民間シンクタンク「ブランド総研」(東京都港区)は7日、各都道府県の「地域ブランド力」をランキング化した今年のインターネット調査の結果を発表した。茨城県の「魅力度」は、調査を始めた09年以来3年連続で全国最下位だった。ただ、消費者がニュースなどを通して県の情報にどの程度触れたかを示す「情報接触度」は昨年の31位から14位と急上昇。県は「広報戦略が功を奏した。来年こそは最下位脱出」と自信を深めている。
同調査は、7月1~14日、全国の20~60代の男女を対象に、47都道府県と全国1000市区町村についてそれぞれ「魅力度」「情報接触度」など計67項目をインターネットで調査。3万537人から得た回答結果を数値化した。
都道府県の調査結果では、「魅力度」のトップ3は前年、前々年と同じで、1位=北海道(70・7ポイント)▽2位=京都府(53・4ポイント)▽3位=沖縄県(50・3ポイント)。著名な観光地を抱える地域が独占する傾向がある。47位の茨城県は7・2ポイントにとどまった。
今回順位を大きく上げた「情報接触度」について、ブランド総研の担当者は「原発事故に伴い、出荷停止措置や風評被害を受けた農水産物のニュースが多かったのが一因では」と分析した。一方、県広報戦略室の根本博文室長は、茨城空港で今年3月に行われた韓流スター、チャン・グンソクさん主演の映画「きみはペット」の制作記者会見に、全国から3000人のファンが詰めかけたことなどを挙げ、「映画を通じて茨城の認知度は高まっている」と強調。今後も、同映画や水戸市内にオープンロケセットがある映画「桜田門外ノ変」の売り込みを強化する考えを示した。【大久保陽一】
毎日新聞 2011年9月8日 地方版