「土砂崩れダム」の被害想定範囲を拡大、避難所には疲労も |

土砂崩れダム(奈良・十津川村長殿) |
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国土交通省近畿地方整備局は12日、十津川村などにある土砂崩れダムについて、土石流被害の想定範囲が拡大したと発表しました。
奈良県十津川村長殿にできた土砂崩れダムは、決壊した際に土石流の被害が及ぶのは当初、約1km下流までとされていました。
しかし、近畿地方整備局が航空写真による詳細な測量を行ったところ、土砂がより急な角度で積もっていることが分かり、被害の想定を面積で8倍となる約7km下流まで広げると発表しました。
土砂崩れダムの下流・十津川村上野地では避難指示が続いていますが、避難所で夜を過ごす住民は減っているといいます。
昨夜も避難していた男性は「土砂崩れダムは、晴天が続いていても何が原因でどうなるかわからないから避難しているが、毎日来ていた人でも『疲れた』と言って来なくなったりする。晴れが続き、雨で避難しなければと思う状態とは違うから」と話していました。
また、五條市大塔町・赤谷や、和歌山県田辺市・熊野の土砂崩れダムは「夕立程度の雨でも決壊の恐れがある」として、近畿地方整備局は警戒を呼びかけています。
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2011/09/12 19:11
更新) |
十津川村 道路の寸断続く |

ボートで往診にまわる医師たち |
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ボートに乗り込んで、診察に向かう医師たち。
十津川村は日本一広い村にも関わらず医師が3人しかいません。
そのうえ、いたるところで道路が寸断されているため医療が行き届かなくなっているのです。
そこで村では県から2人の医師の派遣を受け、手分けして集落に向かい、住民の健康状態の把握につとめています。
孤立地域に住む村民の中には病院に行けずに薬を切らしてしまったり、体調が悪化しているのに我慢している人も少なくありません。
「ちょっとしんどくても症状を訴えない人が少なくない。隠れて状態が悪い人がいないかどうかが心配な点」(奈良県立病院・神戸大介医師)
懸命の復旧作業により、車で全く行き来できない「孤立地域」は解消されつつありますが、道路にはまだ大雨の爪あとが残されたままです。
そして道路の寸断は子どもたちの生活も一変させました。
十津川村の学校は校区が広いため、通うためにはスクールバスが必要ですが、安全性に不安のある場所が多く、再開のメドが立っていないのです。
直接豪雨の被害を受けていない地域でも、子どもたちは学校に通えていません。
「友達といっぱい遊びたい。読書したい。学校の本とか読みたい」(自宅で待機している子ども)
思うように進まない道路の復旧。
元の生活を取り戻すにはまだまだ、時間がかかりそうです。
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2011/09/12 19:15
更新) |
地域のつながりも分断した豪雨災害 93歳女性が徒歩で避難 |

崖を歩いて避難する93歳の西畑さん |
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紀伊半島を襲った豪雨災害では、地域のつながりも断たれました。
住み慣れた集落を離れることになった93歳の女性を取材しました。
和歌山県那智勝浦町の井関地区にある西山集落。
10数世帯が暮らしていたここにも土石流が襲い、1人が死亡、3人が行方不明となっています。
街につながる唯一の道路も寸断されました。
【西畑康さん】
「みんな出てってね、もう3軒だけ残っている」
西畑康さん、93歳。
浸水被害は免れたものの、電気も水道も途絶えた自宅で一人で生活してきました。
自衛隊が運ぶ水とわずかな食料が頼りです。
西山集落にも避難指示は出されていましたが、この情報も届いていませんでした。
【西畑さん】
「避難指示って聞いてないね?聞いてない。聞いてないっていうより、私、耳が遠いからよう聞かんねん」
【孫の孝さん】
「普段は(川が)チョロチョロしか流れないからね」
【西畑さん】
「大水出て、また崩れたら余計道通れへん…。一旦下におりようかな」
先週木曜日、雨の予報を心配して様子を見に来た孫から二次災害の危険を知らされ、康さんは、70年以上住んできた自宅を離れる事を決めました。
【西畑さん】
「孝来たんでよ井関(地区)まで降りてくよ。」
【集落に残る人】
「段々寂しくなるわ…」
親戚が迎えに来るまで集落に残る人。
支え合って暮らしてきた人たちともお別れです。
【集落に残る人】
「段々みんなおらんようになるわ…本当に辛いよ」
集落に残ることを決めた永井充吉さん(74)が途中まで同行してくれました。
普段は車で10分程度の道のりですが、車が通れない今、1時間半ほど歩かなければなりません。
道なき道を少しずつ…。
93歳の康さんにとって厳しい道のりでしたが無事、ふもとまで辿りつきました。
【西畑さん】
「(よう歩けたのう?)下りやから。のぼりやったらアカン。『今晩、雨が降るから危ない』って皆が言うから」
康さんが一旦、身を寄せた親戚の家は町内の市野々地区にあり、二次災害の危険が残されています。
このため、康さんはさらに遠く離れた和歌山市に住む長女の元へ避難することを決め、11日、長女たちが迎えに来ました。
「落ち着くまでちょっと遊びに行ってくる」康さんはそう言い残して和歌山へと向いました。
一方、西山集落へと続く道は11日、ようやく車が通れるようになりました。
康さんを見送り、集落に残っていた岡崎五月さん(67)も、雨の予報が出た夜だけ避難し、普段は自宅で生活しようと考えています。
【岡崎五月さん】
「みんなまた、一緒に隣近所で住みたいし、お付き合いしたいし…」
西山集落に再び人々が戻って来られるのか…。
豪雨災害は地域のつながりをも寸断しています。
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2011/09/12 19:23
更新) |
日本一短い「ぶつぶつ川」 断水で貴重な水源に |

被災者の救いとなっている「ぶつぶつ川」 |
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今も一部の地域で断水が続く和歌山県那智勝浦町では、日本一短い川として知られる「ぶつぶつ川」が住民たちの生活を支えています。
【伊藤真弘記者リポート】
「この川の長さは私が立っているところまでで13.5m。この日本一短い川が、断水が続く地域の貴重な水源となっています」
那智勝浦町粉白地区にある「ぶつぶつ川」。
フツフツと湧き出ていることから名付けられたこの川は、全長わずか13.5mの日本一短い川として知られています。
水質がよく飲み水としても使えるため、断水が続く地域の大勢の住民たちが水を汲みに訪れています。
【住民】
「飲み水、洗濯、食器洗い。ありとあらゆることに使っている。本当にありがたい」
那智勝浦町内ではまだ2割ほどの住宅で断水、全面復旧のメドは立っておらず、しばらくは日本一短い川が住民たちの生活を支える貴重な水源として活躍しそうです。
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2011/09/12 19:08
更新) |
特捜部の元部長ら 無罪主張 |

大坪弘道被告(左)と佐賀元明被告(右) |
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大阪地方検察庁の元検事による証拠改ざんを隠ぺいしたとされる特捜部の元部長らの初公判が開かれました。
元部長らは、無罪を主張し、古巣の検察と全面対決です。
大阪地検特捜部の元部長・大坪弘道被告(58)と元副部長・佐賀元明被告(50)は、元厚生労働省の村木厚子さんの事件をめぐり、部下で元検事の前田恒彦受刑者が証拠のフロッピーディスクを改ざんしたことを知りながら、これを隠ぺいした犯人隠避の罪に問われています。
12日の法廷で大坪被告は「私がこの法廷に立たされるべき理由はなく、無罪である」、佐賀被告は「前田元検事が証拠を改ざんしたという認識は無かった」と述べて無罪を主張しました。
一方の検察側は「改ざんが表ざたになれば検察全体に悪影響が及ぶことを危惧し、もみ消そうと考えた」と指摘しました。
初公判の後、会見を開いた大坪被告は「正々堂々と戦い抜き失われた私の名誉を回復する所存であります」と話しました。
佐賀被告は、「相当私が悪者だな。私がキーパーソン(と感じた)」と話しました。
元特捜部の幹部が古巣の検察と全面対決することになった裁判は、来年3月末に判決が言い渡される見通しです。
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2011/09/12 19:13
更新) |
豊岡市が和歌山・古座川町へゴミ収集車などを派遣 |
兵庫県豊岡市は台風12号で大きな被害を受けた和歌山県古座川町にゴミ収集車などを派遣しました。
12日、豊岡市から職員10人とゴミ収集車など6台が、台風12号で被害を受けた和歌山県古座川町へ出発しました。豊岡市は、7年前の台風による大水害で膨大なゴミを処理した経験があります。
そこで、豊岡市が古座川町に問い合わたところ、全世帯の3分の1が床上浸水する被害を受け、現在ゴミの処理が困難を極めていることがわかったため、支援することにしたものです。
【派遣される職員】
「瓦礫の後始末、ゴミの撤去の方が、どうしても長期戦になると思うんですけど」
「(7年前の)台風23号の時に、色んな方にお世話になりましたので、恩返しということで一生懸命頑張っていきたいと思う。」
この支援は16日まで続けられるということです。
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2011/09/12 17:54
更新) |
敬老の日を前に |

京都府綾部市 |
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今月19日の敬老の日を前に、京都府綾部市の老人ホームでは、お年寄りのためのこんなサービスが行われました。
クシとハサミを巧みに操る女性たち。
京都府綾部市の老人ホームでは、市内の美容師らが無料でお年寄りの髪を切り、化粧をするサービスが行われました。
このサービスは普段、美容院に行く機会の少ないお年寄りに、オシャレを楽しんでもらおうと毎年、敬老の日が近づくこの時期に行われています。
【お年寄り】「化粧クリームを付けて、あか抜けるんやったら、今まで惜しいことしたわと思って」
仕上がった姿を見たお年寄りたちの表情には、若々しさが戻っていました。
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2011/09/12 15:04
更新) |
和歌山県那智勝浦町で学校再開 |

那智中学校 |
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紀伊半島の豪雨で大きな被害が出た和歌山県那智勝浦町では休校していた小中学校が一校を除いて12日から再開されました。
町立那智中学校では清水雅昭校長(55)が校門に立ち登校してくる生徒一人一人に声をかけました。
この中学校では岩渕紘明さん(15)や中平彩音さん(14)、中平百音さん(13)の三人の死亡が確認されています。
【清水雅昭校長】「一日も早く普通の学校生活に戻さす。このスタイルが亡くなった子供たちにむくいることになると思います」
清水校長は生徒たちに台風による被害状況を説明したうえで、団結してみんなで頑張ろうと伝えたいと話していました。
しかし一方で那智勝浦町では町立市野々小学校のように授業を再開することができない学校もあります。
市野々小学校では校舎の一階部分が土砂や流木で埋まり、2階3階が避難所となっていて被災者が寝泊まりしています。
和歌山県ではこのほかに田辺市や新宮市で小中合わせて6校が授業を再開できていないということです。
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2011/09/12 12:12
更新) |
閉鎖施設を二次避難先として提供 |

グリーンピア南紀(和歌山那智勝浦町) |
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和歌山県那智勝浦町では、自宅を失った被災者の「二次避難先」として、使われなくなった保養施設が提供されています。
町が管理する「グリーンピア南紀」は、8年前に閉鎖された年金保養施設で、自宅を失いこれまで学校の体育館などに避難していた被災者が、二次避難先として荷物を運び入れました。
町によると12日までに、9世帯22人が入居しています。
施設の利用は今のところ3か月間と決められていて、被災者はこの場所から生活の再建を目指します。
井関地区から避難した男性は「板の間の上で寝るより、ベッドがあるところでゆっくりさせてもらって、ありがたい事です」と話していました。
なお那智勝浦町では、行方不明だった中平幸喜さん(45)ら5人の死亡が確認され、12日正午現在死者が22人、行方不明が13人となっています。
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2011/09/12 12:11
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介護疲れで74歳妻が夫を殺害 |

事件があったマンション(大阪市浪速区) |
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11日午後大阪市浪速区で介護の疲れから74歳の夫を殺害したとして74歳の妻が逮捕されました。
11日午後4時ごろ浪速区浪速西2丁目の市営住宅で「家の中からうめき声がする」と、近くの住民から通報がありました。
消防が駆けつけると、この部屋に住む無職の松谷憲一さん(74)が死亡していて、近くに妻が倒れているのが見つかりました。
妻は病院に搬送されましたが、命に別状はなく、その後、松谷さんの首を絞めたと殺害を認めたため、殺人の疑いで逮捕されました。
逮捕された妻のヨシ子容疑者(74)は、3年ほど前から夫の介護をしていて、「介護に疲れた」と話しているということで、警察は、無理心中を図ったとみて捜査をしています。
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2011/09/12 12:10
更新) |
東北応援 チャリティートレイン |
東日本大震災から半年となった11日、京都では電車の運賃の一部を被災地に寄付する、チャリティートレインが運行されました。
この取り組みは京福電鉄や京都に住むミュージシャンなどが企画したもので、乗車料金の一部が東日本大震災の被災地へ、義援金として送られます。
チャリティートレインは四条大宮駅を出発し、約30分間嵐山駅まで運行します。
乗客は列車に揺られながら、東北への想いが込められたミュージシャンの歌声に耳を傾けていました。
乗客の女性は「こういう形での支援もすごい素敵なアイデアで、音楽を聴くことで、私たちも支援に協力ができたらと思って来ました」と話していました。
また嵐山駅前でもチャリティーライブがおこなわれ、集まったチップも被災地に送られるということです。
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2011/09/12 12:11
更新) |