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衛星の破片、落ちるかも 人に当たる確率3200分の1

2011年9月10日17時57分

写真拡大落下が見込まれる大気観測衛星UARSのイメージ図。重さは約6トンある=NASA提供

写真拡大落下してくる大気観測衛星「UARS」=NASA提供

 この秋、人工衛星の破片が空から降ってくるかもしれない。そして世界のだれかに当たる確率は3200分の1――米航空宇宙局(NASA)は9日、大気圏への落下が見込まれる人工衛星について「注意報」を発表した。

 1991年に打ち上げられた大気観測衛星「UARS」(約6トン)で、2005年に運用を終え、現在は高度約250キロ付近を漂っている。高度は徐々に下がっており、9月下旬から10月上旬にかけて、大気圏に突入する見通しだ。

 軌道の角度からみて、破片が落ちるのは赤道を挟んだ北緯57度〜南緯57度の間で、日本を含む世界の広い範囲が対象地域になる。

 試算では大部分は燃え尽きるが、26個の金属破片(計532キロ)が800キロ四方の範囲に落ちる。この一つが、世界のだれかに当たる確率は3200分の1で、「自分に当たる確率」にすると、21兆分の1になるという。記者会見したNASAの研究者は「破片が有害である可能性はほとんどないが、絶対にさわらないで」と呼びかけた。

 過去には、01年にロシアの宇宙ステーション「ミール」(約130トン)が大気圏に突入した例があるが、「人工衛星の破片でけが人が出た例はこれまで確認されていない」という。

 現在は落下した人工衛星で人的被害が出るリスクを1万分の1以下に抑える基準があるが、今回は基準以前のものだという。NASAは落下の数日前から予報を出す予定だが、大気圏に突入後でないと詳しい落下地域はわからないとしている。(ワシントン=行方史郎)

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