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野田内閣:TPP 「農水族」大臣、調整難しく

経産相就任が決まり、皇居での認証式を前に首相官邸に入る鉢呂吉雄氏=2011年9月2日午後2時6分、手塚耕一郎撮影
経産相就任が決まり、皇居での認証式を前に首相官邸に入る鉢呂吉雄氏=2011年9月2日午後2時6分、手塚耕一郎撮影

 自由貿易協定「環太平洋パートナーシップ協定(TPP)」への参加をめぐる議論は通商政策の焦点だが、けん引役となるはずの経済産業相に就任した鉢呂吉雄氏は農協出身で衆院農林水産委員長も務めた「農水族」だ。野田首相は経済連携の推進に前向きだが、TPP参加に慎重な鹿野道彦農相も再任。各閣僚の就任会見では、慎重論が相次いだ。

 鉢呂経産相は「震災が農業に大きな打撃を与えたことを含め、総合的に検討して結論を得る」と強調。TPP推進を求める産業界だけでなく、参加に慎重な農業団体などにも配慮する姿勢を示した。鉢呂氏は地元農協に20年近く勤め、当選後は民主党農林水産部会長などを歴任。経産省からは「典型的な『農水族』議員。TPP参加のハードルは上がった」(幹部)とのため息も漏れた。

 また、一川保夫防衛相も「被災地の農業、農村をしっかりと再生させることも非常に重要で、冷静に議論できる状況ではない」と指摘。平野達男復興担当相も「国難という状況の中で国論を二分するような大きなテーマを議論する段階ではない」と述べた。民主党代表選の決選投票で鹿野グループの支持が野田氏の勝因となったこともあり、農水省には「再任でTPP参加論には歯止めがかかる」(幹部)との期待感も広がる。【行友弥、西田進一郎、和田憲二】

毎日新聞 2011年9月2日 19時13分(最終更新 9月3日 0時49分)

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