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大魔王様、浪漫!のこと
おかしい。この狐耳メイドは私に身も心も捧げて奉仕するんじゃなかったの?

あ、そっか。本人の認識の問題みたいな事言ってたっけ。

「この為に内在魔力の多いものは筋骨隆々な者が多くなり、外在魔力の多い者は見た目に影響は有りません」

恐らく気が付いているであろうと思われる私の内心の戦慄と納得など気にも留めず、魔法の講義を続行するらしい。

実にクールビューティー・・・・媚びない所が良い。

「また、内在魔力は肉体強化に向きますがその他の事には向きません。内在魔力は単純な放出による攻撃が可能ですが、圧縮、収縮が難しくとても熟練を必要とする為に相当な熟練者でなくては効率は非常に悪い物となる事から内在魔力を主に使う者は極一部の熟練者以外は肉体強化のみ使う事が殆どです。内在魔力による肉体強化と放出攻撃は構成術式を必要としません」

モロに気と魔力じゃん!

「無属性と属性・火・水・風・土・光・闇の7種。水と闇で氷が派生し風と光で雷などが派生します」

あれ?私の知ってる魔法とすっごい似てるんですけど。

「無属性は誰でも相性が無く、得手とする属性は大抵は2つか3つです。稀に得手不得手が居ない方が居られるそうですが、平均的に微妙になるそうです。私は光・火・風・雷を得手としています」

火は狐火的な意味でそうでもないけど、何かイメージちがうなぁ。この無表情クールビューティは水と氷って感じなのだけど・・・・ふみゅ。普段の冷静さに反して意外と激情家だったりするのかな?

1番怒らせたら怖いタイプじゃないか。

「魔法を使用する際はそれぞれの対応図形の組み合わせによる構成術式を暗記している必要があり、使用の際には鮮明に想像する必要があります。この為、同じ魔法でも高度で複雑な魔法ほど発動速度が術者によって異なります」

ほほぅ。それはちょっと意外だね。どっかで聞いた事在る様な気がするけど。

「この問題を解消する方法のひとつとして構成術式を予め何らかの触媒に彫って置くと言う方法がありますが、その場合は魔力伝導率の問題により最高の伝導率を誇るオリハルコンでも8割ほです」

ますます何処かで聞いた事が在る様な・・・・金属?の名前の方も。

「オリハルコンと言うのは金属ですか?」
「申し訳有りません。説明不足でした。オリハルコンとはもっとも高価でもっとも強靭でもっとも魔法伝導率の高い金属です。強度問題から構成術式を彫っておくのは金属が通例となっております。使用される代表的な金属の伝導率順位は銀3割弱、白金3割強、ミスリル4割弱、オリハルコン8割となっております」

ファンタジー代表金属が2個出てきたね。

「アダマンタイトと言う金属はありますか?」
「ご存知だったのですか?」
「いいえ、どうやら全く共通点が無いと言う訳でもない様なので適当に口走って見ただけです。その様子では在ると言う事ですね」

ミスリル、アダマンタイト、オリハルコン。ファンタジー3種王道金属揃い踏みか。ベタやのぅ。

「はい。しかしアダマンタイトは強靭ではありますが、希少性と魔力伝導率のバランスが非常に悪いので通常は他の金属が使われます。ミスリルの倍以上の価格でミスリルの半分以下の魔力伝導率ですので、構成術式板としては使われません」

そりゃミスリル使えって話しになるね。

「もっとも、オリハルコンもミスリルの300倍以上の値がつく事が殆どですのでまず使われません。小石程度の大きさの塊で5人家族の中流家庭が食べていくだけなら問題ない額が当たり前に付きます」

どんだけ高価なんですか?オリハルコン・・・・インゴット水準で考えても異常だね。日本円で3億前後くらいなのかな?小石サイズで。それは上級宝石の価格では無かろうかと思います。

「また、加工にも凄まじい設備と労力を必要とする為に加工費もミスリルの数百倍は必要です」

オリハルコン製の剣の値段って数十億とか余裕そうだね!

「ダマスカスと言う合金もかつては在ったと文献に残されていますが、作成費用の割には魔力伝導率はミスリルに大幅に劣り、強靭さも若干劣った為に埋没し、現在は使われません。一時期は粘りのある特殊性から注目された事もあるそうですが、アダマンタイトの加工技術が普遍的な物になった後はコストも性能も生産性も全て劣る為に歴史に埋没した合金です」

金属も生存競争ですか。世知辛いね。

「魔法を使う際にはこれらの方法で構成術式を準備したのち魔力を流し発動発声を行う事で発動します」
「発動発声とはどの様なものですか?」
「『ラン』です」
「全ての魔法共通ですか?」
「はい。万人共通であり全魔法共通です。口頭で言う必要はないのですが、発声した方が最大で4割ほど威力が上がりますので特殊な事情でも無い限りは『ラン』と発動発声をします」

隠密活動とかの時以外は言うって事ね。

「他の言葉でも構いませんが、威力は確実に下がります。稀に効率や威力より格好良さや浪漫を求めて他の言葉を使う者も居ます」

ああ・・・うん・・・何処にでも居るよね。そう言う人は。

「過去に聞いた事がある発動発声で1番個性的だったものは『俺様の最強無敵攻撃魔法!』でした」

・・・・・ノーコメント。

「仲間への回復魔法を使用する時にです」

おおい!?

それ大分間違ってるよねぇ!なんか色々違い過ぎるんじゃないかなぁっ?

「どの様な魔法を使って来るか分らないと言う事ですか」
「はい。誰にも分りません。ただ、魔法を使う際は大規模な構成を必要とする魔法ほど魔力を高める必要がありますので、構成の大きさに応じて声を出して相手に通知しているも同然です」

大きい魔法ほど大きい声で魔法を使います!って言ってるも同然と。魔法で不意打ちはほぼ不可能って事ね。

「この世界での魔法を使える人と使えない人の人口比はいかほどでしょうか?」
「5歳の子供でも初歩の発火魔法を使える事は珍しい事ではありません」

程度は兎も角として、魔法は使えて当然って訳ね。

「ただ、魔力の量や意志力によって同じ魔法でも威力に雲泥の差がでます」

な・・・ん・・・だと。もし魔法を使えれば大魔王様の夢!大魔王様の決め台詞であり、大魔王様の浪漫のあれができると言う事にっ!





「これが余の発火メラだ」ができる!?


リアはバー〇様をカッコイイ大魔王様だと思っています。浪漫的な意味で。


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