土曜の夜まで仕事がどうなるか流動的だった。見学校が決まったのは日付が変わって0時過ぎだった。
1校目は船橋市の薬園台高校に行くことにした。3年の普通科クラスはすべて演劇で、装飾や演技のレベルが高いので有名だ。撮影禁止とは案内されてはいないが、狭い教室で左右の人と肩をくっつけながら撮るのは迷惑なので自粛。写真は教室の外壁だけにした。

写真で分かるのは、床から天井まで装飾されていることだ。床は装飾の上に乗ってもはがれないようにビニールに覆われている。厚くて大きいので、おそらく農業用ビニールらしい。園芸科もある高校だから、装飾材料として使いやすかったのだろうか。
私は3年の劇を1つ見る予定だったが、2つ見た。「Cat in the Red Boot」と「The FULLMONTY」の2つだ。セリフが少し聞き取りにくい部分があったとはいえ、つっかえることはなく、安心して見られた。
10年以上前の薬園台は、観客のレベルが高くはなかった。演技中に隣の客と話をする、途中で平気で退出する、詰めて欲しいと言っても詰めないなど演劇を観る観客のレベルが低かったのだ。ところが今は全く違い、実に気分良く劇に集中できた。
正午にアナウンスがあった。現在2100人が入場しているが、安全確保のため入場規制をしている、300人くらい入場を待ってもらっている、とのこと。演劇教室の廊下や近くの階段は、並ぶ人でいっぱいで、3つ先の教室に行くのに2分かかることもあるくらいだ。他にも「演劇教室の間に文化部を入れる」「並ぶ場所を離れたところにして直前に移動する」といった方法もあるが、入場制限も一つの方法だろう。

去年はなかったと記憶しているが、発電機が3台並んでいた。薬園台は3年だけでなく2年も劇なので、電気をたくさん使う。節電対策なのだろうか。

これは宣伝の、のぼり旗。
2つ目の劇も運よくすぐ見れたので、予定が狂った。そこで、終了時刻が16時と遅い浦和高校に向かうことにした。
北浦和駅から徒歩。校門から少し離れたところに、城がそびえたつ。大阪城だ。写真はできる限り全体がわかるよう人が少ない時に撮ったが、実際は城の周りで多くの人が見上げて感心していた。

浦和高校の参加団体は、装飾に凝っているのが特長。80年代は非常に凝った装飾だったが2000年ころは低迷し、ここ数年また向上してきた。ただ昔の凄い時代を知っている物としては厳しい言い方になるが、今年は「まだまだ」だ。

応援団の演技を観た。全員で7人と少数精鋭なので、一人の団員が休む暇なく動き回っていた。
感心したのは、演技の開始が9月11日14時46分、つまり東日本大震災発生からちょうど半年だったので、黙祷から始まったことだ。

応援団は、日ごろから練習しているのがよくわかる。しっかりした演技だった。
今回の浦高で、母親同士の会話を聞いていたら、こんな話をしていた。「うちの子(浦高生だから当然男)は、昨日メルアド聞いた女子に、何てメール送ろうかなんて悩んでて、『しっかりしろ』って言いたくなって・・」
他県の人には分かりにくいが、埼玉では文化祭でナンパするのは、別に不健全なこととはは思われにくい。
《基本的に昔の同級生に久々に会う形になる。片っぱしからナンパすることは、ずいぶん少ない。》 《地元の高校生同志だから、共通の知り合いが多く、冷たい仕打ちで分かれると「あいつは何てひどい奴」と思われる。自然と自制が働く》 《保護者の世代から男子校女子校の文化祭に行くのは自然だった。保護者や世間から理解されやすい》
だから母親が、自分の子にしっかり女子をゲットしろ! というような気持が出てくるのだろう。

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