【タイ】埼玉、浄水技術の専門家派遣:水不足の東部で水質改善を指導
NNA 9月13日(火)8時31分配信
埼玉県企業局から派遣された水処理の専門家らがこのほど、東部チョンブリ県で地方水道公団(PWA)への技術支援を開始した。国際協力機構(JICA)の草の根技術協力事業の一環で、第1回目の今回は16日まで滞在し、水処理技術向上に向けた支援を行う。【濱田祐梨子】
支援先は同県バンプラにある第1・第2浄水場で、水道企画課、大久保浄水場、水質管理センターから各1人の技術者が来タイした。埼玉県は日本でもトップクラスの水道用水供給能力を有しており、タイとは1990年にJICA事業を通じ、タイ水道技術訓練センター設立時に職員を派遣するなど協力関係にあったことから、今回の支援を決めた。事業期間は2014年3月までの3年間。
バンプラ浄水場は、周辺住民の生活用水として水道水を供給しているが、乾期になると水源である近くの人造湖の水位が低下し、水不足、水質低下などの問題が出てくるという。
水不足の問題について、水道企画課の野口清隆主査によると、乾期には水源の水量が限られるため、浄水場内での水処理ロス率をいかに下げるかが重要となってくる。埼玉県の場合は0.6%とロス率が低いが、バンプラの場合、正確なデータが不足していることもあり「まず取水量と送水(出荷)量のデータ管理を行う必要がある」と説明した。7日には超音波流量計を用い、送水管から送られる水量の測定方法などをPWAの職員らに説明した。
タイは、水量から水質に至るまで多くのデータをコンピューターで自動管理している日本の一般的な浄水場とは異なり、手動に頼っている部分が多いため、「現状に合った指導が必要」だが、一方で、「将来の設備更新、新しい浄水場建設などの際に、参考にしてもらえるよう日本の先端技術も紹介する」。11月には将来PWAの運営を担う人材を埼玉県に呼び、オゾン、生物活性炭層を用いた高度浄水処理技術の紹介など各種研修を実施する予定だ。
■海外水ビジネスに期待
チョンブリ県では現在、埼玉県の企業で、水処理・脱臭・汚泥関連プラントなど水処理から環境浄化にわたる製品・システムを手がける前澤工業が、タイでの水供給の事業化に向け取り組んでいる。同社と埼玉県企業局は相互協力に向け、今年6月に連携協定を締結している。
野口主査は「日本の浄水場などは維持・管理の段階になっており、建設の発注数は減っている。その中で産業振興の観点から、官民連携して水ビジネスの海外展開を推進していきたい」と述べた。
前澤工業は昨年度、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が取り組む「省水型・環境調和型水循環プロジェクト」のうち、タイでの水資源管理技術の展開に向けた実証研究を受注し、実施した実績を持つ。
支援先は同県バンプラにある第1・第2浄水場で、水道企画課、大久保浄水場、水質管理センターから各1人の技術者が来タイした。埼玉県は日本でもトップクラスの水道用水供給能力を有しており、タイとは1990年にJICA事業を通じ、タイ水道技術訓練センター設立時に職員を派遣するなど協力関係にあったことから、今回の支援を決めた。事業期間は2014年3月までの3年間。
バンプラ浄水場は、周辺住民の生活用水として水道水を供給しているが、乾期になると水源である近くの人造湖の水位が低下し、水不足、水質低下などの問題が出てくるという。
水不足の問題について、水道企画課の野口清隆主査によると、乾期には水源の水量が限られるため、浄水場内での水処理ロス率をいかに下げるかが重要となってくる。埼玉県の場合は0.6%とロス率が低いが、バンプラの場合、正確なデータが不足していることもあり「まず取水量と送水(出荷)量のデータ管理を行う必要がある」と説明した。7日には超音波流量計を用い、送水管から送られる水量の測定方法などをPWAの職員らに説明した。
タイは、水量から水質に至るまで多くのデータをコンピューターで自動管理している日本の一般的な浄水場とは異なり、手動に頼っている部分が多いため、「現状に合った指導が必要」だが、一方で、「将来の設備更新、新しい浄水場建設などの際に、参考にしてもらえるよう日本の先端技術も紹介する」。11月には将来PWAの運営を担う人材を埼玉県に呼び、オゾン、生物活性炭層を用いた高度浄水処理技術の紹介など各種研修を実施する予定だ。
■海外水ビジネスに期待
チョンブリ県では現在、埼玉県の企業で、水処理・脱臭・汚泥関連プラントなど水処理から環境浄化にわたる製品・システムを手がける前澤工業が、タイでの水供給の事業化に向け取り組んでいる。同社と埼玉県企業局は相互協力に向け、今年6月に連携協定を締結している。
野口主査は「日本の浄水場などは維持・管理の段階になっており、建設の発注数は減っている。その中で産業振興の観点から、官民連携して水ビジネスの海外展開を推進していきたい」と述べた。
前澤工業は昨年度、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が取り組む「省水型・環境調和型水循環プロジェクト」のうち、タイでの水資源管理技術の展開に向けた実証研究を受注し、実施した実績を持つ。
最終更新:9月13日(火)8時31分