東京の暴力団組長らが多重債務者を集めて弁護士に不正にあっせんしたとして、逮捕された事件で、以前、別の弁護士も同様にあっせんを受けていた疑いのあることが分かり、警視庁は、複数の弁護士が不正に関与していたとみて実態の解明を進めています。
東京の住吉会系の暴力団組長、齊藤順平容疑者(52)とコンサルティング会社の社員仲野大吾容疑者(31)ら7人は、おととしの半年間、弁護士の資格がないのに数十人の多重債務者を集め、東京の近藤利信弁護士(69)に不正にあっせんしていたとして、12日、弁護士法違反の疑いで警視庁に逮捕されました。警視庁のその後の調べで、近藤弁護士が業務を担当する前の数か月間、当時、長崎県内の弁護士だった男性が同様に依頼者のあっせんを受けていた疑いのあることが分かりました。警視庁によりますと、この弁護士はおととし4月に弁護士会を退会処分になり、業務ができなくなったため、齊藤容疑者がほかの弁護士を探していたコンサルティング会社に対し、以前から知り合いだった近藤弁護士を紹介したということです。その際、元弁護士の百数十人の顧客はそのまま近藤弁護士に引き継がれたということで、警視庁は、複数の弁護士が不正な業務に関与していたとみて実態の解明を進めています。