抗議に来た日本の経済官僚を黙らせた一言とは

「これは不当な行為じゃないですか」

「輸出入銀行でもやっていることです」

「…」

 これは最近、政府の果川庁舎を訪問した日本の経済官僚と韓国の経済官僚との間で交わされた会話の内容です。ここで不当な行為だと抗議したのは日本の官僚で、これに反論したのは韓国の官僚でした。では、一体どのような状況だったのでしょうか。

 対話のテーマは他でもない「銀行税」についてでした。正式には「外貨健全性負担金」と呼ばれ、各銀行の外国債に付与される税金のことです。負債の満期によって金額の0.02-0.2%を税金として支払います。100万ドルの負債があった場合、200-2000ドルの税金を支払うことになります。この税金は、そもそも外貨建ての借り入れをしようとする銀行の行為に歯止めを掛けるために導入されました。こうした外貨建ての借り入れには多くの副作用が伴います。まず銀行が外貨建ての借り入れを増やせば、国内における外貨供給が大幅に増えるため、為替レートはウォン高に振れてしまいます。これは輸出競争力を低下させる要因となります。

 さらに大きな問題は、こうして国内に入ってきた外貨が一度に海外に流出してしまう場合です。そうなると外貨が一気に不足し、最悪の場合は通貨危機にまで発展する恐れがあるからです。2008年に発生した世界的金融危機の際は、この一歩手前まで行きました。今後こうした状況に陥らないために、韓国政府は銀行による外貨建ての借り入れに対し、今年8月1日から銀行税を賦課することにしたのです。銀行税には例外がありません。韓国国内の銀行はもちろんのこと、国内に支店を置く外資系の銀行にも賦課されます。銀行にとっては当然の負担となるわけです。特に韓国国内での資金調達が厳しい外資系の銀行は、本国で外国債を発行して資金を持ち込むようになります。そのため相対的に見ると、負担が大きくなるほかない構造です。

 日本の官僚は、この点を問題視しました。営業の特殊性を考慮して外資系の銀行には銀行税を賦課しないか、賦課する場合は税率を引き下げるといった方法で対処すべきだというのです。しかし、これに対する政府の回答は明快でした。なんと輸出入銀行を例に挙げたのです。輸出入銀行は海外から外貨建ての資金を持ち込み、国内企業に供給する役目を担っています。資産の80%以上が外貨建てであるため、海外依存度は著しく高いのです。

 韓国政府は「輸出入銀行でも銀行税を支払っているのに、なぜ外資系銀行にだけ例外を認めなければならないのか」と主張したとのことです。

 実際に、銀行税は外資系銀行をターゲットに導入されました。外貨建ての大量借り入れが主に外資系銀行を通じて行われていたためです。こうした状況である以上、日本の官僚が例外を要求したところで、受け入れられるわけがないのです。銀行税が導入目的に沿って正当に運営され、これ以上、外貨建ての借り入れに伴う不安が生じないことを願うばかりです。

パク・ユヨン記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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