東日本大震災から半年を機に、毎日新聞が発生1、2、3カ月の時点でアンケートした被災者100人に現状を聞いたところ、取材に応じた73人のほぼ半数(34人)が「心身の調子を崩している」と訴えた。同様の回答が4割弱(86人中33人)だった3カ月時点より悪化。地元の復興を「難しい」と考える人が「復興できる」と考える人を初めて上回るなど、悲観的な見方も広がっている。生計のめどが立った人は増えているものの、なお4人に1人は立っていない。
調査は8月27日~9月6日に実施。100人中27人は連絡が取れなくなるなどしたが、岩手30人▽宮城23人▽福島12人▽福島から県外避難した8人(県内に戻った人を含む)--から回答を得た。
何らかの心身の不調がある人は、岩手(11人)と福島(5人)は約4割。宮城(13人)と福島からの県外避難者(5人)は約6割に上る。具体的な症状は「眠れない」が9人、「高血圧」が6人で、「PTSD(心的外傷後ストレス障害)の診断を受けた」という人もいる。時間の経過とともに復調するのではなく、むしろストレスが高じるなどし、体調不良が顕在化してきているとみられる。「原因不明の発疹」「食欲がなく吐いてしまう」などの症状もあった。
地元の復興は6割近い41人が「難しい」と回答。「復興できる」とした人は4割(31人)にとどまった。原発事故があった福島では12人中11人が「難しい」と見ている。
余震や津波、原発事故の再発が「かなり不安」と回答した人は30人と4割を占め、3カ月時点の3割弱(86人中23人)から急増した。今も余震活動が活発なことから、不安が高まったとみられる。
生計は4割(29人)が「めどは立っている」、3割強(25人)が「落ち着き先が決まれば、何とかなりそうだ」と答えた。本人や生計を支えていた家族が休業中の人は1割(7人)で、2割だった3カ月時点より改善した。当座の生活資金が「十分ある」「ある程度ある」と答えた人も計7割(51人)と、計6割だった3カ月時点より改善した。だが、3割はいまだに生活資金不足にあえいでいる。
過半数の38人が仮設住宅に入っており、賃貸住宅で暮らす人が2割、自宅に戻っている人が1割。過半数が避難所暮らしだった3カ月時点とは、住環境が大きく変化した。【まとめ・加藤隆寛】
毎日新聞 2011年9月10日 18時55分(最終更新 9月10日 20時01分)