タワレコでお安く(1000円)売っていたDVDを購入。
全編通して「地球人とエイリアン分かり合ってねえよ(´・ω・`)ショボン」な話。
このお話のエイリアンは圧倒的な科学力で人類を制圧! なんてことはせず、宇宙船のトラブルで地球にたどり着いた難民という位置づけなのです。
しかも漂着した場所は南アフリカのヨハネスブルク。
浮遊し続ける宇宙船から衰弱状態で救助されたエイリアンたちは地球で生活することになります。
地球サイドは彼らを「第9地区」に隔離し、積極的な交流は20年間避け続けていた様子なのですが、地元地球人とのトラブルも相次いでいたようで地球サイドはエイリアンたちをさらに遠方の「第10地区」へ移転させることを決定。
立ち退き交渉にあたるのは地元企業・MNUの担当職員ヴィカス。交渉のために第9地区に立ち入った彼は、エイリアン宅で謎の液体を浴びてしまったことから恐ろしい運命に見舞われることに……。
はいここからどんどん重大なネタバレしますよー。
ヴィカスの体が徐々にエイリアン化します。
宇宙船の燃料になる液体がどうして体を変化させる作用になるのかはめっちゃ謎ですが。
まあエイリアン化したことで彼は地球人からもはやヒトとして扱われず「貴重なサンプル」として追われることになります。
地球人の地元犯罪組織からも「お前を食べればエイリアンの武器が使えるようになる」と狙われる有様。
奥さんが不憫でならないよ。
DVDに収録されていた未公開映像によると、彼らエイリアンは上層部が何らかの原因で全滅した生き残りの下等種族ではないかとの見解が示されています。
また雌雄同体で子供は任意に卵で産めるらしい(ふと「第5惑星」を思い出したり)。
それでも分かり合う努力はするべきだったと思うんだけどなあ。
見た目がどうにもクリーチャーだったり生肉食べたりキャットフード大好きだったりするけど。
あと一応言語の研究はされていたらしく、お互い地球語とエイリアン語でしゃべってました(吹き替え版は未見)。
PG12に指定されるだけあって、やめたげてよお! なシーン。
・ヴィカスが養育中の卵の栄養管を抜きとって卵を殺し「中絶だ」と笑うところ。さらに卵のある小屋を焼却
・左腕がエイリアン化したヴィカスが、エイリアンにしか扱えない武器の動作テストをさせられエイリアンを射殺させられるところ(泣いた)
・後半になるにつれ、ヒトがスイカのようにぶっちゃんぶっちゃん潰れます
むしろエイリアンの科学者(たぶん)・クリストファーの方が理性的に見えるんですが。
あの後も子供と生き延びてくれてるといいなあ。
制作サイドとしては決して政治的なテーマで作ったのではないそうですが、
異なるものが分かり合うことの重要さを逆に感じさせる良作ではないかなと思いました。
そしてヴィカスは最後おそらく完全にエイリアン化し、第10地区に押し込められたエイリアンたちは増加の一途をたどっているという……。
SFスリラーだから仕方ないね。