲「そのうち、行けるだろ」
  お甲、立ち上がり降りる。
暮 松「ちゃんと戻ってきてよ!」
お 甲「(背中で手を振って)……」
暮 松「(心配で)……」

11  町

様々な場所に石が積まれており、石工の姿がある。
旅籠、茶屋、商店など、石工達で賑わっている。
旅装束姿のお甲、町を観察しながら歩いている。
すると、話している石工達の声が耳に届く。
石工1「駕籠舁きの助次郎、殺されたんだって?」
石工2「あぁ、ほかにも二人ほど、やられたんだってよ!」
石工3「そのうちの一人は銃で撃ち殺されたって話だぜ」
石工4「か〜、何でもありかよ。怖いねえ、忍ってのは」
お甲、ピクリと反応するが、そのまま進む。

12 路地裏

一角、三人の子供たちが、竹トンボで遊んでいる。
その一人、……蓮(10)が女だが男のような装いで竹トンボを飛ばしている。
他の二人の子供、竜太(10)と与平(10)、蓮を見下すような瞳で、ニヤニヤしている。
与 平「へへ、お前と同じ、ダメなトンボだな」
竜 太「ほんと何やらしてもダメだよな、つまんねえ奴」
竜太、蓮をドンと力強く押す。
よろめく蓮を今度は与平がドンと押す。
竜太と与平、蓮を何度も押して遊ぶ。
やがて蓮は、地面に派手に倒され、ちょうど近づいて来たお甲の足元にぶつかってしまう。
蓮、助けを求めるように、お甲を見上げる。
お甲、凜とした表情で蓮を見つめた。
お 甲「自分でなんとかしな」
蓮、呆然とお甲の顔を見つめている。
するとまた竜太がドンと蓮を押し倒す。
お甲、蓮へのイジメを横目に去って行く。

13 居酒屋・店先(夜)

店先には酒樽が積まれている。

14 店内(夜)

板間では数名の客が酒を飲み、食事をとっている。
給仕姿のお甲、熱燗を運ぶなど働いている。
そこに、石工職人の柿里舟冶(31)と相良勘八(28)が入ってくる。
お 甲「いらっしゃいませ!」
舟 冶「あ? あんた誰だ?」
勘 八「見かけねえ顔だな」
大将の正次郎(54)、愛想よい笑顔を浮かべ、
正次郎「お甲っていうんですよ」
舟 冶「へぇーそうかい」
勘 八「ふ〜ん、大将もすみにおけねえなぁ」
正次郎「何を言ってるんですか、この子はね、伯父の知り合いのね、海
鮮問屋によく顔をだしていた…え〜と、卸商の息子さんのね…
え〜とね…」
舟 冶「何だよそりゃ……」
勘 八「酒くれよ」
お 甲「はいッ!」
その時、石工4が店内に入ってくる。
  石工4「てぇへんだ! 東五郎ちのガキが無茶なことやらかしてンぞ!」
     正次郎、店の隅で酔い潰れ眠っている男を揺り起こす。
  正次郎「東五郎さん! 東五郎さん!」
   男 「(朦朧と)……ン……ンンンン……」
  お 甲「(男を見て)……」
  正次郎「蓮ちゃんが……」
     顔を上げた男……木下東五郎(34)。

15 蔵・周辺

蔵の屋根の上に座って竹とんぼを飛ばしている。
竹とんぼが夜の空に吸い込まれていく。
   蓮 「飛んだ飛んだッ!」
      駆けつけてくるお甲、正次郎、石工4、数人の野次馬。
  遅れて東五郎も駆けつけるが、足元がおぼつかない。
石工3「何やってんだ、死にてえのか!」
     蓮、立ち上がろうとするが足を滑らせた!
   蓮 「うわぁああああああッ!」
蓮、鬼瓦につかまりぶらさがった状態となる。
大騒ぎとなる、野次馬達。
お甲、急ぎ、蔵の中へと入っていく。
正次郎「誰かほら、布団持って来い! 早く!」
      町人たち、走っていく。
      蔵の二階の窓を蹴破るお甲。
      お甲、窓から躰を乗り出し、
  お 甲「今助けてあげるから慌てないで……」
   蓮 「高く飛ばしたかったンだよ」
  お 甲「わかってるよ……足をゆっくりこっちへ」
  正次郎「布団で受け止めるンだッ!」
        助昌たちが布団を持って走ってくる。
        お甲、ぶらさがっている蓮を確認し、蓮の足を掴む。
お 甲「もう大丈夫だよ! 絶対に離さないから、ゆっくり足を……こ
    っちへ……」
蓮、足を窓にかけようとするが、鬼瓦がとれ落下する。
お甲、落ちる蓮の足をしっかり掴んで離さない!
正次郎の頭に鬼瓦が当たり、悶絶する。
お甲、ぶらさがっている蓮の足をつかみ、必死に窓から蔵内へと蓮の体を引きずり込んでいく。
見上げていた東五郎、安堵の息をはく。
野次馬達はお甲へ拍手喝さいしている。
布団の上で倒れている正次郎。
       お甲、蓮を力強く抱き締めている、

16 居酒屋・店内

お甲、軽蔑の瞳で東五郎を見下している。
席に座っている東五郎、バツが悪そうに俯いている。
お 甲「何やってるんですか!」
東五郎「……」
お 甲「子供があんな時に、父親がそんなに酔っぱらって……」
正次郎、頭を手ぬぐいで冷やしながら、
正次郎「まあ、お甲ちゃん、それくらいに」
お 甲「子供を大切にできないなんて親じゃありません!」
東五郎、気まずそうに俯いている。
蓮、キョトンとしてその光景を見ている。
ため息をつくお甲、蓮に近寄って行く。
お 甲「あなたも、もうあんなとこ登っちゃダメよ。わかった?」
   蓮 「(小さな声で)……はい」
お 甲「ほら! 男の子でしょ! もっとシャキっとして!」
東五郎「女だよ」
お 甲「……え」
東五郎「うちのガキは……女だ」
お 甲「あ……ごめんなさい」
 蓮 「(微笑って)ありがとう……お姉ちゃん」
お 甲「(も微笑って)……」

17 町

お甲、野菜売場で野菜を物色している。
すると誰かがお甲の着物の袖を引っ張る。
振り返るお甲、そこには紙包みにつつまれた最中を持っている蓮の姿。
蓮、持っていた最中をグイと差し出し、
   蓮 「これ、父ちゃんから」
お 甲「……?」
お甲、まわりを見渡す。
すると少し離れた場所に立つ東五郎の後ろ姿。
お甲、蓮から最中を奪い取り、東五郎の元へとスタスタと力強く進んで行く。
お 甲「あの」
振り返る東五郎、お甲の表情は厳しい。
お 甲「これ、いただけません」
お甲、最中をグイと差し出す。
東五郎「とっといてくれ」
お 甲「結構です」
お甲、最中をグイと東五郎に押しつける。
東五郎「だから、いいっつってんだろ」
東五郎、グイと最中をお甲に突き返す。
憮然とした表情のお甲、チラリと最中を見て、
お 甲「……さいちゅう」
東五郎「……?」
お 甲「さいちゅうって、何?」
東五郎「モナカだよ」
お 甲「でも、さいちゅうって書いてある」
東五郎「モナカって読むんだよ」
お 甲「……あ〜はいはい」
東五郎「……?」
お 甲「さいちゅうってモナカね」
東五郎「モナカはモナカだ!」
お 甲「でも……」
東五郎「黙って食え!」
納得できていないお甲だが、渋々最中を口に運ぶ。
お 甲「……おいしい」
東五郎「……」
お 甲「(微笑って)……」

18 居酒屋・店内

板間では数名の客が酒を飲み、食事をとっている。
正次郎が元石工職人の助昌(41)に酒を運んでくる。
  正次郎「暇をだされたんだって?」
  助 昌「そんなんじゃねえや、こっちから辞めてやったンだよ」
  正次郎「長年働いたのに、哀れだねぇ」
助 昌「じゃあここで雇ってくれよ」
正次郎「いらねぇよ、駕籠舁でもやりな」
給仕姿のお甲、熱燗を運ぶなど働いている。
客には駒彦の姿もあり、豪快な笑い声をあげている。
そこに、旅装束姿の霧助が店内に入ってくる。
お 甲「いらっしゃいませ」
霧助、板間に腰かける。
お 甲「いかがいたしますか?」
霧 助「え〜と、うずらはありますか?」
お 甲「うずらですか?一羽ならあると思うんですが……」
霧 助「一羽? ここいらはうずらが獲れないのですか?」
お 甲「私、よく知らなくて、すいません」
霧 助「なら仕方がない、何か適当に見つくろって下さい」
お 甲「かしこまりました」
お甲、笑顔で席を離れて行く。
それと入れ替わり、駒彦がとっくりを持って現れる。
駒 彦「見ねえ顔だな。旅の人かい? まあ、一杯」
駒彦、霧助におちょこを渡し、酒を注ぐ。
霧 助「すみませんね……旅ってほどでもないんですが……木崎街道の先にある、宿場から来ました」
駒 彦「あ!知ってる! 俺も行った事あるよ! いいとこだよなぁ。
でも、この町にはかなわねえよ!」
霧 助「そうですね……私も気に入りました」
駒 彦「だろ? だろ〜? ヨシ! なら俺がこの町を案内してやるよ!」
霧 助「いや、それが、あいにく仕事が詰ってまして……」
駒 彦「じゃあいつまでいるんだい?」
霧 助「三日後には帰る予定です」
お甲、他の場所で片づけをしながら聞いている。
駒 彦「何だよ、何だよ、もっとゆっくりしてきゃいいのに」
霧 助「……」
お甲と霧助、ほんの一瞬、目線をあわせる。
お甲、すぐに目線を逸らし、仕事を続ける。

19 町の実景

20 居酒屋・店先 (夕)

お甲、ほうきで店先を掃除している。
すると、東五郎が水桶を担いで通り過ぎて行く。
そのすぐ後ろに笑顔の老人が着いて行く。
お甲、東五郎の後ろ姿をじっと見つめている。

21 商店・店先

お甲、町を歩いていてふと足をとめる。
そこには、商店の店先で、外れかかった看板を必死に修理している東五郎の姿がある。
傍らでは、店の人達が笑顔で東五郎を見ている。
お甲、その光景をじっと見つめている。

22 路地裏

お甲、野菜を抱えて歩いている。
すると、視線の先に、チャンバラごっこをしている竜太、与平の蓮の姿。
一方的にやられている蓮。
お 甲「ちょっとあんたたち!」
竜太・与平「……!」
お 甲「女の子相手に、そんなことしていいと思ってンの?」
竜 太「こいつが弱いからダメなんだよ!」
お 甲「女の子じゃない!」
与 平「だから何かあった時の為に、おれたちが鍛えてやってンだよ」
お 甲「弱い者イジメだろ……どう見ても……」
蓮 「……」
  お 甲「じゃあ、私も鍛えとくれよ」
  竜太・与平「……!」
お 甲「怖いのかい?」
竜 太「おまえなんか怖くねぇ!」
お 甲「あれ? お漏らししてンじゃないの?」
竜 太「なんだとぉ!  野郎ども、やっちまえ!」
与 平「うぉおおおお!(と行きかけるが竜太に)ちょっと待って、野郎どもじゃなくて、野郎なんだけど!」
竜 太「なんで!」
与 平「オレ一人だから!」
竜 太「そうか!  じゃあ、野郎! あの野郎をやっちまえ!」
与 平「ややこしいな!」
竜 太「え?」
与 平「今のだとどっちがどっちの野郎かよくわからないぞ! それに
あいつは女だ!」
竜 太「そうか! じゃあなんて言ったらいいンだ?」
お 甲「つべこべ言ってないで二人いっぺんにかかってこい!」
与平、棒きれでお甲に襲い掛かるが、お甲は舞いを踊っているかのようにフワリとよける。
竜  太「ちっくしょおおお!」
竜太、棒きれでお甲に襲い掛かるが、よけられる。
その後も竜太と与平は、襲いかかるがよけられ、最終的にお甲を挟み打ちにするが、やはり踊るようによけられ、お互いの頭をゴツン! と叩きあってしまう。
  竜太・与平「痛ぁあああああああ!」
頭を押えてうずくまっている竜太と与平。
蓮、お甲に尊敬の視線を向けている。
お甲、蓮にニカリと笑顔をみせる。

23 居酒屋・店内

板間では数名の客が酒を飲み、食事をとっている。
蓮が東五郎、助昌、正次郎、駒彦、舟冶、勘八、霧助ほか常連客に話しかけている。
   蓮 「(興奮気味に身ぶり手ぶりもつけ)凄かったの!こう、フワ!フワワって鳥みたいに! そして、トンって押すと、バババって! 凄かったの! 凄かったの!」
お甲、すっと蓮の後ろに立ち、口を手で封じる。
お 甲「……すみません」
助 昌「何だよ! お甲ちゃんの武勇伝、聞かせてくれよ!」
お 甲「そんな……めっそうもないです」
助 昌「お甲ちゃん、強いンだねぇ」
お 甲「子供相手ですから」
助 昌「いやいや、ガキ相手とはいえ、たいしたもんだよ」
駒 彦「お甲ちゃんは何か心得があるのかぃ?」
お 甲「あ……ええ……踊りを……少々」
  お甲の脳裏に太鼓の音が聞こえてくる。

24 記憶・葉波の里(夜) 

太鼓の音が軽快に響く中、中央の焚き火を中心に、顔に民族的な化粧を施した住人達が踊っている。
その中には、お甲の姿もあり、その踊りは竜太と与平を相手にしていた時の動きに似ている。

25 長屋の通り

ある家の前、数人の町人達が集まっている。
少し離れた場所にいるお甲、じっと見つめている。
ある家の中から、老婆を背負って出てくる東五郎。
そして、力強く走り去って行く。
その場にいた町人達からは喝さいの声や拍手。
お甲、走り去っていく東五郎を見つめながら、長屋の女たちに近づいて行く。
女 1「医者に診てもらううんだって、連れてっちまったよ」
女 2「いやでも、ほんと助かるよ」
女 3「あぁ、東五郎さんがこの町にいてよかったねぇ」
女 4「そうだね、他のお侍さんとは全然ちがうもんねぇ」
長屋の女達、口々に東五郎を褒めている。
お甲、真剣な表情でその話を盗み聞きしている。

26 居酒屋・外

27 同・中

石工たちが話している。
  石工3「……駕籠舁が殺されたって話があったろ……あれ、死んだの
      は駕籠舁だけじゃなかったンだとよ」
石工1「誰が殺されたンだい?」
石工2「見廻りの侍が何人かいなくなっててよ……殺されたンじゃない
かって……」
石工4「やったのはやっぱり忍びか?」
石工2「たぶんな」
      ×      ×     ×
助昌と霧助。
  助 昌「しかしお上も勝手なもんだねぇ」
霧 助「なにがですか?」
助 昌「お上は忍びを消そうとしてるって噂だぜ」
霧 助「そうなんですか!?」
助 昌「ひでえよな……散々使っておいて、いらなくなったから消すな
んてよ」
  霧 助「でもそう簡単に忍びもやられないのでは……」
  助 昌「だな……」
正次郎が料理を運んでくる。
  正次郎「同業相哀れむってとこかい?」
  助 昌「俺は違うよ……れっきとした石工だよ」
  正次郎「仕事がなくなってからぶらぶらしてるくせに……毎晩飲みにき
      やがって」
  助 昌「うるせぇ……売上に貢献してンだろが」
正次郎「実はよ……あの俳人の松尾芭蕉は忍びだって噂があるンだぜ」
  助昌・霧助「えぇええええ!」
  正次郎「芭蕉は伊賀の出だろ、だいたいよ、奥の細道の通りに旅した
      とすると、日に三里(10キロ)は歩かなきゃならない計算
      だ……芭蕉の歳じゃ無理があるだろ」
  お 甲「(料理を運んできて)本当ですか?」
正次郎「あとよ、絵師の葛飾北斎も公儀隠密だったって話もあるンだぜ」  
  助 昌「へぇ……なんかすげぇな……俺もなろうかな隠密に」
  正次郎「馬鹿言ってんじゃねえよやめとけ、今度は本当に首切られるぞ」
  助 昌「……」
        ×      ×     ×
        厨房に戻った正次郎とお甲。
  お 甲「今の話……本当なんですか?」
  正次郎「ん? ワシの空事だ」
  お 甲「なぁんだ」
  正次郎「話は面白い方がいいだろ」
  お 甲「(微笑って)……」

28 同・外

お甲が客を見送っている。
人影が現れる。
東五郎が魚を持って立っている。
お 甲「あ……もう店は……」
東五郎、魚をお甲に差し出し、
東五郎「婆さんがくれたんだ……皆で食べてくれ」
お 甲「……」

29 東五郎屋敷・玄関外 (夜)

お甲、魚料理が盛ってある皿を持っている。
扉が開き、東五郎と蓮が姿を現す。
東五郎「……?」
お 甲「これ」
お甲、皿を東五郎に渡す。
お 甲「大将がおすそわけだって」
東五郎「……悪いな」
お 甲「じゃあ」
お甲、帰ろうとする。
東五郎「よかったら、食ってかねえか」
お 甲「いえ……私は……」
蓮 「一緒に食べよう!」
  とお甲に抱きついた。
  
30 同・居間 (夜)

お甲、東五郎、蓮、魚料理を食べている。
蓮、お甲と東五郎の顔を見合わせ嬉しそうにする。
お 甲「……近頃はどう?」
   蓮 「いじめられなくなった!」
お 甲「えええ? ほんとに?」
 蓮 「あたしも、お姉ちゃんみたいに強くなりたいなぁ」
お 甲「私は強くないよ」
 蓮 「あいつらやっつけてくれたじゃない!」
お 甲「それでも強くない」
東五郎「勝負は強い奴が勝つンじゃない……勝った奴が強い……そうい
うもンだ……」
   蓮 「じゃ、やっぱりお姉ちゃんは強いンだ!」
  お 甲「……」
お甲、蓮を見て笑顔を浮かべる。
東五郎、黙々と食べている。

31 寝室 (夜)

寝ている蓮。

32 町 (夜)

二人きりで歩くお甲と東五郎、妙に意識している。
そして終始無言、広がる沈黙。
お 甲「……ん?」
東五郎、何かに気付いたお甲の視線の先を追う。
そこには、道路の端で泣いている竜太の姿。
お 甲「あ、いじめっこ」
東五郎、竜太のそばによる。
東五郎「おう、どうしたんだ?」
竜太、泣きながら視線を東五郎に向ける。
竜 太「……母ちゃんが」
お 甲「……?」

33 竜太の家・居間 (夜)

長屋にある家。
布団に寝ている竜太の母、お咲(29)。
顔色は悪く、ひどく脂汗をかき苦しそうにしている。
特に呼吸が苦しそうで、咳が止まらない。
お咲の傍らには、お甲、東五郎、竜太がいる。
東五郎「どうして、こんなになるまでほっておいた」
お 咲「……医者に診て貰う銭なんて……ありませんよ……」
お甲、心配そうにしている竜太を見て悲しげな表情。
東五郎、スクリと立ち上がる。
東五郎「(お甲に)ここを頼む」
お 甲「……え」
東五郎、ドタドタと部屋を出て行く。
お 甲「ちょっと、ええええ」
竜太、お咲の視線がお甲に集まっている。
お甲、小さなため息を吐く。
×       ×       ×
お甲、皿の上で草をすりつぶしている。
  お 咲「(半身を起こしていて)……?」
そのすりつぶした草を湯のみの中に入れる。
そして、そこにお湯をいれかきまぜる。
お甲、その薬湯をお咲に飲ませようとする。
お 咲「何なんですか……それは……?」
お 甲「……ヒメキソウを煎じた、薬湯」
お甲、お咲の口に薬湯を注ぎ込む。
お咲、せき込んでいる。
お 咲「……どう……なるンですか?」
お 甲「……呼吸は少し楽になる、かも」
お甲、心配そうに見ている竜太に笑顔をみせる。
×       ×       ×
お咲、苦しそうではあるが、呼吸は楽になっている。
お甲、お咲を心配そうに見つめている。
竜太、疲れ果てて、その場に寝てしまっている。

34 長屋の実景(夜明け)

35 竜太の家・居間

お咲、苦しそうに咳こみ始めている。
竜 太「さっきの……また飲ませてやってよ」
お 甲「……ダメ、強い薬草だから、そう何度も飲ませられない」
竜 太「じゃあ、どうすんだよ。助けてくれんじゃねえのかよ」
お甲、何も答えられず、じっと我慢している。
その時、ドタバタと足音が近づいて来る。
扉が勢いよく開き、汗だくの東五郎が姿を現す。
東五郎「悪い、遅くなった。ほら先生、急いで!」
東五郎の後ろには、医者(46)の姿。
医 者「わかっておる、せかすな」
医者、お咲を診察し始める。
お甲、息があがっている東五郎を見つめている。
東五郎「この町の医者が出払ってたから、隣町まで行ってきた」
医 者「ほんとに倍払うんだろうな?」
東五郎「約束する……しっかり診てやってくれ」
東五郎、ペタリと座り込む。
部屋の中に朝の光が差し込み始める。

36 玄関外

お甲と医者、向き合っている。
医 者「ま、ひとまず安静にしとれば大丈夫だろう」
お 甲「ありがとうございました」
医 者「あんた、医者の知り合いでもおるのかい?」
お 甲「え? いいえ」
医 者「ヒメキソウ飲ませるってのは、いい判断だ」
お 甲「……まあ、何となくです」

37 居間

現れるお甲。
目を覚まし少し落ち着いているお咲、
  お 咲「東五郎さんは?」
  お 甲「帰りました」
  お 咲「色々と……ありがとうございました……と伝えて下さい」
  お 甲「はい」
  お 咲「あなたにも……世話になっちまって……」
お 甲「(口に指を当て)……しーッ」
  部屋の隅で竜太が眠っている。
お 咲「(微笑って)……」
お 甲「(も微笑って)……」

38 神社・境内

誰もいない境内、お甲と霧助がいる。
霧 助「つまり、木下東五郎は黒羽衆のものではないと?」
お 甲「ええ、そういった類の男ではないように思われます」
霧 助「木下は六年前の、戸隠の山賊討伐に加わり、最も手柄をあげ
    た男だ。やつ以上の手練はそうおらんぞ」
お 甲「……しかし」
霧 助「……澄乃、四年前、この界隈を根城にしておった、空蜘蛛一族
が突如姿を消した件、覚えておるか?」
お 甲「……はい」
霧 助「木下がこの町に来たのも、その四年前だ」
お 甲「……」
霧 助「(遮り)澄乃、奴は我らが握る唯一の手がかりなのだ」
お 甲「……」
霧 助「今しばらくは……全ては里のためだ」
お 甲「……」

39 居酒屋・店先

お甲、打ち水をしている。
すると、蓮が急ぎ走って来る。
お 甲「……どしたの」
   蓮 「竜太の母ちゃんが……」
お 甲「……?」

40 町外れの墓地

町人達が、くわで地面に穴を掘っている。
その傍らには座棺用の棺桶がある。
お甲と蓮が現れ、悲しみの表情を浮かべる。
お甲、周りを見渡すと、少し離れた場所に一人、無表情で座って石遊びをしている竜太の姿。
そこに東五郎が現れ、竜太の隣に腰を降ろす。
  竜 太「……おっとうも……おっかあも……いなくなった」
  東五郎「人は……いつかは死ぬものだ……」
  竜 太「……」
  東五郎「わしの両親も死んだ」
  竜 太「……」
  東五郎「いつか……わしもお前も死ぬだろう……だから死する日まで、一生懸命生きるのだ……」
竜 太「(涙を堪えて)……」
東五郎「母が亡くなったのに……なぜ泣かぬ?」
竜 太「死んだおっとうが……男は泣いちゃいけねえって……」
東五郎「我慢はするな……泣きたい時には泣けばいい……あるがままで
よいのだ」
竜 太「(涙を浮かべて)……」
東五郎「生きるとは……そういうことだ……」
竜 太「(嗚咽を上げた)……」
お 甲「(二人を瞶(みつ)めて)……」

41 町が見下ろせる丘 (夕)

お甲と東五郎、並んで座り、町を眺めている。
しばらく無言のまま町を眺めている。
東五郎「……この町の裏にある山に行った事があるか?」
お 甲「……いえ」
東五郎「中腹に小さな寺があって、月に一度はそこにお参りに行く」
お 甲「お参り?」
東五郎「そこに願をかけると、必ず叶うといわれているんだ」
お 甲「……」
東五郎「一緒に……行ってみないか?」
お 甲「……」
東五郎「明日、二条橋で待っている」
お 甲「(頷く)……」
  二人の顔を夕日が照らしている。
×     ×     ×
離れた木の中腹、じっとお甲を見つめる霧助の姿。

42 神社・境内

誰もいない境内、お甲と霧助がいる。
霧 助「澄乃、お前はこの件から手を引け」
お 甲「……え」
霧 助「明日、里に戻れ」
お 甲「……!?」
霧 助「私情を交えては冷静な見極めはできん」
お 甲「(霧助を睨み)……」

43 橋の上〜山中・街道B ※カットバック

東五郎、橋の上に立っている。
手には最中が握られている。
×     ×     ×
旅装束姿のお甲、歩いている。
その表情に迷いはない。
×     ×     ×
東五郎、橋の上に立っている。
やがて、雨がふりだしてくる。
×     ×     ×
旅装束姿のお甲、歩いている。
雨脚は強くなっていく。
×     ×     ×
東五郎、橋の上に立っている。
雨が最中をグシャグシャにしてしまう。

44 葉波の里・婆様のテント

鳥八、松地、婆様の前に座らされているお甲。
松 地「……まさか、黒羽衆に惚れるとはな」
お 甲「……」
松 地「しばらく、町に戻る事は許さん。それに裏の仕事自体も……」
婆 様「霧助の話は確かなのか?」
松 地「どういう事じゃ?」
婆 様「霧助のやきもちではないのか?」
お 甲「……」
松 地「霧助は優秀な忍びじゃ」
婆 様「こやつ(お甲)も優秀な忍びじゃろ」
松 地「霧助の申す事に誤りはないと……思います」
お 甲「……」
鳥 八「澄乃、申しひらきはあるか?」
お 甲「いえ……」
鳥 八「……」
  
45 同・外

婆様のテントから出てくるお甲、後ろから暮松が近づいて来る。
暮 松「澄姉!」
お甲、振り返り、力泣く笑顔をみせる。
暮 松「あたし信じてるから」
お甲、視線を逸らす。
暮 松「澄姉が、そんな色恋にうつつをぬかすわけないって。ねえ、そ
うでしょ?」
お 甲「……」
暮 松「あたし、澄姉の事、本当の姉ちゃんだと思ってるから! 澄姉
がいなくなったら、あたし、何を支えに生きればいいかわから
ないよ……」
お 甲「わかってる」
お甲、去って行く。
暮 松「また一緒に暮らそうよ!」
お甲、視線を下げたまま突き進んで行く。

46 居酒屋・店先

東五郎と蓮がおり、蓮は東五郎を店に入れたくないのか、引っ張って抵抗するが、結局東五郎は蓮を連れて店内へと入っていく。
×     ×     ×
そんな二人を遠くの物影から眺めている霧助。
駒 彦「あの男に何か用かい?」
霧助、振り返ると駒彦が真後ろにいる。
駒 彦「まだこの町にいたんだな」
霧 助「ちょっと用事ができたンです」
駒 彦「何の用だい?」
霧 助「いやぁーちょっと、薬の仕入れにきてて……」
駒彦、疑念の目をじっと霧助に向ける。
霧 助「じゃあ、急ぐんで……」
霧助、駒彦の横を通り過ぎようとする。
駒彦、霧助の肩を掴む。
駒 彦「まあ、そう慌てるなよ」
駒彦、霧助の肩を持つ手に力を込める。
霧助、体をひねらせ、駒彦の手を振りほどく。
霧助、頭を下げ、去って行く。
駒彦、霧助の背中を見てニタリと笑う。

47 町の中

霧助が歩いてくる。
その表情は硬く、緊張している。
木戸の外には、黒羽衆姿の舟冶と勘八がおり、距離を置いて霧助のあとを着けて行く。

48 町への山道

速足で歩き、町から遠ざかって行く霧助。
やがて、逃げるように走り出す。
黒羽衆姿の舟冶と勘八、走って霧助を追いかける。

49 渓流

逃げている霧助。
舟冶、懐から短銃を取り出し、霧助にむけ発砲する。
霧助、肩に被弾するが、それでも走り続ける。
霧助、肩から血を流しながら必死に逃げている。
やがて追いついてくる舟冶と勘八、そして駒彦。
舟冶、またも短銃で発砲する。
霧助、弾丸が足に被弾し、崖を転げ落ちる。
駒彦などの黒羽衆、霧助を囲んでいく。
霧助、必死に立ち上がり手裏剣を投げた。
駒彦、それをよけるがバランスを崩す。
霧助、仕込み杖で駒彦を斬ろうとする。
  霧 助「うぉおおおおおッ!」
  駒 彦「……!」
が、それを“兜割り”で防ぐ東五郎。
霧助の刀が折れた!
  霧 助「……!」
        東五郎、兜割りで霧助を叩く!
        霧助、頭を割られ血飛沫を上げ倒れる。
東五郎「おぬし……詰めが甘いぞ」
駒 彦「(東五郎を睨み)……」

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