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電力制限令:9日で全面解除 9月末まで自主節電呼びかけ

 夏場の電力不足に備え、東京電力と東北電力管内の企業など大口需要者向けに政府が発動していた電力使用制限令は9日午後8時に全面解除された。東電管内では当初、制限令の解除を22日としていたが、暑さが峠を越し、電力需給に余裕が生じたため、前倒しで解除した。ただ、経済産業省は「残暑が戻る可能性もある」として、制限令の対象外の家庭とともに9月末まで自主的な節電を呼びかけている。

 制限令は7月1日に発動され、ピーク時使用量について昨夏比15%削減を義務付けた。企業や家庭の節電努力で計画停電は回避されたが、企業が生産調整を強いられるなど負担もかかった。鉢呂吉雄経産相は9日午後の会見で「若干供給力が不足した可能性があるので、(制限令は)やむを得ない措置だった」と説明した。東電は「節電へのご理解に心から感謝申し上げたい」との西沢俊夫社長のコメントを発表した。

 全国で定期検査中の原発が再稼働しない場合、今冬以降も電力需給が逼迫(ひっぱく)するのは確実。鉢呂経産相は今冬について「使用制限令は極力回避しながら節電努力はお願いする」と述べた。【和田憲二】

 ◇鉄道は通常ダイヤに

 電力使用制限令の解除に伴い、JR東日本や東京メトロ、首都圏の私鉄各社は通常ダイヤに戻す。

 JR東日本はこれまで正午から午後3時までの運行本数を減らしてきたが、週明けの12日から従来の本数に戻す。土日はこれまでも通常運行していた。東京メトロは10日から通常の運行に戻すほか、週末だけ通常ダイヤだった西武鉄道も12日から平日でも通常運行を始める。小田急電鉄や京王電鉄も12日以降、一部取りやめていた列車の運行を再開する。

 ただ、各社とも駅構内や車内の照明の一部取り外しなど節電対策は継続する。JR東日本の担当者は「今後も厳しい電力需給が予想され、電力削減の取り組みは続ける」と話している。【川上晃弘】

毎日新聞 2011年9月9日 22時00分(最終更新 9月9日 22時06分)

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