2011-09-12 輪るピングドラム
友人がボヤいている。
「ネットにおける作品への必要以上の誹謗が見るに耐えない、何故そんなことをするのだろう」と、心を痛めているようだった。
話を聞くに、まあ今、少女革命ウテナ(俺は見たことない)の監督(だったか)が作ってる「輪るピングドラム」というアニメが放映されているのだが、
これに関してファンの感想が割れているそうなのだ。
友人は言う。「脇役の恋愛コメディーに費やされる数話がつまらないという感想や謗りを見かけるが、作品は必ずしも『ストーリーの流れ全体』で見る必要はない、『点的に楽しむ』ということもあり得るし、私はそうして楽しんでいる。無論そのような楽しみを誰にも強制することは出来ないが、ストーリーで楽しめないからダメだというのも狭量ではないのか」。そうやって怒っていた。
ふうむ、興味深い話だ。
かくいう私も友人に薦められてこの作品に目を通しているが、正直特に魅力を感じないし面白いと思わない。OPは素晴らしいと思うので、OPだけ見ていればいいんじゃないか、と思う程度だ。
別に批評したい訳ではないが、話の主軸と現在の騒動の関係が全くつかめず、またキャラクター達の能力と現状把握が伝わっていないので、何がなんだか判らないといった状態だ。
そー作ってあるのだから、それが狙いなんだろう。
一話ごとのコメディータッチな描写も別段魅力を感じないし、逆にどうにもスベっているように思われる。
従って、興味のある人は惹かれるだろうが、興味のない人を引き込むようには出来ていない作品なんじゃねえかとは思わないでもない。
つまらない批評だ。
しかし、アニメは別にいい。仮にその作品が一つポシャッても、それでその作者の物語の寿命が変わったりジャンルが滅亡したりする訳ではないのだから。
少年漫画なんか見てみろ。毎週毎週必ず見せ場を用意するように作られている。つまり、「大きな流れ」の中で「テンションを下げねばならない」ところが出ても、なおそこを「毎週面白く」読ませる為に、試行錯誤している。
仮にそれが出来ないと、ローテンションの所で人気がガタ落ちしたりするし、毎週読んでいるこちらのテンションが下がるということもある。それが作品の寿命そのものを縮めることにもつながる。アニメにはそれが(一応)ない。一応は規定クール分の放映プランが約束されている(多分)。
また、読者に関しても、様々な配慮がある。「前から読んでいる人には話がわかる」のは当たり前で、更には「途中から読んだ人でも話の筋が大体わかる」(←ねおぢおさんなんか、毎回必ず自己紹介に1コマ使うじゃないか。あれだね)とか「その途中の話を見てその作品全体に引き込まれる」ということも配慮して作られている。結構多重の配慮がなされているものなのだ。
更にはゲーセンSTGなんか見てみろ。3面まで遊んだらやっと面白くナリマスヨ的なゲームは基本ダメだ。1面から面白く作らないといけないし、全面通してもちゃんとテンションを吊り上げていかなくてはならない。また、何も知らない人でも1プレイでそれなりの手ごたえや興味関心を感受するようでないといけないし、そのように配慮してゲームに手を加えていかないといけない。
しかも問題は、一つの作品がコケると、ゲーセンでの次回STG入荷の確率がガンと下がることだ。一作品がジャンル存亡の危機を左右する確率がとても高い。今ではそんなことを言うことすらナンセンスになっているような状態だ。
アニメではこれがない。アニメでは「こんなクソアニメ作ってると次にアニメが出なくなるぞ」ということはない。だが、「ファンが減るぞ」もしくは「味オンチなファンを増やすぞ」的な危機感を覚える人が、謗ったりするのかもしれん。いや、いちいちそんな動機がなくても、端的に「つまんねーよ」と言いたくなることはあるだろう。
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価値観は色々ある。
それは認められて良いと思う。
だが、「色々な価値観を持つお客さんがいるとして、より多くの人を作品にひきつけ、作品から脱落する人を少なくするように作品を作る」というのは、配慮に値する十分普遍的な規律なんじゃあないだろうか。
そして、そういうところを配慮を欠く作品なら、それは十分に批判に値するのではないか、と私は思う。
それでもなおその作品に魅力を感じる、というのなら、その魅力をちゃんと保持していればいいだけの話だ。批判は覚悟の上の愛着ならば、それでいいじゃあないか。
それをネット上の批判にいちいち腹を立てるなんて、自分から便所に入って臭いをかいで「臭い臭い」と不満がってるみたいで、どうにも馬鹿げた苦労を背負っているように見えてしまう。
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そう思わされた。
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「この世の趣味趣向に関する言説、作品の感想や良し悪しに関する言説は、全て正当に認められるべきである」というのが私の考えだ。
但しこれには、「その言説には一定の前提条件が必ず存在する」「その言説が正しいのはその人の持つ前提条件込みの話である」という条件が付け加わる。
その前提条件の上で内容が無矛盾ならば、その言説は認められて良いと思う。
また、前提条件が変われば感想も変わってくる。それは普通のことだし、そうやって言説が多層的になっていくのだろう。
私が作品に対して持つ色々な感想も、私の持つ前提条件が変われば変わっていくものだ、といつも思っているし、私の前提を共有しない人にまで適応できるものではないと思う。ピンドラに関する感想もそうだろう。ウテナが好きな人がこの作品を楽しむことにまでケチつける気はしないよ。それに、私もいつ何かに目覚めて特定の作品を偏愛するようになるか、わかったものじゃあない。
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逆に、
1・「互いの前提条件を無視して自分の言説を振りかざして自分が正しいと決め付け、相手に説教食らわせる」
2・「特定の前提条件内で言動が矛盾していて、言ってることとやってることが真逆を向いている」
こういう時は私は結構ガリガリに腹を立てる。
蒸し返すようで悪いが、例えば●●が●●と言っておきながら●●みたいな●●を●●していたりする、こういう状況には怒ってしまう訳なのだ。
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ビッグファイター
わんこゲー |
昨日トラタワにあったビッグファイターというゲームを遊んでみた。
自機は通常は前方ショットの飛行機形態で、Bを押すと全方位に砲身を向け変えて攻撃できるロボモードに変形する。変形の際は周囲に攻撃判定が発生する。
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前方に強い飛行機と、方向を向きかえられるが操作がその分面倒くさいロボ、この使い分けだけでSTGって十分に成り立つんじゃあねえの、と思わされた。
また、面をクリアするとオペレーターのお姉さんが暗闇から立ち現れるのだが、その皮膚の色がだんだんと色味を帯びて丁度良い肌色になったかと思いきや、更にもう二、三歩変色して黄胆のようなギドギドのド黄色に変色してから喋りだすのでたまげた。これ何が原因じゃんじゃい。
4面で終わった。
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トラタワには東方の格闘や東方STGも稼動している。やったことねーから今度やってみよう。
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ミカド。カラス、シールド鍛えないプレイ。3ボス第一形態は放置でやり過ごし、第二形態を戦ってみたらやっぱ死んだ。
放置プレイは基本的に嫌いだ。やっても面白くないから。
だが、放置プレイは「それとして意識して遊ぶ」と結構面白かったりもする。ふーむ。