東日本大震災は11日、発生から半年を迎える。10日現在の警察庁のまとめによると、死者は自然災害で戦後最悪の1万5781人。津波被害の大きさを物語るように、今なお4086人が行方不明のままだ。被災者の避難先は全都道府県に広がり、8万2945人が避難生活を続ける。東京電力福島第1原発事故は収束せず、津波被害地の復興も遅れ、被災者は今も苦しい生活を強いられている。
被害の大きい3県の死者は、岩手4656人、宮城9456人、福島1603人。発見された遺体の7%は身元が分かっていない。
行方不明者は岩手1692人、宮城2149人、福島241人。3県では9日時点で計460人の警察官が捜索に当たるが、時間の経過とともに困難さを増している。遺体発見は7月133人、8月105人で、9月は8日までで23人だった。
法務省は6月、行方不明者の死亡届に関する家族の負担を軽減するため、受理要件を緩和した。各地の法務局によると、2日現在で岩手1429人、宮城1630人、福島191人の計3250人の死亡届が受理され、行方不明者の約8割にあたる。
岩手県大槌町の里舘園子さん(73)は7月下旬、津波で行方不明の夫(当時77歳)の死亡届を出した。「葬儀も出して一区切りと思ったが、紙を出すことで実感がわいて悲しかった。今も毎朝、写真の前で手を合わせると涙が出る」と話した。【北村和巳、鮎川耕史、神足俊輔】
毎日新聞 2011年9月10日 20時55分(最終更新 9月10日 22時36分)