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鉢呂経産相:福島原発周辺自治体の首長「あきれて…」

野田佳彦首相(左)と共に福島入りし放射線量の高い地域の除染について説明を受ける鉢呂吉雄経産相(中央)=福島県伊達市霊山町の下小国中央集会所で2011年9月8日、小林努撮影
野田佳彦首相(左)と共に福島入りし放射線量の高い地域の除染について説明を受ける鉢呂吉雄経産相(中央)=福島県伊達市霊山町の下小国中央集会所で2011年9月8日、小林努撮影

 「被災者を侮辱している」「首相にも任命責任がある」。鉢呂吉雄経済産業相の言動は、東京電力福島第1原発周辺自治体の首長らの間にも波紋を広げている。多くは第1原発視察後の意見交換会で本人と顔を合わせていただけに、批判や失望の声が相次いだ。

 第1原発から20キロ圏内の警戒区域にあり、全町避難を強いられている富岡町の遠藤勝也町長は「古里に戻れず苦しんでいる人たちを侮辱するような発言を原発の所管大臣がするとは、あきれてものも言えない。野田首相にも任命責任がある」と憤る。

 一部が警戒区域や緊急時避難準備区域に指定されている田村市の冨塚宥※(ゆうけい)市長は「被災者は子供がいたり、体が弱かったり、仕事が見つからなかったり、それぞれが悩みを抱えている。厳しい生活を強いられている人の気持ちが分からないから、こういう言動を繰り返すのだろう」と、被災者の現状への理解不足がこうした発言につながったと指摘する。

 新内閣への期待を裏切られ、失望感をにじませる首長もいた。

 大熊町の渡辺利綱町長は「8日の第1原発視察後の地元首長との会談で、内閣として復興に取り組む決意を聞いていただけに、非常に残念」。

 山田基星・広野町長は「放射能に関しては、冗談でも言ってはいけないことで、本当に悔しい。8日に野田首相とも会談し、ようやくちょっと期待できるかなと思っていたところだったのに」と嘆いた。【田中裕之、袴田貴行、福永方人】

※日ヘンに景

毎日新聞 2011年9月10日 11時50分(最終更新 9月10日 22時33分)

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