2011年9月5日10時14分
花ざかりの女性アイドルシーンはこの夏、大いに盛り上がった。次々に現れる新星との出会いの場が広がっている。
■お姉さま系から小中学生グループ、一堂に
8月27、28の両日、東京のお台場のフジテレビ湾岸スタジオで開かれた「TOKYO IDOL FESTIVAL2011」。出演したのは57組397人。昨年に続き2回目となった、国内最大級のアイドルフェスティバルだ。
「ブレーク間近のアイドルの博覧会」をうたい、屋内のメーンステージのほか、スタジオ屋上や無料エリアの芝生広場などに計6ステージを設置。両日でのべ約1万人の観客が、会場をせわしなく回っていた。
伸び盛りの注目株として、観客が詰めかけたのは「ぱすぽ☆」「東京女子流」「SUPER☆GiRLS」など。一方、中堅格の「アイドリング!!!」「バニラビーンズ」らも安定したパフォーマンスで盛り上げ、現在のアイドルシーンの層の厚さを感じさせた。
さらには、地方で活動するグループや、デビュー前の「予備軍」、セクシーなお姉さま系から小中学生のグループまで一堂に会し、「アイドル」の概念が拡散する現状を示した。
総合プロデューサーでフジテレビクリエイティブ事業局の門澤清太さんは「アイドルファンは一途なひとが多いけれど、好きな対象が変わっていくのも青春の常。新しく応援したくなるアイドルを発見できる場にしたかった」と話す。
AKB48が大ブレークしているが、今後もアイドルブームが続くには、「『アイドル戦国時代』と勝ち負けをあおるような声もあるが、多様な選択肢が必要だ」と門澤さん。実績あるアイドルが司会を務め、若手を紹介するステージを設けるなど、全体の底上げをはかる試みが目についた。
今のアイドル戦略に欠かせない握手会も、握手券の付くCDやグッズ売り場のすぐ近くに専用スペースが設けられた。1日3回ステージに立ち、その合間に、立ちっぱなしで握手に応じる人気グループも。アイドルには並々ならぬタフさも要るようだ。
■アキバには専用劇場、握手も
「現場」が何より重視される中、新進アイドルが連日出演する会場もできた。
東京・秋葉原のソフト専門店「アキバ☆ソフマップ1号店」の8階に7月にオープンした、アイドル専用のライブスペース「マップ劇場」だ。収容人数は180人。連日、アイドル目当ての観客が詰めかけている。曜日ごとのレギュラー制をとり、2〜3カ月の周期で出演する。これまでに東京女子流や風男塾らが登場した。
イベントスペースでなくチケット料金をとるが、ソフト販売店にあるため、公演後に握手会も開く。
運営するCSのアイドル専門チャンネル制作会社「つくばテレビ」の長谷川草太さんは「ブレーク前の今から推せるアイドルをここに来れば発見でき、成長も見られる場所を目指す」と話す。(宮本茂頼)