東京の暴力団組長らが多重債務者を弁護士に不正にあっせんしたとして逮捕された事件で、暴力団組長は、多重債務者を集めた会社が得た報酬のうち10%を受け取る約束になっていたことが分かり、警視庁は暴力団事務所を捜索し、資金の流れを調べています。
東京の暴力団組長、齊藤順平容疑者(52)と、コンサルティング会社の社員仲野大吾容疑者(31)ら7人は、弁護士の資格がないのに、数十人の多重債務者を集め、東京の近藤利信弁護士(69)に不正にあっせんしていたとして、12日、弁護士法違反の疑いで警視庁に逮捕されました。警視庁は13日、容疑を裏付けるため、東京・池袋にある齊藤容疑者の暴力団事務所と板橋区の上部団体の事務所など、数か所を捜索しました。警視庁の調べによりますと、近藤弁護士は、去年3月までの1年間に、コンサルティング会社が新聞の折り込み広告などで集めた多重債務者三百数十人を紹介され、報酬として8000万円を会社側に支払っていましたが、齊藤容疑者がこのうちの1割を受け取る約束になっていたことが分かりました。齊藤容疑者には実際におよそ800万円が流れていて、警視庁は、多重債務者の不正なあっせんで得た利益が暴力団の資金源になっていたとみて、金の流れを調べています。