日本の植民統治からの独立を訴えた朝鮮人運動家の擁護に尽くし、韓国で「日本人シンドラー」とも呼ばれる弁護士のドキュメンタリー映画「弁護士布施辰治(たつじ)」が15日、宮崎市船塚3丁目の県立芸術劇場で上映される。
布施(1880-1953)は宮城県石巻市出身。明治から昭和の戦前戦後を通じて活動し、大逆罪に問われた運動家ら多くの朝鮮人を弁護した。関東大震災(1923年)のときには、自由法曹団の創立メンバーとして朝鮮人虐殺事件の真相究明に当たった。
韓国のテレビが2000年、第2次大戦中にナチスの大虐殺から千人以上のユダヤ人を救ったオスカー・シンドラーにちなんだ特集番組「発掘・日本人シンドラー布施辰治」を放映。顕彰の動きが広がり、韓国政府は04年、日本人として初の「建国勲章」を授与した。
映画は生誕130年記念の10年、同映画製作委員会(筆頭代表委員=阿部三郎・元日弁連会長)によって作られ、これまで全国92カ所で上映。宮崎市では同映画を見る会(代表・山田秀一弁護士)が主催している。
上映会は午後1時半、同7時の2回。入場料は一般1200円(前売り千円)中・高・大学生500円。
=2011/09/13付 西日本新聞朝刊=