この秋、人工衛星の破片が空から降ってくるかもしれない。そして世界のだれかに当たる確率は3200分の1――米航空宇宙局(NASA)は9日、大気圏への落下が見込まれる人工衛星について「注意報」を発表した。
1991年に打ち上げられた大気観測衛星「UARS」(約6トン)で、2005年に運用を終え、現在は高度約250キロ付近を漂っている。高度は徐々に下がっており、9月下旬から10月上旬にかけて、大気圏に突入する見通しだ。
軌道の角度からみて、破片が落ちるのは赤道を挟んだ北緯57度〜南緯57度の間で、日本を含む世界の広い範囲が対象地域になる。
試算では大部分は燃え尽きるが、26個の金属破片(計532キロ)が800キロ四方の範囲に落ちる。この一つが、世界のだれかに当たる確率は3200分の1で、「自分に当たる確率」にすると、21兆分の1になるという。記者会見したNASAの研究者は「破片が有害である可能性はほとんどないが、絶対にさわらないで」と呼びかけた。