JR九州は12日、九州新幹線鹿児島ルート全線開通後半年(3月12日-9月11日)の利用実績を発表した。博多-熊本の利用者は前年同期の在来線特急より38%増の450万人で、夏場が好調で当初3カ月間の伸び率より上昇したものの、目標の40%増には届かなかった。熊本-鹿児島中央は好調を維持しており、唐池恒二社長は2012年度にも民営化後初めて鉄道事業が黒字転換できるとの見通しを示した。
JR九州によると、博多-熊本は東日本大震災の影響などで当初3カ月間が35%増にとどまった。夏休み期間の7-8月は43-46%増と伸びたが、9月に入り台風などで失速した。一方、熊本-鹿児島中央の半年の利用者は同64%増の260万3千人。関西などからの観光客が増え、8月が77%増と大きく増えた。
唐池社長は「9月以降の予約状況を見ると、博多-熊本でも通年で40%増の目標は達成できる」と説明。12年度以降は新幹線車両の減価償却負担が軽減され、人件費削減も進むため「12年度か13年度には(10年度に約122億円の営業赤字だった)鉄道事業を黒字化できるだろう」と語った。
また、唐池社長は利用が低迷している博多駅の近距離区間で、新たな割引切符を近く発売する方針を重ねて表明。新大阪との直通運転についても「増やしていきたい」と意欲を示した。
=2011/09/13付 西日本新聞朝刊=