鉢呂吉雄経産相=武市公孝撮影
鉢呂吉雄経済産業相は4日のNHKの討論番組で、定期検査などで停止した原発の再稼働について「安全評価(ストレステスト)の結果を国際原子力機関(IAEA)に再チェックしてもらうことも含めて、立地自治体の住民の理解を得る作業を丁寧に行う」との方針を示した。
原発再稼働に絡んでは、菅前政権がストレステストで安全性を確認した上で、首相と経産相や原発事故担当相ら関係閣僚が最終的に再稼働の可否を判断する方針を決定。しかし、最終判断の具体的な基準は示されていない。福島第1原発事故の深刻化で立地自治体や住民に不安が広がる中、鉢呂経産相は安全性を担保する措置としてIAEAのお墨付きを得る案を示したものと見られる。
また、鉢呂経産相は中期的なエネルギー基本計画の策定に絡んで、従来は非公開としていた経産省の総合資源エネルギー調査会での議論を公開する意向を表明。番組終了後、記者団に対して「これまでの原子力政策に批判的な方も含めて大胆に(調査会の)人選を見直す」とも述べた。
一方、鉢呂経産相は同日のフジテレビの番組で、すべての関税を原則撤廃する環太平洋パートナーシップ協定(TPP)への日本の参加の是非について「できるだけ(議論を)急ぐことは確かだが、(米国など参加予定国が大枠合意を目指す)11月が本当のタイムリミットかどうか」と指摘、慎重に議論する考えを示した。【和田憲二】