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[政治]ニュース トピック:主張
【主張】枝野経産相 空洞化を阻止できるのか
2011.9.13 03:05
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失言問題で辞任した鉢呂吉雄前経済産業相の後任に、枝野幸男前官房長官が起用された。
枝野氏は菅直人前内閣の要として東日本大震災や福島原発事故の対応に当たっており、野田佳彦首相はその実務能力を買ったのだろう。
旧社会党グループに属し岡田克也前幹事長に近い鉢呂氏を起用したことは、党内融和を優先した人事といえるが、さすがにその路線はとらなかった。日本が抱えている内外の懸案を考えれば、内向きの派閥均衡政治は通用しない。
問題は、野田首相が提唱する産業空洞化阻止や経済成長を枝野氏が率先して実行できるかどうか疑問を持たざるを得ないことだ。
まず、枝野氏は「人災」をもたらした菅前首相を最も近くで支え、復旧・復興の遅れに対する責任を共有している。これに加え、懸念されるのは原子力政策だ。
菅前首相が場当たり的に掲げた「脱原発」路線や原発輸出方針の見直しについて、枝野氏は「首相個人の見解」などと軌道修正する発言も行ってきた。だが、現実に電力危機を招き、原発再稼働の遅れが空洞化を加速している。野田首相は原子力安全庁が発足する来年4月より早い再稼働を検討しており、その具体化を枝野氏は実行できるのか。
また、空洞化から脱却するための成長戦略の実現などに向けて、枝野氏が政府と経済界との良好な関係を築けるかどうかである。
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